しゃけの解体(命の尊さを知る)
私達は命をモノのように捉える工場生産の肉や魚を毎日食べています。それなのに生産の場で何が起きてるか想像せず命を食べている事を直視しません。例えば北海道の人々がよく食べるジンギスカンのラム肉。ラム肉とは一歳未満の子羊の肉のことです。このように私たち人間は、普段の消費生活の中で命の存在を特に感じることもなく過しています。しかしそれはエネルギーの浪費や地球環境汚染など、人と生き物の生存の根源に関わる問題への無感覚や無視にも、そのままつながっているような気がします。
命の大切さについて考えるとき、いくつかの視点があります。
1. 存在の奇跡: 命は偶然の産物ではなく、無数の条件が揃って初めて生まれるもの
です。私たち一人ひとりが存在すること自体が奇跡と言えます。
2. 相互依存: 命は他の命と深く結びついています。私たちは食物連鎖や生態系の一
部として、他の生物と共存しています。この相互依存の関係を理解すること
で、命の大切さをより深く感じることができます。
3. 一度きりの経験: 命は一度きりの貴重な経験です。時間は戻らないため、今この
瞬間を大切に生きることが重要です。
我々日本人は食前の挨拶で「いただきます」と言って食事をとります。この挨拶の本来の意味は食材への感謝であり、肉や魚はもちろんのこと、野菜や果物にも命があると考え、「○○の命を私の命にさせていただきます」という意味だといわれています。
以上のように命の意味を少しでも考えるきっかけとして「しゃけの解体」を園では毎年企画しています。
追伸 年間計画には「鮭の解体ショー」と題していましたが、
この文章を書く中でわれわれ人間は、他の命をいただかなければ生きていくことはできない存在だということを改めて感じショーなどの言葉は命をいただくものとして安易に使うべきではないと考え外させていただきました。