熱を持つやうに青葉のひかりをり
今日は、天気が良くて、歩いていても汗ばむほどでした。
木下闇流るる水の白さかな
青空の四囲となりたる夏の雲
叢に消えて再び夏の蝶
花柘榴空青ければ殊更に
陰陽のなきがごとくに花柘榴
花柘榴風に招かれくるものも
花柘榴人に捧ぐるてふこころ
鉢植えに紫陽花の毱満ちにけり
青空にすつぱり開く白日傘
丘の上空ゆくごとく白日傘
白雲のごとくに空の白日傘
柔らかき葦の風くる水辺かな
夏蝶も通りてゆける土橋かな
草茂る匂ひとなれる雨上がり
紫陽花の水面に弾みをりにけり
水辺にもありし暗がり濃紫陽花
紫陽花や小公園に句碑ひとつ
学校に開かぬ裏門銭葵
小流れに沿ひゆく道や青葉風
縄文の頃もかくやと栗の花
青空へ広がるやうに栗の花
栗の花人に静かな戦闘心
人にみな野生のこころ栗の花
廃屋を飛び出してゐる百合二輪
夏萩の重みとなれるひとところ
茅葺きの屋根のひかりや夏館
栗の花箒目絶えぬ庭の土
竹垣に挿す長靴や夕薄暑
石垣にそれぞれ名前濃紫陽花
母が追ふ子供の歩み夏の蝶
水辺への暗がり蛍袋かな