お知らせがギリギリになってしまいましたが、
6月三越劇場 新派公演に出演させていただくことになりました。


『深川の鈴』と『国定忠治』の二本立てですが、私は国定忠治に出演いたします。



実はこの『国定忠治』は、私が長年師事しておりました故・大山克巳の代表作でありました。




この作品は新国劇で代々継承されてきた財産演目で、様々な方々がその芸を受け継いで来られました。
『新国劇歌舞伎』と呼ばれていたことからわかるほど、随所で様式美を求められます。



『あそこの場面はこうだったんだよ』
『あの人のあの役は秀逸だった』
『刀はこう抜くんだ』
『ここの間(ま)はこう』


こと細かな一挙手一投足まで、
少し誇らしげに忠治を語っていた師匠を鮮明に覚えており、私にとってはまさにバイブルのような作品です。

この舞台が、なんと新派の舞台で蘇り、歌舞伎出身の市川月乃介さんが演じられ、そしてまさか自分が立つことの出来る日が来るなんて
ご縁の不思議さと有り難さを感じずにはいられません。



この伝統ある作品に息づく歴代の方々の情熱を、どうぞ1人でも多くの皆様に劇場で感じていただけたらと思います。


私も微力ではありますが、
私の中で生きている師匠が、再び舞台で蘇りますよう初心に返り、誠心誠意努めさせていただきたいと思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

6月2日より6月25日まで。


三越劇場ホームページ