かわいいかわいい愛猫のここが天国にいきました。。


・・・・天国に送りました。


ここの手に腫瘍が見つかったのは去年の冬。


ふさふさだったここは日に日に細くなっていった。

手を切断すればもう少し長く生きることができるといわれたけど、

ホストファミリーのおとーちゃんとおかーちゃんはそれを望まなかった。


もう18年も生きているここ。 ここの余命を見守ることにした。


小さかった腫瘍は日を追うごとに大きくなっていったけどここは毎日歩き、毎日ご飯を食べ


息子のららをかわいがってた。






おーせが風邪をひいてここのソファーに寝ていると嫌がるわけでもなくちょこんと近くに座っていた。


ハニーが遊びにくると、ここは嬉しそうにハニーの横で体をのばした。


パタンパタンとゆれるふわふわのしっぽが止まると、

ここはいびきをかいてぐーすか寝ていていた。

時折体をビクッてさせ、うとうとっと目をあけハニーの顔をみるとまた安心したかのように寝に戻っていた。





ららはここがだいすきだった。

だいすきなごはんもここの前だとちゃんと我慢して、いいこに「待て」をしていた。






ここはホストファミリーのおとーちゃんとおかーちゃんと娘3人がだいすきだった。

ガレージの開く音が聞こえるとむくっと起き上がって


一生懸命玄関にむかった。


大きくなった腫瘍はここの手を曲げたまま元に戻らなくしてしまった。。


それでもここは足をひきずりながら近づき何度も何度も顔をすりよせた。


ここが痩せていき・・

寝ている時間が多くなってきた。。


「ここは痛がっているのよ」

お医者さんに言われ、ホストファミリーは決意した。

「明日ね、ここ・・天国に送ることにした。。うん。そういうことだから・・」


震える声でホストママが電話をかけてきた。


「うん。分かったよ」



分かってたよ。いつかはみんな天国にいくんだ。

分かってるよ。このほうがここにはいいんだ・・


でも、涙が止まらないよ・・



その日の朝・・ここはガレージの隅っこにいた。


「おはよぉ。ここ」


ここは足をひきずりながら近づいてくると顔を何度も何度も摺り寄せてきた。


また涙がぼろぼろでてきた。


天国にいくのが分かるのかい?

さよならをするのが分かるのかい?


パタンパタン。

ここのふわふわのしっぽ・・

いつのまにこんなに小さくなっちゃったんだよ・・


こんなに体が小さくなっているのに「生きる力」を感じるのはなんなんだろう・・



病院までは3分の距離。

診察台にのせられたここ。


最初の注射が睡眠薬。

注射をうつとパタンパタンと小さくゆれていたふわふわのしっぽが止まった。


ここが天国にいく時間が近づいてきた。


   トク・・トク・・トク・・


ここの心臓が小さく動いていた。


しばらくして看護婦さんが別の注射をうった。



トク・・トク・・トク・・     


         ・・・・・・


天国までの時間はあっという間だった。


「彼女は天国へいったわ。。」


聴診器を耳からはずした看護婦さんが静かにそういった。


さっきと何も変わらない。。


寝ているだけのように見えるのに。。



腫瘍だけがいつまでも熱をもっていてここの体がどんどん冷たくなっていった。


・・・ふわふわのしっぽ。

もう動くことはない。


これからの思い出にここはいないけど、天国ででずーーとふわふわのしっぽゆらしているんだ。

ありがとうここ。 ありがとぅここ。


家族は抱きしめキスをしてここに最期のお別れをした。


さよならここ。 ここは天国にいきました。みんなに囲まれて。


ここは天国にいきました。みんなに感謝されて。


ここは天国にいきました。みんなに愛されて。