2016-05-03 08:36:42

サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会ご報告、その2

テーマ:政治
4月14日の内閣委員会におけるサイバーセキュリティ基本法改正案についての質問(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0058/19004140058010a.html)、第二回目のご報告は、本法が規定する第三者機関に対する監査業務の委託についてです。今回の法律では、NISCが所掌する事務の内、独立行政法人や特殊法人、認可法人に対する監査業務を「IPAほかの独立法人」に委託することができることになっています(なぜか、委託する事務を担うはずのNISCが法律で規定されていないことは、第一回目のご報告の通りです)。
 このIPAによる他の独立法人等に対する監査が適切であるのか、また将来、省庁等の行政機関にまで監査の範囲が及ぶことはないのか、について国の安全保障という観点から質しました。印象としての結論から先に言えば、経済産業省所管のIPAへの業務委託を優先させるあまり、ネット上の自由な経済活動を推進する経済産業省の立場が優先され、安全保障へのリスクが過小評価されているように思われてならない答弁、政府のゆるみを反映した答弁となりました。

 最初に、防衛省の関連企業による情報漏えいが発生した場合の約定事項の存在等にみられるように、各省庁ごとにインシデント発生の対応は異なるが、かりにIPAがこれらの行政機関の監査業務を行うとすれば、これらの秘密事項や異なる特約事項の義務をそれぞれ履行するということができるかを質しました。これに対して遠藤大臣は、改正後の規定においても、委託する法人に行政機関への監査業務を行わせることは想定していないと答弁しました。当然のことです。しかし、実は衆議院の付帯決議において、行政機関への業務拡大が指摘されていたので、この言質を取りたかったのです。なお、法律が採決された後に付された参議院の付帯決議では、行政機関への業務拡大について慎重に対応することを盛り込みました。

 それならば独立行政法人に対しても、一様の対応でよいのかを質しました。防衛省所管の駐留軍労働者労務管理機構(LMO)は、在日米軍施設で働く駐留軍等労働者の雇入れ、提供、労務管理、給与及び福利厚生に関する業務を行っています。LMO自身は、米軍の作戦行動のような運用等についての情報を有していませんが、どの基地でいかなる職種をだれが行っているかについての情報を保有しています。かつてフェイスブック上で、某投稿者が米軍高官であることを特定され、大きな問題となったことがありました。どこでだれが勤務しているかについての個人情報は、米軍の保有する軍事上の機密に近い人物を特定したりできる等、日米同盟にも影響を与えかねません。そこで防衛政務官に対し、この法律では守秘義務が委託される独法に課せられるが、ほかの独法と同じような守秘義務条項でLMOに対する監査業務を担わせることが適切かを質しました。
 すると熊田政務官は、LMOの個人情報の漏えいがあってはならないとした上で、日本の法令及び基準等にのっとり万全を期しておるところだが、引き続きエルモにおける情報保全に万全を期するように努めたいと、ほぼ他人事のような木で鼻をくくったような答弁を行いました。
 このため小生より、「政務官、おっしゃっていることの意味分かりますか。」と再質問しました。LMOは米軍の運用情報等は持っていないものの、米軍の基地労働者、配置、その家族等の情報を一元的に管理しており、悪意のある攻撃者が、彼らの情報を把握し、在日米軍の活動や我が国の安全保障に影響が出るような事態が起こった際に、「防衛省としてあるいはLMOとして、いや、その情報は実は独法が監査していました、しかも、その監査を行っている守秘義務あるいは保秘に関する規定は、例えば年金を扱っているとか、ほかの政府の機関と全く同じでした、これで」良いのか、危機感が余りに欠如しているのではないか、と質したのです。
 これに対して政務官は、「様々なことを考えながら、またこれは引き続き検討していかなきゃならないことだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。」と回答するのが精いっぱいでした。

 次に警察庁に対し、サイバー・インシデントが発生した際に、警察庁が政府機関たるNISCと行ってきたような情報協力を、IPAのような独立法人との間でできるのかを質しました。というのも、このような場合の対処はサイバー上で全てが完結するわけでなく、属性や足跡、いわゆるアービトレーションやアトリビューションが重要で、この分野については警察が秀でている一方で、警察は刑事訴訟法の第四十七条で情報の提供の制約があるのです。この質問に対し、警察庁は、「刑事訴訟法第四十七条におきましては、訴訟に関する書類は公判の開廷前にはこれを公にしてはならないとされ、ただし書として、公益上の必要その他の事由があって相当と認められる場合はこの限りではないとされております。したがいまして、事案の解明及び同種事案の拡大防止に必要であると認められる場合には、このただし書の趣旨を踏まえまして、監査を委託された法人と捜査情報を共有することは十分に可能である」と答弁をしました。この手の協力が但し書きに基づき独法との間で行われるとの言質を取っただけで、今回は満足しました。

 この質疑を通じて明確になったのは、個別の場合の対処、特に安全保障の分野から機微な問題について、具体的な想定が甘いということでした。サイバー上の攻撃は、自由なネット上の活動を制約するのみならず、最悪の場合には国の安全保障に脅威を及ぼすことを想定し、細部についても想定すべきです。しかしながら、今回の法律も安全保障法制などと同様に想定が甘く、議席数さえあれば何でもできると考えているのか、政府のゆるみを象徴しているようでした。
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2016-05-03 00:51:16

サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会における質疑ご報告

テーマ:政治
 4月14日、内閣委員会においてサイバーセキュリティ基本法改正案について質問に立たせていただき、議事録が公開されました(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0058/19004140058010a.html)。
テクニカルな部分もありますが、日本の将来に重要な分野でもあり、4回に分けて細かく報告させていただきます。第1回となる今回は、サイバーセキュリティ基本法が経済活動やネット上の自由に偏り、国の安全分野が希薄なことに鑑み、二年前にこの法律が成立した際の付則及び参議院の付帯決議で要求されたことについて政府が対応していないことについてです。

 最初に担当の遠藤大臣に対して、サイバーセキュリティ基本法でサイバーセキュリティ戦略本部が法制化され、その事務を担う内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が内閣官房組織令で規定されて、両者の権限強化がなされた評価を尋ねました。これに対し遠藤大臣は、「本部長による監督権等が規定されたことにより、従来の枠組みに比べ各省庁に対するサイバーセキュリティーに対する権限が強化をされました。昨年の年金機構の情報流出事案についても、厚生労働大臣に勧告を行ったところであります」と答弁しました。
 ところが、法律の附則第二条は、NISCを法令化ではなく、法制化により規定するよう求めていたのに、今回の改正ではこの法制化規定を削除し、法律で定めないままに放置されたのです。法制化により、年金機構における情報漏えいにも対処ができるようになったと評価しているのに、付則で要求されている事項を無視するのはおかしいと質しました。すると大臣は、政令で定めたと開き直りました。
 そこで小生から、①国会の意思として法制化が求められていること、②平成26年5月の情報セキュリティ政策会議でもNISCの法制化が承認されていること、③サイバーセキュリティ本部の法制化により、年金機構に関するサイバー攻撃による情報流出事案にも適切に対処できたと大臣自身が認めていること、を指摘したうえで、法律によりNISCを規定すべきではないのか、と質しました。また、上位のサイバーセキュリティ本部は法制化され、NISCが業務を委託する独法については今回の改正で法律により規定されるのに、その中間にあるNISCのみが法律で規定されないのはアンバランスであると指摘しました。
 これに対し大臣は、「附則第二条の中に、「情報セキュリティセンターの法制化を含む。」というふうな文言になっておりますが、この法制化には法律と政令と両方あると承知をしております。そこで、内閣法の第二十五条には「内閣官房の所掌事務を遂行するため必要な内部組織については、政令で定める。」と書いてありますので、そのような形で決めたということでありますので、アンバランスではない」とわけのわからない答弁を行ったのです。
 そこで小生より、付則二条には自民党を含めた与野党で賛成したものであり、NISCの権限を法律により規定するよう、改めて求めました。これに対し大臣からは、「引き続き検討していきたい」との答弁がありました。

 次に、サイバーセキュリティ基本法付帯決議で規定された、情報通信関連機器等の安全性に関する基準については防護対象の重要性の段階に応じたものにすることについて、政府は何を行ったのかと質しました。これに対して遠藤大臣は、①特に重要な情報を扱うシステムについてはインターネットから分離を求め、残るインターネットに接続するシステムについては業務のリスクに応じて優先順位を付した上で多重防御を図ることとしている、②政府全体としてインターネット接続口の集約化を図ることにより、監視や防御をより効果的、効率的にする取組を進めている、③重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第三次行動計画において、重要インフラサービスの持続的な提供のため、経営層がリスク源の評価及びそれに基づく優先順位を含む方針を決定する、④重要インフラとしての機能保証の考え方に立脚し、サイバー攻撃に対する体制強化を推進するため、平成二十八年度末を目途に行動計画を見直す、といった対策を行っているとの答弁がありました。
 これでは、重要インフラへの対策を除けば、運用もしくは今後の対策にとどまっており、付帯決議から2年間、誠実な対応がなされたとは考えられず、残念です。そこで質問を変えて、この「機器等の安全」について具体的に尋ねました。つまり、ハードウエア・トロージャン・ディテクションは国内技術で対処できないと理解するが、半導体のチップはの輸入が増えており、こういったチップの中に悪意のあるものが埋め込まれているといった懸念が高まっているところ、政府はいかなる対策を行っているのかと質しました。
 すると、さすがにこの質問は大臣では処理できずに政府参考人から、本年一月に閣議決定した第五期の科学技術基本計画において、ハードウエアの真正性を確認する技術等の開発およびその社会実装を推進することとしており、戦略的イノベーション創造プログラムの課題として研究開発を進めている、との答弁がありました。つまり、現時点では、安全性の基準を定める以前の段階であり、2年前に指摘した懸念は解決の緒についたにすぎません。

 次に、やはり付帯決議で指摘した防護対象の重要性の段階に応じた対応について、以前委員会で、韓国などでは、現実の世界で安全保障上の脅威が起きたときにはレッドアラートとかイエローアラートとか段階を設け、現実の世界に対応したサイバー上の危機対応を行っているが、政府は段階に応じた対応を検討してきたのか、と質しました。これに対しては、今後とも頑張ります的な、実質無回答でした。

 続けて、付帯決議で応急した「実効性のある帯域制御の在り方」について、平時における帯域制御の運用基準に関するガイドラインについては承知するものの、前提がサイバーセキュリティーであることに鑑み、有事の際のISP側での帯域制御についてはどんな検討を行い、いかなる措置を施したか、と質しました。すると、わざわざ有事の際のと前提を付しているにもかかわらず、ふざけたことに総務省の政府参考人から、平時の帯域制限についてのみ答弁がありました。しかもこれは2015年から講じられている措置なので、付帯決議で国会が要求したことに応えるものではありません。

 このように、政府はサイバーセキュリティの重要性を口では喧伝しながらも、法律が要求したい付則は無視して削除し、国会の付帯決議に真摯に取り組まない有様です。小生からは、「附則第二条では、法律では規定をしない。それから、段階に応じた、政府統一基準だけではないものについては、重要インフラはやるけれども、ほかはやらない。そして、技術の確立についてはまだ道半ばである。それから、重要性の段階に応じた防護対象の対応については、やはりやっていない。それから、ISP側の実効性のある帯域制御の在り方については、別途有事については検討していない。これが我が国会が求めたことに対する政府の対応の現状であります。新しく内閣が提出する法律があるのであれば、こういったものはしっかりと対応してから法律出すというのは当然の話だと私は思います。大臣、改めてお伺いをさせていただきますけれども、国会が要求をいたしました法律そして附帯決議について、真摯にもう一度御検討いただけるということを明確に御答弁をいただけないでしょうか」と要求しました。すると大臣からは、引続きの検討というお役人答弁がありました。
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2016-04-23 22:40:22

AAV7調達の疑問等;外交防衛員会における予算委嘱審査報告

テーマ:政治
3月23日、参議院外公防衛委員会の予算委嘱審査において、F35A及びAAV7をはじめとする防衛装備品の調達について質問いたしましたので、ご報告いたします。
詳細はこちらから:http://online.sangiin.go.jp/kaig…/daily/select0104/main.html

1. 水陸両用装甲車AAV7
AAV7は装甲を施した水陸両用車両で、尖閣等が占拠された際の奪還作戦に使用するとされていますが、きわめて高額であるのみならず、その速度は遅く、上陸地点の制限も多い装備で、且つ1回限りとなるであろう上陸作戦で52両をいかに用いるのかという疑問が付されています。この調達及び運用についての疑問を質しました。
まず小生より、AAV7の最大速度、輸送能力及び上陸の際の制限等について確認し、海上での時速は13km、人員で最大24名の輸送が可能で、さんご礁などの地形では上陸できない旨の回答がありました。
戦闘下ではAAV7を輸送する船舶は遠くに停泊をして上陸作戦を実施するところ、遅い速度のAAV7が、当初から想定される良好な地点に上陸すれば、容易に標的になりかねないのではないか、と質したところ、中谷大臣は、「まず敵を制圧をして、海上優勢、航空優勢、これを確保した上で陸上部隊を上陸をさせるということを想定としており・・・AAV7の海上からの上陸のみならず、LCAC(海上自衛隊保有のホバークラフト)そして潜入ボート、これを航空機から投入をする、またCH47、V22オスプレイといった航空機による空中からの上陸など様々な複合的な組合せで、手段を組み合わせて実施する」と述べたのでした。
このLCACは海上で40ノット(約74km/h)、輸送能力は50トンで、上陸の地形制限はAAV7よりはるかに少ないものです。大臣が言うように、海空を制圧してから運用するのであれば、装甲の必要性がなくなり、AAV7と共にLCACや潜入ボート(ゴムボート)を同時に使用する想定ならば、AAV7調達の必要性に疑問が出ます。そこで大臣に伺ったところ、中谷大臣は、「島嶼部を奪回、確保するに当たって島嶼部に敵兵力が残存している可能性も否定できないために、陸自部隊が自らを防護しつつ海上から着上陸するためには防護力を備えたAAV7は必要不可欠な装備」だと言うのです。
これでは納得できず、小生のほうから、「水陸両用作戦の流れで航空優勢、海上優勢が確保されたら、併せてV22やボートやLCAC使うことになっているんです。大臣、危ないんだったら、このボートの人たち危なくなっちゃいますよね。まだ残存勢力がいて、併せて使えないじゃないですか。違いますかね。大臣のおっしゃっていること、僕にはよく正直理解ができません。併せて使うことができないような状況であればAAV7だけになるのかもしれないし、この防衛省の説明資料は併せて使うことになっています。ボートの人は死んでも構わない、こういうことでしょうか。」と聞くと、大臣は、「死んだら困ります」との答弁で、与党席からも失笑が漏れました。
さて、このAAV7ですが、先に運用している米軍の場合、我が方の最大の輸送艦「おおすみ」の約二倍の規模がある排水量二万六千トン規模の輸送艦でも最大14両のAAV7しか運用できません。ところが、中期防によると五十二両のAAV7を調達することになっています。高価で制約の大きいAAV7をこれだけの規模で調達し、三個連隊三千人の人員と共に運用するのは、現実的ではないと指摘させていただいたところ、大臣は、「おおすみ」型輸送艦を改造し、三隻を活用すれば、「性能上は四十四両全て輸送することが可能であると考えております。」との答弁でした。
これに対し小生より、更問をさせていただきました。やはり、52両のAAV7の調達には、どうしても納得できません。
戦闘が行われていれば、なかなか海上自衛隊の船は陸に近いところに行きたくありません。なるべく遠いところで降ろす。しかしながら七ノット。逆の風が吹けばよりスピードは遅くなるでしょう。ところが、LCACは、より早く、しかもより多くのものを輸送できる。しかも、海上優勢、航空優勢が確保された後というふうに言われているわけですから、私は、これだけのものは必要であるというふうに国民に対して説明するには残念ながら説得力が欠けていると思わざるを得ません。よもや陸上自衛隊のポストや人員を獲得するために、AAV7を活用して海上自衛隊のLCACを排除すると、こういうロジックでは、まさか大臣、ないとは私も思います。
 しかしながら、日本の安全をきちんと確保をし、なおかつコスト、それから適性、こういったものをしっかりと見極めていくためには、大臣、全くAAV7が必要じゃないとは言いません、ただし、この規模だとか運用の仕方をもう一度御検討いただき、現実的な運用にされるべきではないかというふうに思います。

2.F35A
 この日の質問では、FMS調達とライフサイクル管理の関係についても質しましたが(http://ameblo.jp/oonomotohiro/entry-12153282356.html)、これにも関連するのがF35Aの調達です。中期防では、高価で単発エンジンのF35Aが調達予定になっていますが、ステルス性及び機動性に優れているとされる双発エンジンのX2先進技術実証機の初飛行試験が予定されていました(すでに4月22日に実験が成功)。このX2はF2戦闘機の後継機となるのではないかと目されているところ、将来におけるF35Aとの役割分担について質しました。戦闘機の自国開発は、「青息吐息であった我が国の防衛産業の基盤技術を維持、育成するのみならず、外国製品と比較して一般に透明性が高い、あるいは長期の使用に耐える、さらには民生技術の転用」といった効果もあり、長期的な構想と役割分担を検討し、F35Aの調達を抑えることも必要ではないか、と質したのです。
 これに対し大臣からは、「X2等の実証研究を含めた検討を進めているところで」あり、「委員のご指摘を踏まえて、防空体制を総合的な体制で行い得るように、様々な観点も含めましてしっかりと検討してまいりたいと考えております。」との答弁がなされました。

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2016-04-23 22:37:02

FMS契約と防衛装備庁:外交防衛員会における予算委嘱審査報告

テーマ:政治
 3月23日の外交防衛員会における予算の委嘱審査の議事録がアップされました(http://online.sangiin.go.jp/kaigirok/daily/select0104/main.html)ので、小生の質問にかかわる概要、防衛省予算に関連するFMS契約関連部分についてご報告いたします。

 防衛省の説明によれば、今回の予算の特徴は島嶼部や日本領土・領海を守ることにある由ですが、昨年の安保法制は島嶼部や日本の領土・領海を守ることに対応せず、領域警備法等のこれらを守る法律すら出さずに、予算だけはつけるという不可思議なものになっています。このことを指摘したうえで、FMS契約と防衛装備品のライフサイクルを一貫したプロジェクト管理の在り方等について質問をさせていただきました。

 米国の対外有償軍事援助(FMS)は自民党政権になってから二倍・三倍に膨らみ、本年度予算では、装備品調達費の4割近くまでに達しています。このFMS契約は、納品時期や価格、スペアパーツの確保、それに伴う役務提供費に至るまで不透明な部分も多く、且つ米側の都合に合わせて変更も可能な日本側に極めて不利な契約です。ところがその一方で、防衛省は一貫したライフサイクルを通じたプロジェクト管理を行うことが重要と主張し、防衛装備庁を発足させたるのです。ライフサイクルを通じたプロジェクト管理の重要性は理解しますが、このような管理の在り方と整合性の希薄なFMS契約を急増させていることは、言っていることとやっていることがあまりに違うのではないでしょうか。そこで、この点を質させていただきました。
 すると中谷防衛大臣は、「FMS調達する装備品等につきましても、価格の交渉、納入促進、部品枯渇対策など米国政府と調整及びまとめ買い等によるコスト縮減策の検討などライフサイクルの一貫した管理を行う必要があると考えておりまして、このプロジェクト管理の強化、これに努めて」いるとの答弁でした。つまり、必要があるので努力するとしか言えないのです。
 そこで、FMSにかかわる役務提供契約において交換公文の合意を行う前にチェックができているのか、と具体的に質したところ、「米国政府に人件費等の裏付けとなる資料も求めて確認を」しているが、これらについても削減をできるよう努力したい、との答弁でした。要するに、資料はもらっているが、チェック機能を果たせていないのです。また、防衛装備庁との関係でも、プロジェクト管理の強化に努めていくとの答弁にとどまりました。政府としての重点施策の目標を定めるのであれば、口だけではなく、それに沿った対応が不可欠であり、これでは、米国の言うがままに買わされていると批判されても、致し方なくなってしまいます。

 税金を使う以上、責任ある予算の執行が大事ですが、ライフサイクルを通じたプロジェクト管理を掲げて防衛装備庁まで作るのですから、FMS契約の在り方を抜本的に見直す等の措置が必要ではないでしょうか。
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2016-04-19 07:35:35

財政法29条に基づかない国際機関への拠出?!:3月29日の国会質問

テーマ:政治
 3月23日の外交防衛員会における予算の委嘱審査の議事録がアップされました(http://online.sangiin.go.jp/kaigirok/daily/select0104/main.html)ので、小生の質問にかかわる概要、外務省関連部分についてご報告いたします。

 国の予算は財政法に従って編成され、あるいは執行されます。補正予算は、財政法第29条が、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費等に関するものに限り補正予算の作成を認めています。ところが、国連や国際機関に対する分担金・拠出金が、本予算ではなく補正予算から支出され、一部の機関ではそれがほぼ毎年のように行われており、財政法29条に従った支出とは言い難い状況になっています。予算を小さく見せたい財務省の思惑に従ったものでしょうが、必要な支出は確保し、本予算で手当てしなければなりません。
 このような問題意識に従い、現状について岸田外相に尋ねたところ、当初予算編成時に予測できなかったもののみを補正予算に回しているので、適切であるとの回答でした。
 そこで、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出が、本予算よりも補正で15倍も拠出されている状況を取り上げ、これらの予算がUNRWA側で通常の業務にほとんど使われていると指摘して外相の答弁を求めました。すると外相は、シリアやガザ情勢が毎年変化しているから、緊急アピールに基づき補正予算に組み込んでいるというのです。
 シリアやガザ等、パレスチナにかかわる情勢が流動的なのは今に始まったことではありません。また緊急アピールは、我が国側の都合である補正予算に向けて出されるもので、本末転倒になっています。UNRWAの事業は重要で、その職員のほとんどは難民自身であり、拠出金そのものについては拡充すべきと考えますし、小生自身、そう主張してきましたが、拠出の在り方は財政法に基づかなければなりません。そこで、これらの予算は母子健康手帳や予防接種等、通常のUNRWAの事業に使われているのではないか、と質したところ、外務省側はしばらく答えられず、審議が止まりました。その挙句、外務省側は小生の言うことを肯定したのでした。
 審議を止めたままではいけないとの判断で、大臣に対して適切な予算の対応を検討するよう求め、その言質を取った上で別の質問に移りましたが、国民の血税を使っている以上、財政法に基づき適切な予算を編成していくことは当然であり、長年補正で供出している現状は改めなければなりません。
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