地球温暖化対策主要三政策について | 大野もとひろオフィシャルブログ Powered by Ameba

地球温暖化対策主要三政策について

昨日、党の成長戦略・経済対策プロジェクトチームがとりまとめている地球温暖化対策の主要三施策に関する提言とりまとめのための総会に出席した。


小生としても、以前から環境には強い関心があり、総会において発言もさせていただいた。


民主党は地球と環境に優しい党であると同時に、グリーン・イノベーションによる成長・雇用の実現を掲げ、環境と経済の両立を主張してきた。そのような中で議論になったのは、地球温暖化対策のための税、再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度、および国内排出量取引制度であった。


前二者については、多電力消費業界への配慮の必要等も強調されるべきであるが、CO2排出量削減のために必要で、なおかつ環境と経済の両立に資する政策であろう。しかしながら、全量買い取り制度については、環境と経済のいずれにも貢献しないかもしれず、また、マネーゲームの助長や国際的な枠組みへの不用意な参加、官僚による規制と介入促進、測定と買い取り基準のあり方等、現時点で制度導入を検討するには、あまりにも解決すべき問題が多いと考えている。先般も英国大使館と議論したが、英国では商業的関心から専らこの議論に関心が強く、ロンドンのシティが虎視眈々と狙っている我が国の「買い取り」市場創設という手法が適切か、大いなる疑問である。

そもそも、規制と買い取り制度ありきで議論をすると、一義的には消費者と企業への負担が増加するのみではなく、仕事をしない企業が本業以外の排出枠で儲け、環境商品を積極的に製造する企業の負担が増加する等、グリーン・イノベーションという新たな分野での成長戦略へのインセンティヴが減じかねない(たとえば電球よりもLED電球を製造するときの方がCO2排出は多いが、使用時には大きく減少可能である)。また、日本において製造業を続ける限り負担が多いのであれば、海外に転出する可能性もあるが、第三世界に工場を造る場合に、日本において環境対策にかけるほど企業が対策費を出費するとは思えず、かえって排出量が増える可能性もある。さらに、米中を含む国際的枠組みや共有された基準の設定が無く、マネーゲームの要素以外の肝心の環境への貢献に確信がない中で、我が国が先行して買い取り制度を実施する理由がわからない。環境と経済の両立ではなく、経済の深刻な停滞による環境目標達成では、しゃれにもならない。


推進派の方々は、鳩山内閣はCO2削減25%を国際公約としたことを強調されるが、この部分だけ取り上げるのは都合のいい解釈で、この国際公約は、「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の」前提であったはずである。我が国は意欲的な目標を掲げたのであるから、これを実施・達成するためにも、国際社会による真の環境貢献を目指し、環境に名を借りたマネーゲームに終わらない枠組み作りに指導的役割を果たしていくべきで、その間にグリーン・イノベーションを成長・進展させる政策こそ、世界に役立つ政策ではないだろうか。