外国人の地方参政権について:その2 | 大野もとひろオフィシャルブログ Powered by Ameba

外国人の地方参政権について:その2

いえんどぅさんから、外国人参政権に関し、コメントをいただきました。

いえんどぅさんの記事(http://blogs.yahoo.co.jp/yendoo_0/12456864.html )は、大変興味深いものでした。


小生としては、同意できる部分とそうでない部分があります。


第一に、労働力不足だから外国人労働者を入れるという議論ではないことです。国外に工場等が転出するのは、日本国内と国外の人件費の差が理由の大きな一つであり、若者の就職口が不足しているのは事実ながら、「国外と同じ給与レベルで就職するのならば、」という前提条件を付ければ、少なくとも関東都市圏では、若者の働き先はあると考えており、先般、小生が行った若い方との議論でも、そのような論調でした。


第二に、子供手当の狙いは、①人口を増加させること、②景気の浮揚にあります。①については、すでに政権側が縷々説明しておりますが、マスコミはここを報道したがらないようです。②については、たとえばセーター一つ売るにしても、すでに大人の衣料需要は飽和状態であり、毎年買い替えてくれる子供の需要を増やす必要があるという意味です。さらに、日本の経済規模を前提として労働力を調整するのは、縮小均衡政策に他ならず、安価な労働力の導入が経済規模を拡大する可能性を議論してもよいのではないでしょうか。つまり、人が足りないから移民を受け入れよ、という議論ではないと思います。


第三に、「参政権と国防は国民の義務である」はその通りです。他方、地方参政権は国防とセットでしょうか?イスラーム圏の20カ国以上では、古くから「ズィンミー(庇護民)」という概念があります。イスラーム帝国における非イスラーム教徒は、宗教をベースにした「国民」ではないために、兵役義務を免除されますが、それ以外の社会における権利は擁護されています。これまでの右肩上がり時代における日本の閉鎖性ゆえに、魅力のある労働市場を我が国が提供できているとは思えない中、地方参政権についてナショナリスティックな議論のみで判断すべきではなく、広く国民に様々な観点から議論する機会を与えるべきと考えます。


最後に、「今の民主党に、そのような場を設ける用意があるか」というご指摘、その通りです。現在、民主党は参議院選のマニフェスト作りに関するタウン・ミーティングを支部単位で指示しており、広く国民の意見を聞く姿勢を見せています。他方、小生は現在、「民主党をただす」というキャッチ・フレーズを掲げていますが、党内にはこの言葉に対するアレルギーも少なからず見られます。国民の信託を受けて政権交代を成し遂げたのであるから、改めるべき点については国民のご意見に耳を傾けるべきだと思うのですが。


改めるべき点は改め、これまでわかっていながらも長い間前政権がおろそかにしてきた点については改革し、国民の信を問う姿勢が必要だと思います。そのためには、いえんどぅさんにご指摘いただいたような点を互いに議論していけるようにしたいと思います。


付言すれば、こういう議論を公の場ですることって難しいようです。小生は時々、場所を借りて「集会」なるものを実施しますが、立場の違う方をお誘いしても、「私は民主党支持者ではないから」と言われます。民主党支持者だけの集会は、支援をいただきありがたいとは思うものの、私のような立場の者からすれば、異なる立場の方々にご参加いただき、きちんと議論を交わしていきたいのに、大変残念です。


埼玉県の中で申し上げれば、憲法記念日に青年商工会議所主催で討論会が実施されますが、現職の方々はことごとく参加されないとの回答が来たそうです。そのような場でなければ、参議院選を控えて、個々の候補者の立場を正確には知れないように思うのですが、支持者にのみ訴えるのが現在の日本の「慣習」のようで、残念でなりません。