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2014-06-26 23:12:49

現下のイラク情勢について

テーマ:国際政治
 イラク情勢が再び緊張の度合いを高め、米国等の出方を含め、国際社会の注目を集めています。本件について見解を明らかにすべきとのご要請もあり、また、某公共放送の日曜討論で全く事実誤認の議論が堂々となされていたことにみられるように、我が国の本件に関する議論が頓珍漢な方向に行かない希望も含め、要点のみですが、以下の通り明らかにさせていただきます。なお、これらの見解の一部は、25日に放映されたBS日テレのニュースの真相で解説をさせていただきました。

1)誰が、イラク政府と戦っているのか。
 「イラクとシリアのイスラーム国(ISISもしくはDAI'ISH)」というアル=カーイダ系の組織がイラク政府を追い詰めて、バグダードが陥落寸前、という論調の報道が横行しているようだが、これは必ずしも正しくない。シリアにおいて制裁をかけられた状態が長期化しているにもかかわらず、この組織はシリア政府から逆に追い詰められている状況にある。このことに見られるように、ISISの能力には限界がある。しかしながら、過去2週間の間に、シリア国境(カーイム)、モースル、キルクーク、タッル・アファール、アンバール県のいくつもの都市がイラク政府のコントロール下を離れ、北部においては二個師団が消滅する等の事態が生じている。
 この事実だけを見ると、ISISは強固なように見えるが、この組織はどうやら、外国人主体の1万人程度の勢力にすぎない。同程度の人数規模で、且つT-72戦車等の重武装をしているのイラク軍の二個師団を完全に制圧するほどのものではない。イラク政府軍を武装解除させ、諸都市を制圧した中心に彼らがいたことは事実ながら、イラク政府を追い詰めているのは、イラクのスンニー派の宗教勢力を中心としたマーリキー首相の手法に反発を抱いてきた人々(旧バアス党勢力や部族勢力を含む)であると考えられる。モースルでは、武装解除した軍人や警察官を集め、イラク勢力に与しないようにしている場所が、権威あるイラク人の説教師がコントロールしているモスクであることや、拠点の警備に当たっているのがイラク人の部族勢力であることが、これを裏打ちしている。

2)事態は長期化するのか。
 上記のような政治的・社会的不満を背景とした勢力が大規模な形で発露しているこの状態は、いわば内戦状態である。2006年から08年まで、イラクにおいてはスンニー派宗教・部族勢力が政権側に抵抗し、そこに乗じてザルカーウィに代表されるようなアル=カーイダ系の組織が跋扈していたが、ISISが政府を追い詰めているというよりも、このような状況の再現と考える方が正しいと思われる。そうであれば、マーリキー退陣等の思い切った事態がない限り、仮に空爆等の措置が行われても、問題の解決には時間がかかりそうである。
 なお、今回の反体制勢力は、反マーリキーでまとまってはいるが、ISISが主張するようなイスラーム国の樹立を共通の目的とするにまでは至っていないようである。その一方で、ISISは、シリアとの往来の自由を生命線としているところ、カーイムのようなこのための拠点は自ら抑えているようだ。
 他方で、事態が長期化すると、別なアクターの動きに注目する事態になるかもしれない。これまで混乱に乗じて既成事実化を積み重ねてきた北イラクのクルド勢力は、イラク政府軍の手から大規模油田地帯で、クルド側がその帰属を主張し、住民投票を求めながら実現してこなかったキルクーク(タアミーム県)からイラク政府軍が撤退すると、その期に乗じてこの地域をコントロールすることに成功したようである。隣国との人や物資の移動の自由及び石油利権を欲してきたクルド勢力としては、トルコやイランを怒らせない範囲で、可能な限り独立的地位を高めたいはずで、とうとう24日には、バルザーニー・クルド自治区大統領が「クルドの将来を決める時期が到来した(http://rudaw.net/english/kurdistan/23062014)」と極めて刺激的な発言を行うに至ったのである。小生の発言がニュースで報道されたが(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140625-00050163-yom-int)、このような背景を述べたことが引用されているのである。
 混迷の続くスンニー派の多い地域がどのようになっていくかはまだ見えないが、イラク分裂の危機をいかに回避しつつ、イラク全土を安定させていくかが、今後の喫緊の課題となる。

3)米国は空爆をするのか。
 オバマ政権が、イラク政府の要請を受けて反体制勢力を空爆するか、が焦点となっているようだ。その一方で、戦略目標と目的が明確化されない中での空爆は困難とのデンプシー統幕議長の議会での証言もある。
 イラクの部族・宗教勢力が跋扈していたころ、米国は大規模な陸上部隊を展開しながらも、その対処に手を焼き、被害ばかりが拡大していたことを、ご記憶の方も多いと思われる。米国とイラク軍がこれらの反政府勢力を制圧し、アル=カーイダ系組織が大きく後退した背景には、スンニー派の多い地域の部族勢力を取り込み、アル=カーイダ系の組織に対抗させ、地域の治安を回復したことがある。
 つまり、かつての不安定な状況が再現している現在、米国としては、単に戦略目標が明確化されていないことのみならず、かつての泥沼に巻き込まれることを懸念せざるを得ない状況にある。11月の中間選挙を前に、共和党側はブッシュ政権の弱腰を批判してくるはずで、オバマとしては、「進むも地獄、引くも地獄」という状況に追い込まれる可能性がある。
 だからこそ、米国は、珍しく力に訴えるのではなく、マーリキー政権に圧力をかける一方、イラクに影響力を及ぼしえるイランやサウジアラビアのような国や北イラクのクルドと協議するといった外交に力を注いでいるといえるだろう。他方で、状況の悪化は、米軍のより積極的な関与を余儀なくさせるかもしれないが、それだけでイラクの安定を約束すると考えるのは、難しいかもしれない。
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2014-06-16 00:03:44

国連プロジェクト・サービス機関の不正に関連し、質問させていただきました

テーマ:政治
 今国会においては、政府開発援助(ODA)についても二度ほど取り上げさせていただきました。一昨年も取り上げさせていただいたまま、我が国としての取り組みが見えない国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)の不正に対する我が国の取り組み、そして新聞でも報道されたヴェトナム等に対するODAに絡む日本交通技術株式会社(JTC社)の賄賂不正です。
 我が国のODAの有効性、それぞれの機関や請け負っている企業の努力には頭が下がります。しかしながら、一部の機関や企業の不正によりODAに対する信頼が失われることはあってはならず、それが国民の血税を元手にしている以上、絶対にあってはなりません。しか残念なことに、過去にも国連を通じて私腹を肥やす様子や企業がリベートを支払い、そこから相手国政府関係者が個人的に多額の資金を得ていた例は、いくつもありました。
 今回は、3月18日に、小生が筆頭理事を務める政府開発援助等に関する特別委員会での質疑の様子をご報告させていただきます(詳細については、http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=21372&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=10&DOC_ID=3087&DPAGE=1&DTOTAL=45&DPOS=3&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=21388をご参照ください)。


 まずは、平成23年に参議院におけるODAの持続的な推進を求める決議で「政府においては東日本大震災に際し開発途上国・地域から寄せられた支援を踏まえ、特に適切な措置を講じつつ、戦略的かつめり張りの効いた形でのODAの持続的な推進に努めるべき」としたのに対し、現政権が十分に対応しているかについて質問させていただきました。

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○大野元裕君 ODAは、全体として下がり続けております。また、先ほど重点分野でおっしゃっていただきました教育、文科、こういったところは実は大幅に削減をされています。
 東日本大震災に際しましては、世界各国百六十三か国から御支援をいただいたと承知をしておりますし、その中には、大変厳しい財政状況にあるにもかかわらず我が国に対して支援し、その際には、一部の国では、我が国がODAを通じて支援してきたことに対する恩返しである、こう表明された国もあります。
 我が国も当然厳しい予算状況であることは十分承知していますけれども、しかしながら、いま一度我が院の国会の議決を踏まえて、このODAに対する減額方針というものは私は見直すべきであったと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、政府全体の一般会計ODA当初予算、大変厳しい財政状況の下、平成九年をピークにしまして過去十六年間減少をしております。ピーク時と比べまして約半分の水準になっているというのが現状でございます。外務省のODA予算につきましては、先ほど申し上げさせていただきましたように、四年連続増額とはなっておりますが、現状は本当に大変厳しい状況にあると認識をしております。
 先ほどの平成二十三年度の国会決議等もしっかり踏まえながら、まずは戦略的かつめり張りの効いた形でODAの持続的な推進に努めていきたいとは存じますが、予算の確保につきましても外務大臣としましてはしっかりと努力をしていかなければならない、このように認識をしております。
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 次に、安倍政権の実質的な円安誘導政策が、中小企業と消費者、あるいは防衛調達費やエネルギー調達費等にマイナスの影響を強く与えているのみならず、ODAでも受益者から見るとマイナスになっている、あるいは調整のためにさらに国費の流出を招いている点について質問させていただきました。
 その結果、政府拠出見込みで849億円、ODAでは約250億円が、今年度だけでも補てん金として追加的な国民の負担になっていることが明らかになりました。また、JICA交付金の円建て拠出が全体の61%であり、安倍政権誕生以来この質問時点で円安が22%進行していることから考えれば、概算ですが受益国の受取額は円建てで約393億円も目減りしていることがわかりました。

 さらにその上で、UNOPSの不正について2年前に引き続き再度取り上げ、日本政府がこの不正について以下に取り組んでいるかを質しました。

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○大野元裕君 二〇〇八年から二〇一〇年のアフガニスタンにおけるUNDP、国連開発計画、そしてUNOPSの活動に関する不適切な拠出、もう一度申し上げれば、例えばアフガニスタンの小規模プロジェクトにお金を付けてみたら、実際にはそこでは何もできずに、ドバイやハイチで彼らのオフィスができていた、こういうふざけた件です。この問題が明るみに出て以降、アフガニスタンにおけるUNOPSへの拠出は、実は日本が突然突出してしまったんです。そういったことに対して対処をしていただきたいというお話をさせていただきましたが、来年度予算はUNOPSに対する拠出は停止されるということでよろしいんでしょうか、大臣。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のUNOPSに対する支出ですが、元々UNOPSの運営に対する経費は、個々のプロジェクトごとに我が国としては支援を行い、そしてそのプロジェクト管理費から運営の経費が賄われているということであります。よって、このUNOPSの運営のための拠出金は、これは予算には計上しておりません。
 来年度のUNOPSの個別事業につきましては、無償資金協力予算等からプロジェクトの実施国の政治、治安情勢及び支援ニーズを見極めて実施するということでありますので、現時点ではUNOPSに対する支援、拠出、これは断定的なことは申し上げられないと考えています。

○大野元裕君 予算に含まれないのであれば、国会からは現時点では見えません。そうすると、今継続している事業も、当然UNOPS、UNDP、両方ありますけれども、これらの現在継続している事業について、特にアフガニスタンですけれども、監視をどのように行って、あるいは過去における事業をどのように検証したのかを教えてください。

○国務大臣(岸田文雄君) UNDP、あるいはUNOPSに対する我が国の拠出により実施される事業につきましては、まずは、両機関から提出されます実施報告書に基づいて外務省、大使館、JICAが案件進捗の状況を確認していく、こういったことで監視、検証をしております。あわせて、視察可能な地域については大使館による現場視察を行っている、こうした状況にあります。

○大野元裕君 二年前と同じお答えだったような気がいたします。できるところは見ていきます、そして報告書を見ます。しかし、実際にこれだけの問題が起こった機関ですから、我々はしっかりとこれを監視していかないといけないと思っています。
 アフガニスタンのような厳しい地域でUNDPやUNOPSが一生懸命やってくれていることを知っています。しかし、一部には不届き者もいます。だとすれば、我々は、一度そういった問題があって指摘された機関であればこそ、今までと同じ手法ではない検証が必要だと思いますけれども、大臣、先ほどのお答えでは納得ができません。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のUNOPSの状況、活動につきましては、二〇一二年のUNOPSの財政諸表に関する国連会計検査委員会の監査報告書、案件管理や財務報告等に関する改善の必要性を指摘しつつも、最終的な監査意見として、UNOPSの財務諸表について全て重要な点については適正に表示されている、こうした結論付けを行っております。
 こうした、全体としてはこのような評価がされているわけですが、ただ、御指摘がありましたこのアフガニスタンでの過去の案件の指摘等を踏まえまして、我が国も、アフガニスタンにおいて外務省がUNOPSを通じて実施する新規案件については、委員の御指摘もありました、こうした御指摘も踏まえまして、外部監査に係る費用をプロジェクト経費の中で計上し、第三者、民間監査法人による監査を実施することを予定したいと考えます。

○大野元裕君 今おっしゃった二〇一二年の財務報告、私もこれ丹念に読ませていただきました。確かに、過去数年間大きな問題を抱えていたUNOPSですけれども、改善が見られるということは指摘されています。
 しかし、二〇一二年に監査報告を出そうとして、これ、歴史上初めてUNOPSが、非常に僕もびっくりしたんですけど、国際会計基準をやっと採用しようとした。ところが、出そうとしたら余りにも内部の監査の能力がないので外部のコンサルタントを急遽雇わざるを得なかったとか、あるいは、なぜかほとんどのプロジェクトが予算どおりの額で仕上がっているとか、UNOPSの要員の不正に対する意識が低いとか、コストパフォーマンスが半分近くのクライアントが満足していない、非常に悪いと、そういったことを、まだまだ枚挙にいとまがないんですが、まだまだ書いてあるんです。改善はされたにしても、二〇一二年の国連の中の監査の報告ですよ、これ。国連の報告ですよ。
 だとすれば、我が国がやったプロジェクト、新しいものではなくて現在行っているものについても遡って第三者機関に検査をさせるとか様々な工夫が必要ではないかと思いますけれども、いかがでございますか。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、国連の監査につきましては御指摘のような評価が出ております。そして、このUNOPS全体の国連の評価は御指摘のような形で出ているわけですが、我が国が関わった事業につきましては個別に従来から我が国として監視、検証をしてきた、こういったことであります。ですから、現状につきまして、現在までのUNOPSの活動につきましては、国連全体として御指摘のように評価し、そして我が国自身も監視、検証をしてきた、こういった形で適正さを確保してきたと認識をしております。
 是非、そういったことでありますので、今後実施するものにつきましては、第三者、民間監査法人による監査を実施する、こういったことで対応していきたいと我々は考えております。

○大野元裕君 大臣がおっしゃいました、UNOPSの新しい契約については第三者機関の監査を経費に含んでそれをやらせるということですが、ということは、これ、第三者機関はUNOPSが選択をしてUNOPSが支払をその中から行うということになるんじゃないんですか。ということは、これ、機関は第三者だけれども、UNOPSの影響下に置かれるような第三者機関の監査でよろしいんでしょうか。大臣、教えてください。

○国務大臣(岸田文雄君) 第三者の民間監査法人による外部監査の費用ですが、これはプロジェクト経費の中に計上することによって確実かつ迅速に実施することを考えていきたいと思っております。
 そして、具体的にこのUNOPSの影響があるのかという御指摘でありますが、現時点では今、アフガニスタンにおいて新規案件の予定はありません。しかし、今後、こうした案件が出てき、そしてそれを実施するということになりましたら、具体的な手続につきましては是非UNOPSと協議をしていき、公正性を担保する旨、努力をしていきたいと考えています。

○大野元裕君 一つのプロジェクトの中に内包された資金であればこそ、私は、UNOPSの手によるのではなくて、あるいはUNOPSの影響にあるのではなくて、やはり今の合意の段階からこういった形で進めさせていただきたいということを構築いただくということが必要だと思うし、アフガニスタンのような状況、あるいは東ティモールでもハイチでもそうでしたけれども、UNOPSが重要な役割を担っていることはよく知っていますし、恐らく今年度、来年度辺りで案件も出てくるんだろうと私も思います、ほかにやる人がいませんから。
 ただ、そのときにはしっかりとした監視の制度をつくっていただくことが、先ほど冒頭申し上げました、本院といたしまして、めり張りの付いた戦略的なODAを進めていただくとともに腐敗防止、コンプライアンス、これを同時並行で進めていただくという、この我が院の意思でもございますので、これは今日はUNOPSのみを取り上げましたけれども、全体として、大臣の方でも、お金を取ってくるだけではなくて、そういった我が院に対する責任を果たしていただけますよう最後にお願いをしたいと思いますが、もし何かあれば一言いただいて、私の質問を終わりたいと思っています。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のUNOPSの第三者民間監査法人の選定につきましては、外務省が主体となって選定するべく協議を進めたいと存じます。そして、全体についての御指摘につきましては、御指摘のとおり、是非、この運用の透明性、公平性を確保するためにしっかりと努力をしていかなければならないと考えます。
 引き続き、御指摘を踏まえながら努力をしていきたいと思っております。
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 国民の皆様の血税だからこそ、国会は厳しい監視の目を政府に向けなければならないことは当然です。また、「気前のよい」日本が甘く見られて、次から次へと一部の国連機関の「食い物」になり、血税の垂れ流しがなされてはなりません。だからこそ、不正が判明したときには厳しく対応し、ひいてはODAへの国民の皆様の信頼を再構築する必要があると考えており、小生としても今後もしっかりと監視をしていきたいと考えています。
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2014-06-14 15:19:42

公務員制度改革法案での質疑、および政府の不誠実な対応について

テーマ:政治
 大変遅くなりましたが、4月3日の内閣委員での会公務員制度改革に関する法案審議の際に稲田担当大臣に対して行った質疑について、報告をいたします(詳細については、http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=24008&SAVED_RID=2&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=10&DOC_ID=3437&DPAGE=1&DTOTAL=45&DPOS=2&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=15315を参照ください)。この時の質疑は、ほぼ稲田大臣と1体1の議論となったのですが、改革を担当すべき稲田大臣の姿勢の甘さをしっかりと付けたのではないかと思います。このことは、私の直後に質問に立たれたみんなの党の江口議員が質問の冒頭で、「今、大野委員の的確で鋭い御質問でお疲れになったと思います。どうぞ深呼吸して、心休めていただきたいと思います」と評価し、与野党の議員の笑いを誘ったことに現れていたようにも思われます。

 公務員制度改革は、橋本行革以来、あらゆる政権が程度の差こそあれ取り組んできた問題でした。今回の法案は、平成20年の国家公務員制度改革基本法を実現に移すための改正法案であり、改革大臣の下で横ぐしを指して公務員制度の改革を実現すると共に、公務員の質の向上と国民の信頼を実現するための一歩とするべきものです。
 しかしながら、自公民の三党合意に基づいて実現したはずのこの改正案は踏み込みが甘いものです。それ以上に、自公政権のこれまでの特徴である「官僚言いなり」で改革法案までもが骨抜きとなったことが明らかになりました。さらに、利権と陳情という自民党政治を円滑に進めるための項目も散見されたのです。これらの内の一部を、短い質疑でしたが、明らかにさせていただきました。

1.国会の意思をないがしろにし、政治主導を緩める安倍政権の政治姿勢
 今回の法案の根拠となった基本法は、基本法であるにもかかわらず、いくつかの改革のための諸点について具体的に踏み込んでいます。それはたとえば、各省における国家戦略スタッフ及び政務スタッフの設置です。また、基本法採択の際には、国会で付帯決議が付され、この政務スタッフについては、「相当数の人材を登用し得るように制度設計する」ことが求められています。ところが、政治主導色を弱めるためか、この法案では「相当数」ではなく、各省に最大1名の補佐官を置くことができるという規定に矮小化されています。
 そこでこの点について稲田大臣に答弁を求めると共に、国民に選出された国権の最高機関たる院の決議をどう考えているのかを以下の通り質しました。稲田大臣は、相当数の人材を登用するようになっていないことを認めざるを得ませんでした。この法案には、与野党を超えて国会で行われた決議すら無視する姿勢、政治主導より官僚主導を認める安倍政権らしさが出ており、この点を追及させていただきました。

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○大野元裕君 さて、今回の法案見ておりますと、いわゆる官邸の影響力、これが強まる、これは法律の趣旨でもありますから、それそのものを単独で取り上げて駄目だとは言いませんが、しかし、国民の立場に立った公務員改革、議院内閣制の下で適切に公務員が役割を果たす公務員改革という基本法の趣旨というもう一方の柱の方は薄くなっているように私には感じられます。
 それは、例えば国家戦略スタッフ及び政務のスタッフに関する規定にも表れているのではないでしょうか。今回、基本法で定められました国家戦略スタッフや政務スタッフは、総理の補佐官のいわゆる責務、職責等の変更ですとか、あるいは各省における補佐官がその都度、必要な場合に一名を置くと、こういった規定に表れていると思いますけれども、しかし、大臣御存じでしょうか。平成二十年の六月の五日、国家公務員制度の改革基本法案に対する附帯決議が参議院で採択をされ、「政治主導を強化するという本法案の趣旨にかんがみ、国家戦略スタッフ及び政務スタッフについては相当数の人材を登用し得るように制度設計する」云々と書いてあるんです。
 総理の補佐官について人数は増えないという理解で私、よろしいんですよね。さらに、各省で一名、最大、必要なときにという、これは形になっておりますが、これは要するに本院における附帯決議の趣旨を反映せず、国会を軽視している。これらの国家戦略スタッフ及び政務スタッフが本院の決議が求めるように相当数を配置する、措置するのではなくて、最低限の登用にとどまってしまった理由というのは何でしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君) 今定数のことについての御指摘がありました。これは、総理大臣につきましては現に総理大臣補佐官の仕組みが活用されていること、また行政の肥大化防止や、いわゆる政治任用の濫用をめぐり様々な議論がこの間あったということなどを踏まえて定めたものでございます。
 今回の法案では、現行の総理補佐官の所掌事務を見直して、その機能を拡大し、また各府省には大臣補佐官を特に必要がある場合に置くことができることとし、総理大臣及び大臣の指導性の強化を図ることといたしておりまして、必ずしも基本法の理念に沿っていないということは当たらないのではないかと思います。

○大野元裕君 基本法の理念に沿って、様々な議論があってこのような決定にしたが、本院の附帯決議については反映をしていない、そういうことですね。

○国務大臣(稲田朋美君) 平成二十年の附帯決議について先ほど言及がありました。その後、また政権交代があり、またその中で行政の肥大化とか、あと政治任用の濫用についても国会の質疑等でも様々指摘がされたこともございます。そして、今回はそういったことなども踏まえて、総理大臣補佐官の所掌事務を見直すことと、大臣補佐官を特に必要がある場合に置くことができることとしたわけであります。
 なお、総理大臣補佐官、大臣補佐官の体制において、総理補佐官、大臣補佐官を中核として、その下に一般職員に命じて補佐官をサポートさせたり、また予算、定員の範囲で民間人等の必要なサポートのための人材を任用することなど、総理又は各大臣を組織的に支えることは可能になるのではないかと考えております。

○大野元裕君 そのようなことは聞いておりません。私が聞いているのは、先ほど国会における質疑もあったとおっしゃいましたが、それぞれの議員、委員の質疑は当然それぞれの委員や議員の責任でなされるものであって、附帯決議は、先ほども申し上げたとおり、本院におきましてしっかりと議論を尽くした後に、決議として、院の意思として示させていただいたものでございます。国会は国権の最高機関であり、国民から選ばれた議員に構成された、それが採択をした決議です。
 相当数の人材の登用については無視をされたということですか。どこに反映をされているんですか。教えてください。

○国務大臣(稲田朋美君) 繰り返しになりますけれども、その後の政権交代、そしてその後の議論を踏まえまして、今回のような仕組みとさせていただいたわけであります。

○大野元裕君 そんな解釈はないと思います。この後、別な議決があればいいですよ。しかしながら、その後、政権交代があろうがなかろうが、本院の意思は本院の意思であります。そんなことは関係ない。
 いろんな質疑があったこと、それはいろんな質疑あるでしょう。Aと言う人もいればBと言う人もいる、それはそのとおりだと思います。しかし、それを、もちろんそんたくされて必要なものを取り込むことは、当然そこについては否定するものではありません。
 私が聞いているのは、この決議の相当数の人材の登用はこの法案のどこに入っているんですかと聞いているんです。

○国務大臣(稲田朋美君) 今申し上げましたように、その定員については、総理補佐官の定員の中で、また大臣補佐官については特に必要がある場合ということで、今委員が御指摘になったこととの対比では相当数をこの中に入れているということではありませんけれども、それは平成二十年の附帯決議から今までの状況の変化を鑑みて、そのようにしたわけであります。
 ただ、今委員が御指摘のような議論は衆議院の中でもございました。そして、衆議院における附帯決議において、「内閣総理大臣補佐官及び大臣補佐官について、その運用状況を踏まえ、増員の要否及び内閣総理大臣や大臣を支えるスタッフの拡充について検討すること。」という附帯決議になったわけでございます。

○大野元裕君 議論をしているとか、相当数の人材を登用するのがいいか悪いかということを言っているんじゃないんです。この決議は決議です。この決議はどこに反映をされたかを、政府提出の法案の中にどこから読めるのかを聞いているだけです。

○国務大臣(稲田朋美君) どこにということでおっしゃるのであれば、内閣法第二十二条第二項、国家行政組織法第十七条の二第一項、それは今私が申し上げたところを条文にしたわけですけれども、どこですかと言われれば、今の条文ということになろうかと思います。

○大野元裕君 国家公務員法の改正する法律案にはないわけですね、今、内閣法とおっしゃいましたけれども。この法律には反映をされていないということでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君) 今回の改正の法案の中の内閣法の所掌事務の見直しの改正部分、また、大臣補佐官を置くことについては、国家行政組織法第十七条の二第一項を規定をしているということでございます。

○大野元裕君 先ほど大臣は、相当数の人材を登用するとはなっていないとおっしゃっていました。法律の中にも反映されていない。ということであれば、本院の意思を無視したということになります。これ、極めて私は不適切だと言わざるを得ません。
 これ、入らなかった理由は何なんですか。本院の決議です。国会の意思は無視してはならないと思います。
 大臣、そこについてはいかがですか。

○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のとおり、相当数の人員を今回の改正法案で入れていないということについては、御指摘のとおりだというふうに思います。そして、その理由については、先ほど来申し上げているとおりでございます。
 ただ、その中で、大臣補佐官、総理大臣補佐官の下で、またスタッフを任用することや一般職員に命じてサポートさせることもできますので、基本法の理念というか精神自体は実現することができるのではないかというふうに思っております。

○大野元裕君 入っていないんだったら、もう一度私は次の改正考えてほしいと思っています。なぜならば、補佐官の機能を強化することをおっしゃっておられました。そうではない。ここに書いてあるのは、もう一度申し上げます。「国家戦略スタッフ及び政務スタッフについては」、その下で誰が支えるじゃないですよ、「ついては相当数の人材を登用し得るように制度設計する」、明確に書いてあります。
 国会の議決は重いということを改めて繰り返させていただき、大臣からこの制度の構築について可及的速やかに本院の意思を反映するよう御答弁を賜りたいと思います。

○国務大臣(稲田朋美君) 補佐官という名称を使っておりますが、これは基本法におけるスタッフ、国家戦略スタッフ、政務スタッフに該当するものとして、総理大臣補佐官、そして大臣補佐官という名称を今回使ったわけでございます。そして、その理由については今まで述べたとおりであり、衆議院におきまして附帯決議の中で今議員御指摘のような点もございますので、これを踏まえて対応していきたいと思っております。
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2.公務員の職業倫理の確立についての後退
 公務員の職業倫理の確立、中でも公務員と政治家の接触に関する事項についても、基本法では記録を残すことが求められているのに、ここでは明文規定が削除されています。地方議会の議員と地方の役所の接触などの場合には、このような規定が設けられることで、政治家による、いわゆる「口利き」や圧力行使を行いにくくし、公正に職務を遂行できるよう、公務員を守り、国民のまっとうな利益を保護する措置が取られているにもかかわらず、本法には入れ込まれませんでした。まさに、陳情と利権を本旨とする自民党政治を十全に発揮するためのあからさまな後退でした。
 この点を突かれて法で規制しろと求められると稲田大臣は、公文書管理法に従い適切に実施している旨答弁しましたが、そのような規定がどこにあるのかと正されると、「その精神に従い」、とふざけた答弁を行いました。公務員倫理の粛清に関する精神が公文書管理法にあるとする説は初めて聞きましたが、法の精神や申し合わせに、このようなともすれば自らに甘くなるような問題をゆだねようとするのは、政治家としての見識があまりにないか、あるいは公務員を利権のために利用するためにあえて「穴」を残しておいたかの、いずれかにしか思えません。このひどいやり取りは、次の通りです。

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○大野元裕君 基本法が定めていました公務員の職業倫理の確立について、本法に十分反映されているとお考えでしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君) 改革基本法第二条五項に定めております基本理念において「国民全体の奉仕者としての職業倫理を確立するとともに、能力及び実績に基づく適正な評価を行うこと。」とされているところであり、具体的な事項として、「幹部職員等に求められる役割及び職業倫理を明確に示すとともに、これらを人事評価の基準とするための措置を講ずること。」などが掲げられております。
 お尋ねの点につきましては、基本法を踏まえ、職制上の段階の標準的な官職の職務を遂行する上で発揮することが求められる能力として標準職務遂行能力を平成二十一年に内閣総理大臣決定し、その中に倫理に係る項目を定めるとともに、同年、能力・実績主義の新たな人事評価制度の整備、実施を行っております。したがいまして、既に措置がされているというふうに考えております。

○大野元裕君 国会が定めたこの基本法、プログラム法に基づいた具現化されなければ、それは国会の意思を無視するということにもつながりかねないと懸念をしています。
 例えば、その中では政官の関係、特に国会議員と公務員が接触をしたときの記録についての求めがなされています。今回の法案におきましてはこれについての明文規定はないようですけれども、今後、大臣は本件についてどのような措置をとられるおつもりでしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君) 国家公務員制度改革基本法に規定されております職員が国会議員と接触した場合における当該接触に関する記録の作成、保存につきましては、平成二十四年十二月二十六日に閣僚懇談会で申し合わされた政・官の在り方等によって措置をされており、大臣等の指揮監督の下、適切に実施をされているものと認識をいたしております。

○大野元裕君 たとえば、平成十四年七月の閣僚懇におきまして、内閣が取り組むべき課題が取り上げられた際、当時の渡辺担当大臣が、政策決定における政治主導を損なう、官僚主導とも言われる状況が生み出されており、これをしっかりと規律をしていきたいというふうにおっしゃっているんです。つまり、単なる閣僚間の申合せで大臣が申し合わせれば終わるようなものではなくて、政治主導がそこで損なわれてしまっているということを大臣御自身が当時明言をされています。
 私は、そのような形ではなくて、規律していきたいと言うからには、当時の自民党政権の閣僚すら指摘しているのですから、本来は法律がいいと思いますけれども、政令なりでしっかりと定めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君) 平成二十四年の十二月二十六日の政・官の在り方について、かなり詳細に書かれております。また、この具体的な対応は各府省によっても違うかと思いますけれども、大臣の判断の下で政官の接触の規律の在り方、また報告についてはなされるべきことではないかなというふうに思っております。

○大野元裕君 各省でそれぞれ対応が違うのかと思いますがとおっしゃいましたが、各省で違ってしまってよろしい問題なんでしょうか。どこどこの省は大変甘いから何とかできるけれども、どこどこの省はまずいと、こういう話では私はないんだと思いますよ。まさにそれが我々が十何年間も議論をしてきた公務員改革の柱の一つだと思いますので、そのような閣僚に任せるという態度では、担当大臣として不安です。

○国務大臣(稲田朋美君) 私が各府省の大臣の判断と申しましたのは、各府省のそれぞれの役所のやり方に従うということではなくて、やはりこれは大臣のまさしく政治主導を発揮する場面でありますし、先ほど委員が御指摘になった政策過程をきちんとしておくべきだということは公文書管理法の中でもきちんと定められていることでありますので、私は、こういった基本的な重要性の下に、政官接触の在り方というものも大臣の政治主導の下でなされるべきであり、その基本的なルールについては平成二十四年の十二月二十六日の閣僚懇談会の申合せにあるとおりでございます。

○大野元裕君 公文書管理法にそのような定めがあるんでしょうか。今、大臣、公文書管理法の定めに従いと、それは単なる間違いですか。

○国務大臣(稲田朋美君) 公文書管理法の精神ですね、その政策過程の、役所の中の会議であったり、そしてそういう政策が作成されていく過程をきちんと残しておくべきであるという公文書管理法の精神も踏まえながらという趣旨で言ったわけでございます。

○大野元裕君 公文書管理法に政官の接触に関する規定があれば教えてください。

○国務大臣(稲田朋美君) 今回、閣議の議事録の公開で問題になりました四条では、政策の立案過程が分かるような文書を残しておくようにということが定められていると思います。

○大野元裕君 私はちょっと違うと思いますよ。各大臣の御判断は公文書管理法に基づいて、じゃ、それぞれの省で記録が、どこどこの政治家と接触をしてこういうような活動をしたということが残されるという、そういう理解で私はいたしますけれども、それでいいんですね。

○国務大臣(稲田朋美君) 政官接触のことがここの公文書管理法に明記されているということを申し上げたのではなくて、その精神からして、各省大臣が政治主導を発揮をして政官接触のきちんとした報告をさせるべきであるということを申し上げたわけです。

○大野元裕君 政官の接触あるいは癒着の防止、こういったものが公文書法の目的にあったとは私は理解をしておりません。そして、その上で、もしもそれがそのそれぞれの法律の精神にあるということであれば、これ例えば公務員制度改革基本法にも、これ精神としては当然あるわけですし、自衛隊法にだってあります。そういったことがそのままでいいということであれば、こんな法律作らなくてもいいんじゃないですか。
 私は、やはり大臣が、この法律に盛り込まれていないのであれば何らかの措置をするとか、あるいは各省で大臣が異なるような見解をもたらさないように閣議なり統一見解を取りまとめるなり、それをおやりになった方がいいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君) 政官接触の在り方については、平成二十四年十二月二十六日の閣僚懇談会の申合せでかなりルールをきちんと決めております。その上で、各省大臣がきちんと指示をするということが必要なのではないかということを申し上げたかったわけです。
 そして、公文書管理法のことを出しましたのは、公文書管理法の中でもやはりその政策決定の過程をきちんと残しておくべきだということが定められている、その精神を踏まえてということを申し上げたわけであります。

○大野元裕君 官と政の接触は必ずしも政策決定過程だけでは私はないと思います。もう一歩踏み込んでいただく必要があるということを指摘をさせていただいて、時間もあるので次の質問に移らせていただきたいと思います
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3.数値目標と総理の指示権限についての後退
 基本法においては、公募の幹部職員の数を定めることまで踏み込んでいます。また、麻生政権時代の自民党の法案、民主党政権時代の法案では、いずれも特定の幹部公務員ポストについて、総理が任命権者に対して公募を指示する権限が認められていたにもかかわらず、今回の法案は大きく後退しています。

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○大野元裕君 本改正案では、基本法が求めた公募の幹部職員の数等を定めることにまで踏み込まなかった理由は何か。

○国務大臣(稲田朋美君) 公募については今回の法案で、採用昇任等基本方針の閣議決定に職員の公募に関する指針を盛り込むとしたものでありますが、これは、法律上明確に公募に関する根拠規定を置く一方で詳細までは規定をしなかったものであり、基本法に則したものであると考えております。

○大野元裕君 数値的な目標なりを示していかないとなかなか変わらないものではないかと思っています。麻生内閣のときもそうでした、あるいは民主党政権のときもそうでしたけれども、総理が特定の幹部公務員ポストについて任命権者に対して公募を指示する権限が実質上認められていたものだと理解をしています。しかし、法案は、これまでよりも後退をしていると懸念をしています。この制度が盛り込まれなかった理由というのは何でしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君) 数値目標を置かなかったことは、数値目標を置くことでかえって、その目標を達成するために無理に公募をするということではかえって公募の趣旨に反するということからでございます。しかしながら、公募という制度自体は、やはり場合によって、ポストによって非常に有効な制度だと思っております。そこで、法律上明確に根拠規定を置く一方で、詳細については規定をせずに、段階的な検証と実施を行いつつ取り組むべきものとしたわけでございます。

○大野元裕君 今回の法案では、総理が指示する実質的な権限が失われているということは、いわゆる横串を刺す、縦割り行政を排し横串を刺すというこの法案の目的から鑑みれば、この項目が落ちたということは私は残念で、なぜ入らなかったのかをお伺いしているんです。

○国務大臣(稲田朋美君) その点については、任命権者に公募を実質的に指示する権限まで入れなかったということは、近年の地方公共団体等の実態に係る議論なども踏まえて、段階的に検証をしつつ、その点についても考えていこうという趣旨で、法案の中には盛り込まなかったということでございます。

○大野元裕君 地方公共団体の上には、それを指示する総理大臣はおりません。総理が全閣僚に徹底をするということが必要だと思いますし、そこは明らかな後退ではないかというふうに考えます。
 当然、指針を定めるだけでは人材の機動的な登用にはつながりません。数値目標なり、あるいは制度的に例えば総理が何らかのことを指示するなり、いろんなやり方はあると思いますけれども、公募を促進することと制度を決めるのとは意味が私は異なると思います。
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 これらの議論のほかにも、人材交流を推進するとしながらも、その根拠となる予算がこれまでとほとんど変わらないレベルの数百万円で、且つ大きな枠の中で見えなくなるようにされ、国民向けの改革のPRだけはうまいのに、中身がないことを指摘させていただく点、適格性に欠けても幹部職員枠にとどまるお手盛り人事の件、インテリジェンス・コミュニティを構成する公務員に対して特別の配慮を行うべき点等を質し、質疑の中で多くの問題点を明らかにさせていただきました。
 2050年の政府の債務はGDP比600%になり、これが最大の日本経済の足を引っ張る要因になるとの経済同友会の指摘もあります。世界的な潮流になると思いますが、我が国でも行政改革と財政再建は喫緊且つ極めて深刻な課題です。本法の不十分さに鑑みれば、さらなる改正・改善を必要としています。その前提として、現政権の目先志向・利権思考を改めさせるよう、しっかりと国会議員としての責任を果たしてまいります。
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2014-06-10 10:59:39

サイバーセキュリティ基本法の修正案を書き上げました

テーマ:政治
 自公民等の共同提出の議員立法で、サイバーセキュリティ基本法が衆議院に提出され、水曜日から審議が開始されます。

 本法は、サイバー空間の自由とセキュリティを守るという観点から成立が待たれていた法律です。民主党は、2年半前に本法案を準備していましたが、与野党の力関係もあり提出を断念していました。

 これに対し、与党の自公を中心に新しいサイバーセキュリティ基本法の提出の動きが出てきました。本法案については、先々週に初めて見せられましたが、サイバー空間の安全保障が目的には書き込まれているものの、あまりに中身に乏しく愕然としたというのが正直なところでした。与党側の案で見るべき骨子は、サイバー・セキュリティを法律として定義したこと、内閣官房のNISCの役割を初めて法で定めた程度であり、この法案ならば内閣府設置法等の既存の法律の改正で十分と感じました。このような、これからますます重要になるであろう法案がスカスカで、名ばかりの良いアリバイ作りの如きものであってはならないと強く感じ、こちらの主張をしっかりと入れ込むか、あるいは目的から安全保障という言葉を外すべきと強く訴えました。

 結果、党の次の内閣の大島敦内閣府担当大臣及び原口総務大臣のご了解を得て、小生なりの付記すべき事項を提出しました。その後の近藤洋介衆議院議員による与党側との協議の結果、小生の案が今回の法案審議後に合意予定の決議のベースになる予定です。また、修正も提案し、自公を始めとする他党も修正及び決議の両方にご了解いただき、審議を行う運びとなったという次第です。

【法案修正】
 法案の修正については、以下のような変更を加えました。
① 附則部分にサイバー空間の安全保障について、緊急事態に相当する場合に防御するための能力を強化するための幅広い観点から検討することを付け加えた
② 国民の人権への配慮項目を追加した。
③ サイバーセキュリティ戦略策定の際には、国会への報告を義務付けた。
④ 国民のサイバーセキュリティに関する義務項目を削除し、国民のサイバーセキュリティの重要背に関する関心と理解を深め、サイバーセキュリティの確保に必要な注意を払うよう努める項に訂正した。
⑤ サイバーセキュリティに関する事象の内、我が国の安全に重大な影響を及ぼすそれがあるものへの対応を特出しし、関係機関における体制強化を加えた。

 サイバー空間は、たとえば政府によるような上から押し付けられるものではなく、その自由さが特徴です。しかしながらその一方で、この空間が自由であるためには、一定のルールも必要です。しかしながらそれは、悪意による攻撃を含めた様々な障害から保護され、自由が保障されなければなりません。また政府内においては、内閣官房内のNISCによる全体のコントロールが効かないのが現状で、そのために、たとえば総務省と経産省でほとんど同じ機能を持つソフトがそれぞれ別個に開発されているような状況を改め、あるいは、防衛省や警察庁のサイバー機能を有機的に連携させる必要もありました。さらに、国の重要基幹施設やサイバーならではのハイバリュー・ターゲットをいかに擁護するか、現実の世界における安全保障環境の変化に応じてサイバー空間の安全をいかに保障するか等の措置も必要です。


【決議】
 これらの考えたかに従った提案に自公側も数項目を提示し、結果として、前述の修正案の①に基づき、以下のような決議が衆議院で付されることで合意されました。

政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について法的措置も含めて検討を加え、その遺憾なきを期すべきである。
一 具体的な施策
1 サイバーセキュリティ戦略本部は、内閣危機管理監のほか、国家安全保障会議及び高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部等と緊密な連携を図ること。
2 サイバー攻撃関連情報の集約、予防策の構築並びにサイバー攻撃に対応するための演習及び訓練の企画及びその実施については、内閣官房情報セキュリティセンターを中心として総合的に実施すること。
3 内閣情報通信政策監を中心として、サイバーセキュリティに関する施策の評価を定期的に実施すること。
4 政府の各機関、重要社会基盤事業者及びサイバー関連事業者その他の事業者等における情報通信関連機器等の安全性に関する統一的な基準については、未知の攻撃手法や想定外の攻撃対象への攻撃にも柔軟に対応できるよう、防護対象の重要性の段階に応じた基準とする等、総合的かつ有機的な視点から策定すること。
5 大規模サイバー攻撃への対応要領を作成し、官民の協力の下に行われる定期的な演習及び訓練を通じて実効性のある対応策の構築に努めること。
6 サイバーセキュリティ確保のため、セキュリティ技術向上のための取組を積極的に推進すること。
二 人材の育成及び登用
1 サイバーセキュリティに関する高度かつ専門的な知識を有する人材の育成に早急に取り組むとともに、人材を関係行政機関及び民間企業等から幅広く登用するよう努め、官民の連携体制を整備すること。
2 国の行政機関等でサイバーセキュリティに係る事務に従事する者の関係府省庁及び民間企業等との積極的な人事交流を推進するとともに、過去の人事慣行にとらわれない人事評価の在り方を検討すること。
三 連携体制の整備
1 サイバー攻撃のもたらす被害の重大性に鑑み、国家安全保障会議等との連携の下、安全保障上の観点から迅速かつ実効性のある措置を講ずることを検討すること。
2 サイバーセキュリティに関する国際的な連携を推進し、迅速な情報共有と協力体制の構築を実現すること。
四 サイバー攻撃を組織的に行う集団等の動向を分析し、捜査機関等との情報の適切な共有を図ること。
五 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会におけるサイバーセキュリティに関する事象に対処するための国内外の関係機関との連絡調整等を行う組織の在り方について、将来の推進体制を見据えて検討すること。
六 国民の基本的人権について十分に配慮した上で、緊急時におけるサイバーセキュリティの確保を図るため、インターネットその他の高度情報通信ネットワーク上の通信における帯域制御を含めた規制措置の導入の可能性について検討すること。
七 本法に基づくサイバーセキュリティの確保のための具体的な諸施策について検討し、実施するに当たっては、個人の権利利益を侵害しないよう十分に留意すること。


 本来であれば、サイバー空間における武力攻撃と一体化するような事態を含め、それを「攻撃」と捉えるか等、時間をかけて議論すべきことが多いのに、それがかなわずに残念ですが、半歩前進したかな、というのが正直な感想です。

 サイバー空間においても、国民の皆様の自由と安全をしっかりと守るため、本基本法修正に満足することなく、精進してまいります。
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2014-06-08 23:52:02

予算委員会における集団的自衛権に関する総理とのやり取り

テーマ:政治
 少し前のご報告で恐縮ですが、3月5日の予算委員会で安倍総理等に集団的自衛権の行使の問題について質問させていただきました。
 この委員会におけるやり取りの争点は、①総理のいう憲法の解釈とは、条文の解釈そのものの変更か、あるいは小松法制局長官(当時)が過日触れたあてはめの変更か、②閣議決定を行って、国会の審議を経ないままに法案の提出を行うのか、③国際法の授権する集団的自衛権であるにもかかわらず、総理の言う例は国際法違反ではないか、という点でした。
 ①については、法制局長官の発言を引いて質問したのに、長官は、学説であって法制局長官としてお答えする立場にないと述べました。自分の発言に責任を持てないひどい「逃げ」だと思います。
 ②については、総理は閉会中であっても審議する旨及び「国会から求められれば当然我々は御説明をするという義務を負っている」ことを初めて認めました。
 ③については、総理は集団的自衛権があくまで国連憲章に基づくものであることを理解されていないようで、国際法に基づく権利であることを理解して議論せねばならないのに、「国際法との関係についてつまびらかに判断をする立場にはございません」と述べたのです。しかし、自らの無知を認めない答弁にも限界があり、さらに追及した結果、外務省がたまらず、「憲法におきましても、政策といたしましても、国際法を、確立した慣習法を遵守するということでございますので、その範囲で当然やるということだ」と答弁するに至り、追い込まれた総理は、「答弁の時間もいつも長過ぎるというふうに言われて」いるので、舌足らずになったと、弁解にならない弁解を行ったのです。当然、小生の方からは、精緻な議論をといつも言っているのは総理なのだから、答弁に責任を持つべきと苦言を呈しておきました。

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 この予算委員会の質疑は、以下の通りです(私の質問の部分は、短縮するために要旨となっています)。長くて恐縮です。

大野元裕君
  総理は集団的自衛権に関して様々な答弁をされておられますが、二月五日の本委員会におきまして、集団的自衛権の解釈変更についても何度か言及をされておられます。総理が言うところの憲法解釈の変更とは、いかなる意味ですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 今までも、憲法解釈については自衛官が文民であるかそうでないかという解釈の変更はあったわけでございますが、その際は法制局の答弁、法制局長官の答弁であったわけでございますが、法制局というのは、長官が度々累次答弁をしているように、内閣に対する助言を行っているわけでございます。
 内閣としてこの憲法について、行政府として、内閣として解釈をしていくということになるわけでありますが、この集団的自衛権あるいは集団安全保障等々についての、またPKOもそうなんですが、憲法との関係について安保法制懇において今議論をしているところでございまして、様々な事態を分類をいたしまして、そうした分類におきまして、我が国の安全、そして国民の生命を守る上において今までの解釈でいいのかどうかということについての議論を行っているところでございます。そうした議論の結果を待ち、その上において法制局を中心に協議をいたしまして、必要であれば、必要ということになれば解釈の変更を行っていくということになるわけであります。

大野元裕君
 総理がおっしゃったとおり、文民条項、それ以外にも、安全保障に関連しては様々な形で憲法の解釈に関し政府の答弁が変わっているものがあります。例えば、戦力の保持であるとか、あるいはPKOに関する林法制局長官、高辻法制局長官の議論ですとか、さらには日本有事の際の公海における米艦防衛、これは中曽根政権時代だったと思います、こういった変化があります。これらは憲法の、しかしながら、解釈及び運用の変更には当たらないというのが政府の統一した説明、見解でございました。
 法制局長官、この見解は現在も維持を同様にされているかを教えてください。

政府特別補佐人(小松一郎君)
 平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書、同じ答弁書でございますけれども、憲法の解釈、運用の変更に当たり得るものとして明示しているのは、憲法第六十六条第二項に規定する文民と自衛官との関係に関する見解のみでございます。
 御指摘の戦力、PKO、日本有事の際の国会における米艦防護に関する政府の一連の答弁で示された見解は、憲法第九条に関する従来からの政府見解の体系全体の中に整合性を持って位置付けられているものと認識しておりまして、憲法の解釈、運用の変更に当たるようなものがあったとは認識してございません。

大塚耕平君
 長官、今の大野委員の質問は、文民規定は憲法の解釈変更ではないかということを聞いたわけですが、もう一回答えてください。

政府特別補佐人(小松一郎君)
 今まで政府が憲法の解釈、運用を変更した例というものは、六十六条二項の文民条項だけに関するものだけであるというのが政府の認識でございます。

大野元裕君
 改めて確認させていただきます。
 政府が唯一の憲法の解釈・運用の変更とされた六十六条二項の文民条項については、憲法の条文の解釈変更というよりも、時代に伴う自衛隊制度の変化により、変わらぬ憲法の精神に鑑み当てはめが変わったと、こういう認識でよろしいんでしょうか。

政府特別補佐人(小松一郎君)
 お尋ねの、これは条文の解釈変更ではなくて当てはめの問題なのではないかという御質問でございますが、この条文の解釈変更に当たるのか当てはめの変更に当たるかにつきましては、突き詰めると用語法の問題に尽きるものと考えております。
 ただいまの文民の解釈につきましても、憲法の解釈を変更したものか、又は、法規範、つまり、シビリアンコントロールの観点から、武力組織の方は閣僚になることができない、こういう論理に自衛隊の性格の変遷というものを当てはめて、その当てはめの結果であるというような考え方もございまして、そこのところは議論があるところでございますと。
 この私の衆議院外務委員会における答弁は、文民と自衛官との関係に関する見解の変更については、政府自身が、内閣自身が憲法の解釈、運用に当たるということを閣議決定もして明示しているものではございますが、学者の方などの中には、これを当てはめの変更であると指摘される向きも皆無ではないという事実を踏まえて述べたものでございます。

大野元裕君 その後に、先ほど私がお読みしたところがあるんです。当てはめの問題はあるというふうにおっしゃっていて、先ほどの御答弁でも、その後、自衛隊制度がある程度定着をしてきたと、そこで変わったんだと、そういう御説明だったと思いますので、いま一度、法制局長官、私が先ほど読んだところ、客観的な事情が変化すると、その当てはめの問題というのはあるわけでございますという答弁について、もう一度御説明ください。

政府特別補佐人(小松一郎君)
 憲法の条文自体の解釈の変更ということと、この当てはめの変更ということにつきましては、学者の方々の中にも、何がそれに当たるのかと、いろいろな御議論がございまして、非常に関係については微妙なものがございます。
 一説によれば、規範自体を変更したのではなくて、対象となった事象が変化したことによるいわゆる当てはめの結果が変わるということがあるのだという主張をされている学者の方もいらっしゃいますし、過去、例えば戦力の解釈につきまして、当初、これはかなり早い時代には政府は近代戦遂行能力という言葉でもって説明していたものを、その後、自衛のための必要最小限度を超えるものはこの憲法第九条二項で禁止されている戦力なのだと、こういう説明になっておりますけれども、ここは、内容を変更したのではないけれども、基本的な考え方には変更はあるわけではないが、説明ぶりを変更したものという考え方でございます。
 このように、憲法解釈の変更、当てはめの変更、それから説明ぶりの変更というものにつきましては、なかなか相互の関係は微妙で、どこからどこまでがどこに当たるのかということは微妙なことがあるということを申し上げているわけでございまして、その上で、繰り返しになりますけれども、憲法六十六条二項の文民の解釈につきましては、政府自身が閣議決定をもってこれは憲法解釈、運用の変更をしたものであるということを認定しているということを申し上げているわけでございます。

大野元裕君
 外務省になるんでしょうか。我が国の集団的自衛権の解釈についてはいろんな説があって、大体一九七二年から八一年ぐらいにかけて政府の解釈というものは定まってきたのではないかと言われていますが、この一九八一年以降、国際法上の集団的自衛権の概念は変化したのでしょうか。

政府参考人(石井正文君)
 集団的自衛権とは、国際法上一般的に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利と解されておりまして、このような概念に変化はないものと考えております。

大野元裕君
 そうすると、今までの議論を受けて総理にお伺いしたいんですけれども、国際法上の集団的自衛権の概念は変わっていないんだそうです。そうだとすると、六十六条の文民条項はいろんな説があるという話もありました。しかしながら、規範そのものに対する認識を変えるという意味でのいわゆる解釈の変更に当たるようなケース、若しくは、そうではなくて、規範は不変だけれどもその対象とする事象は変わったというケースの二例、学説があるというお話を法制局長官からもいただきましたが、今回もしも、集団的自衛権の解釈の変更、総理が踏み込んでおっしゃった言葉ですけれども、あるいはその適切な解釈について行うとすれば、これは当てはめが変わる方にはどう考えても当てはまらない。つまり、憲法そのものの解釈、規範を変えると、そういう理解でよろしいんでしょうか。

政府特別補佐人(小松一郎君)
 集団的自衛権とは何かという御質問に対して、私は昨日も答弁いたしましたし、これは国際法上の概念であるということを申し上げているわけでございます。その国際法上の概念である集団的自衛権はどういうものであるかというのは、これは外務省の所管でございまして、今、石井国際法局長が答弁したとおりでございます。
 今議論をしておりますのは、従来、憲法の問題として例外的に武力を行使する場合があるのかという問題を議論してきておりまして、従来はるる説明を申し上げているような論理に基づいて、いわゆる自衛権に関する三要件、これを満たす場合を除いては武力の行使はできないと、これが憲法の規範だということを申し上げておるわけでございます。
 それで、今、そこのところの解釈というのを変更する余地があるのか、それで全く変更する余地がないのかということを議論をしているというわけでございまして、そこは変更して、これは結論出ておりませんけれども、武力行使もできる場合があるとすると、その部分というのは、国際法上は、憲法九条に基づいてできることであれば何でもやっていいというわけでは、当然のことではございません。これは、憲法には第九十八条二項というのがございまして、我が国が締結した条約及び確立された国際法規はこれを遵守すると、これも憲法上の規範でございますから、憲法上許容されるものであっても、それが国際法に照らしても合法でなければならないわけでございまして、そこの部分につきましては、それは集団的自衛権なのかもしれませんし、またその他の法理なのかもしれません。
 ですから、集団的な自衛権の行使、解釈を変更するのか、それは当てはめなのかという御質問は、ちょっと私は残念ながら理解できないわけでございます。

大野元裕君
 それは御質問を聞いていただいていないから理解していないだけの話です。
 集団的自衛権についての概念が変わっていないとすると、当てはめの方ではなくて、二説ある場合ですね、憲法の規範そのものの認識を変更するという方に、学説二つあるとすれば当たると思いますが、憲法規範そのものの認識を変えるということを総理はおっしゃっているのでしょうか。そういうことを総理にお伺いしているんです。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 今、学説に準拠して答弁はすることはできないわけでありますが、我々はそもそも、今法制局長官が答弁をさせていただいたように、自衛権はあると、そしてその自衛権の発動については三要件があるということでございますが、その中において、特に必要最小限というもの、今までの答弁の中におきましては、この最小限という観念を超えるものであると、集団的自衛権の行使についてはですね。
 そこのところについて、しかし、今国際情勢が大きく変わる中において、一国のみにおいて自国の安全を守ることができない、その前、例えば三要件の中において我が国に対する急迫不正の侵害ということがあるわけでございますが、事実上そういう状況もあるのではないか。我が国事態に至らなくても、事実上我が国の言わば生存権そのものに大きな影響があるのではないかということを議論をしているわけでございまして、そうした観点の中において、今まで、基本的な考え方の枠内の中における集団的自衛権の行使というものがあるのではないかということを議論しているところでございます。

大野元裕君
 次の議論に入る前に一つ総理に確認しておきたいんですが、これまでの累次の答弁の中で、法制懇の報告を受けますと、そしてその後に与党内で協議をしてもらって閣議決定、そしてその後、国会、法案等で審議をしていただくというこの段取りは変わりないでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 基本的に、今、安保法制懇で様々な観点から議論を行っている、集団的自衛権の行使だけではありませんが議論を行っているわけでございまして、この結論が出るわけでありますが、当然この結論については皆様にオープンにさせていただくところでございます。
 今までも、中での議論については、代表的な議論については御紹介をさせていただき御議論をいただいているところでございますが、これを結論を得た上において法制局を中心に協議を進めます。そして、その中におきまして、当然、与党、自民党、公明党とも協議を進める中において、もし解釈が必要ということ、解釈の変更が必要ということになれば、我々は閣議決定を、与党と協議した上において閣議決定を行い、そして政府としての見解がそこで確定するわけでございます。
 当然、その上においては、国会からその説明を求められれば、当然我々には、その過程においても状況について御説明をしていくことは当然でございます。その上において、自衛隊がすぐに活動の範囲を変えられるかといえばそうではないわけでありまして、その上において自衛隊法等関連、この変更に関わる自衛隊の行動に関する法律等々についてはその改正が必要であろうと、こういうことになるんだろうと、このように思います。

大野元裕君
 少しずつ総理のおっしゃる憲法の解釈の変更、若しくは適切で新たな解釈というものが明らかになった気がいたします。
 というのは、憲法の規範そのものの中で、先ほど法制局長官がおっしゃった三つの要件の中で必要最小限の部分、生存権について変更する必要があるかどうか、ここの部分に焦点を絞っていくということであろうと私は今の御議論の中で理解をいたしました。
 私自身、実は個人的には、当然の話だと思いますけれども、生存権を含む基本的法益、これをないがしろにしてまで今のがちがちの解釈を維持するべきではないと強く思っています。
 しかしながら、私は、三つの理由から総理のおっしゃる今のプロセスについては反対でございます。閣議決定を行う前に十分に国会で審議を行うべきだと思っています。
 三つの理由の一つ目は、今議論したとおり、憲法そのものの基本、こういったものを変えていく、もしかすると六十六条と若干性質が違うような解釈の変更になる可能性がある。そうだとすると、憲政史上初めてのことでもあり、我々は国会でこれを議論するべきではないかというのが一つ目の理由です。
 そして二つ目は、これは国民的な関心事であるということであり、我々国民に選ばれた国会がしっかりと総理のお考えというものを承って、そして議論をすることを、国会で議論した上で閣議決定に臨んでいただくということが適切だと思っています。
 そして第三に、国際的な関心あるいは懸念、こういったものを呼んでおりますので、真に我が国の安全保障にとり集団的自衛権の行使が必要であれば、その行使の在り方について真剣に前向きに議論をするためにも、これ当然、法制懇の議論が出て、個別のケース、これ総理は何度もおっしゃっています、個別のケース大事ですよ。だとすれば、個別のケースが出た後に閣議決定、特に、もしも与党との議論が長引いて、閉会中に閣議決定で、次の国会が開かれたときには個別の法律が出てくる、こんな状況では私はあってはならないと思いますが、改めて、総理、国会における審議を閣議決定の前に尽くすという、あるいは国民の前にしっかりと示すということについてはいかがお考えでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 国会の日程との関係においては今ここで確かなことを申し上げることはできませんが、まだ安保法制懇の中で協議が続いているわけでございまして、結論を得るのがいつかということと、同時にまた、与党との協議がその後あるわけでございまして、いずれにいたしましても、国会開会中に結論が出た場合、結論というのは安保法制懇の結論が出た場合は、そのことは世の中に出ていくわけでありますから、当然そのことについて、国会が開会中、あるいはもし、いつ出るかということでありますが、いずれにいたしましても、国会、例えば国会開会中であれば、当然、こうした機会にこの結論についての御説明ということは当然できるわけでございます。
 また、万が一国会が開催されていない場合でも閉会中の審査ということは可能であろうと、このように思うわけでありますが、閣議決定に至るまでは、これ政府としての判断、解釈が確定していないわけでありますから、私たちの、政府としての解釈を確定的にその段階では述べる、安保法制懇の結論については述べることができるわけでありますが、閣議決定をしないと政府としての統一的な判断がこうなったということについてはその段階では申し上げることはできませんが、しかし、言わば安保法制懇で議論したことについて国民の皆様の前で、国会で議論するということは当然行われると、このように思っております。

大野元裕君
 第二次世界大戦後、あらゆる戦争は違法とされていますが、国際法の観点からその例外の一つとして集団的自衛権を国家に授権している法的な根拠は何ですか、教えてください。

政府参考人(石井正文君)
 集団的自衛権は国連憲章第五十一条におきまして、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」と規定されているものでございまして、国連憲章の起草に際して確立した概念であると考えております。

大野元裕君
 それでは外務大臣、我が国の憲法九十八条では国際法の遵守をうたっています。しかし、国連憲章や国連の慣習法、国際慣習法が求める義務について我が国はどんな拘束を受けて、もしもそれを破って例えば自衛権と称して武力攻撃を行ったような場合には、他国からどのような評価を受けることになるとお思いですか。

国務大臣(岸田文雄君)
 委員御指摘のように、憲法第九十八条二項は、日本国が締結した条約及び確立した国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする、こうした規定を設けています。国際社会における法の支配の確立、これは我が国の外交政策の柱の一つであります。国際憲章を含む条約及び国際慣習法が求める義務、これを遵守することは当然のことであります。
 そして、御質問の、こうした、国際法上正当な根拠がない場合、日本がこうした規定を破った場合どうなのかという御質問ですが、国際法上の正当な根拠がない場合、国際関係における武力の行使を行うこと、これは国際法違反であります。国際社会から違法な武力行使という評価を受けるということになると考えられますが、ただし、今申し上げましたように、国際社会における法の支配の確立を外交政策の柱の一つと位置付けている我が国は、国際憲章を含む条約及び国際慣習法を遵守すること、これはまず当然のことであります。そして、今御指摘の憲法九十八条二項においても、我が国が締結した条約、確立された国際法規を誠実に遵守するとされておりますので、我が国が国際法上違法な武力行使を行うことはないと考えます。

大野元裕君
 このような国際法が授権している集団的自衛権ですが、総理、お配りをしております資料にございますが、総理の国会答弁の幾つかを示させていただいております。その中で、「例えば、我が国の近くで武力攻撃が発生して、米国がそれに対応して集団的自衛権を行使している中において、攻撃をしかけた国に武器弾薬を供給しようとしている船舶を、米国からその船舶をとめてくれと言われても我が国は対応できない、それでいいのかどうかということですね。」とおっしゃっておられますが、これは国際法上の集団的自衛権を行使する対象ということでおっしゃったのでしょうか、確認させてください。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 今御指摘の例示は、安保法制懇の中での議論を紹介させていただいた事例でございまして、このような事例への対応は、国際法上は集団的自衛権の行使に当たる場合、そして国連の集団安全保障措置の一環としての対応に当たる場合、これは国連決議があった場合でありますが、その時々の状況によって議論が行われているところでございます。

大野元裕君
 我が国の近くで武力攻撃が発生する、それに集団的自衛権を行使している米国に対して非交戦国行為とみなされるような、例えば支援を行うということをどう検討をするんでしょうか、教えてください。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 今申し上げましたように、これは集団的自衛権の行使に当たる場合ですね、つまり、言わば、当たる場合と、今申し上げましたように、国連決議があった場合は集団安全保障措置の一環としての対応ということになるわけでありますが、前者の場合においては、その当該の言わば米国に対して攻撃をした国に対して武器弾薬等が運ばれているという状況の中において、その船舶に対しての措置を行うことが集団的自衛権の行使に当たるのかどうかということ等について今検討しているところでございます。

大野元裕君
 で総理は、我が国の近くで武力攻撃が発生し、米国がそれに対応して集団的自衛権を行使している中で、我が国は何をするかとおっしゃっておられます。
 ニカラグアのICJ判決では、慣習国際法上、武力攻撃の犠牲者とみなす国の要請がない場合に集団的自衛権の行使を許す規則はないとしており、集団的自衛権を行使している最中の米国に対して我が国がそういった行為をなすということは、国際法上規定がないのではないでしょうか。

政府参考人(石井正文君)
 御指摘の一般国際法上の集団的自衛権の行使の要件は何かということについて申し上げますと、ある国家が集団的自衛権を行使するための要件は、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意があること、他に手段がないこと、必要最小限度の実力の行使であることというふうに一般的に考えておるということでございます。

大野元裕君
 外務省のおっしゃるとおりだと思います。集団的自衛権を行使しているアメリカに対して、日米同盟はあるわけですけれども、それに対して非交戦国と見られるような行為を行うことは、もう一度お伺いをいたしますけれども、国際法上は許されていないのではないでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 今、私が今御紹介した事態に対して国際法との関係についてつまびらかに判断をする立場にはございませんが、安保法制懇の中において、そういう事態の中において、同盟国である米国に対する攻撃が発生して、そしてその事態が、例えばその事態が我が国に及んでくるということも容易に考えられるという状況もあるわけでありまして、その状況の中においてどう判断するかということであります。
 そして、それは例えば、昨日も紹介させていただいたわけでありますが、当該国のその紛争地域となったところにおける邦人の救出等について米軍に依頼しなければならないという状況がある中においてのそういう状況も考えられるわけでございまして、そうした様々な可能性の中から議論が行われているということでございます。

大野元裕君
 違うんじゃないですか。おっしゃっていることが、今米国に対する攻撃がある場合にと、それはそのとおりだと私も思いますけれども、総理がおっしゃったのは、我が国の近くで武力攻撃が発生して米国がそれに対応して集団的自衛権を行使している中において、ということは、米国に対する攻撃はここで述べられておりません。
 そして、先ほど精緻な議論というふうにおっしゃいました。精緻な議論とおっしゃって、既にこれ答弁として総理がなされたことでございますので、私はこれは不適当な例だと思いますけれども、もう一度、これは撤回されるおつもりはありませんか。

大塚耕平君
 外務省にお願いします。総理によく御理解いただけるように、八六年のニカラグアの国際司法裁判所の集団的自衛権行使の要件をちゃんと説明してください。

政府参考人(石井正文君)
 今、ニカラグア事件の判決そのものを私持っておりませんが、一般的に申し上げますと、先ほど私申し上げたとおりでございまして、ある国家が集団的自衛権を行使するための要件は、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意があること、他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力の行使であることということで、このラインに沿って判決も積み立てられていたと承知しております。

大塚耕平君
 今、大野さんが繰り返し質問しておられるのは、総理や法制懇が御検討、御発言になっている内容はその要件の現に武力攻撃を受けているというものに該当しないんじゃないかということを聞いておられるんですが、正しいですね、この考えは。

政府参考人(石井正文君)
 この問題について私が具体的にお答えするのが適当かどうか必ずしもあれでございますが、今、私の理解するところは、総理がおっしゃっておりますのは、まさに懇談会の中で今議論が行われている事態についてこういう議論が行われていますよということで紹介をなさっているということだと思います。
 その上で、政府としてどう対応するかということは懇談会の報告を受けて別途考えるということも総理おっしゃっているところでございまして、その際、当然政府としての対応と申しますのは、岸田外務大臣が申し上げましたとおり、国際法に沿った形で行われると、これは憲法の要請でもあるということだと思います。

大塚耕平君
 議員の皆さんは今の三要件聞いていただいたので分かったと思いますので、今の外務省の発言に関連して法制局長官に聞きます。
 今、外務省は自分たちが解釈する立場にないと言いましたが、昨日、法制局長官は国際法の解釈は外務省の所管であり内閣法制局の所掌ではないと発言されましたが、その法的根拠は何でしょうか。法的根拠ですよ。

政府特別補佐人(小松一郎君)
 突然のお尋ねでございますので、条文は持っておりませんけれども、外務省設置法の所掌事務の規定がございまして、私の記憶では、その所掌事務の中に国際法の解釈、適用、実施というものが外務省の所掌事務として明記されているというふうに記憶してございます。

大塚耕平君
 その矛盾を解決してください、今。外務省は自分の仕事じゃないって言ったんだから。

政府参考人(石井正文君)
 申し訳ございません。私が先ほど私が申し上げていいのかというふうに申し上げましたのは、総理がおっしゃいました懇談会における議論、それをクオートされたことについて私がどうこう申し上げるというのは差し控えた方がいいかという意味でございまして、国際法の解釈については、今法制局長官からもございましたように、私が当然責任を持って、大臣の下で責任を持ってやらなきゃいけない仕事だと思っております。

大塚耕平君
 ということは、先ほどの三要件に適応しない状況の中で集団的自衛権の行使を日本が後々行うということについては、外務省はどういうお立場でしょうか。

政府参考人(石井正文君)
 これまた岸田外務大臣の答弁の繰り返しになって恐縮でございますが、政府といたしましては、憲法におきましても、政策といたしましても、国際法を、確立した慣習法を遵守するということでございますので、その範囲で当然やるということだと考えております。

大野元裕君
 国際法があくまでも授権しているこの集団的自衛権に関して、大臣がおっしゃったとおり、国際法を遵守するのは我が国の義務だと私は思っております。
 そういった中で、総理が御紹介をされた、総理の多分勘違いではなくて紹介されたということですから、集団的自衛権の行使は武力攻撃を現に受けているという当該国からの要請がなければならないということでございますので、このケースには私は当たらないというふうに思います。そこについては改めて御認識を新たにしていただきたいと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 当然、安保法制懇で議論をしていることは、国際法上、集団的自衛権の行使に当たらないというものについて、それを当たるということに変えていくものではないわけでありまして、国際法の中において、つまり逆でありまして、つまり、国際法上と集団的自衛権については、国際法上は権利があるけれども我が国の憲法上は行使できないという、この考え方であります。
 そして、その中において、言わば国際法上の中における多くの国々が行える権利について、我が国の、我が国においてもそれを行使できる範囲があるかもしれないということについての議論を行っている、個々の事例について議論を行っているわけでありますが、今申し上げました事例については、我が国近傍で、我が国近傍ということでありますから、言わば米艦、米国が、そこにおいて米国が攻撃を受けなければ、例えば、密接な関係にある、密接な関係がある、それは言わば米国が攻撃を受けているわけでありまして、米国に対しての攻撃が発生をしなければならないわけであります。
 つまり、言わば近傍における武力攻撃事態があり、米国が更に攻撃を受けているという状況の中において、米国が攻撃を受けている、米国が攻撃を受けたという状況の中において、米国側から依頼があり、その艦船を止めてくれということでありますから、言わば米国に対する攻撃が発生していて、その当該国から依頼があると、こういうふうに私は理解しているところでございます。

大野元裕君
 米国の攻撃がなければならないということはここには書いてないんですよ。総理の答弁ですよ、これ。総理の御答弁ですよ。しっかりと、総理というしっかりとした、それだけの責任を負っている方が、精緻な議論とおっしゃったのは御自身ですからね、そこについては、だったらこのときにはこういうことですというのをやはり付け加えるべきだろうし、あるいは訂正するべきではないでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 それは、こういう中で答弁を行っているわけでありますから、答弁の時間もいつも長過ぎるというふうに言われておりますので、その中で答弁をしているわけでありますが、当然、私は同盟国との関係においても述べているわけであります。もちろん、集団的自衛権の解釈は必ずしも同盟国に限られているということではございませんが、その中において、近傍の国において、に対する武力攻撃があって、そしてその中で集団的自衛権の行使する米国が攻撃、米国が攻撃されてということを私は申し上げているわけであります。
 だから、米国に対する攻撃は発生しているわけでありまして、その上において、要請がなければ、要請があってその船を止めてくれと言われても止めなくてもいいのかと、そういう議論であります。

大野元裕君
 国際法の要件について舌っ足らずで済ますのは、私は済まないと思いますので、是非そこのところは正確に、総理が精緻な議論とおっしゃっているわけですから、精緻な議論をお願いをさせていただきたいと思います。
 北岡法制懇の座長代理が、集団的自衛権行使については五要件を付ければいいんじゃないかという話が出ています。しかしながら、国際法は授権しています、その中で我が国の制約がある、これは分かります。しかし、だったらこの国際法の原理というのは当然守らなければいけないもので、遵守しなければいけないものであるというのは、外務大臣がおっしゃったとおりです。
 この五要件の中で、私の理解では、二つ、つまり、放置すれば日本の安全に大きな影響が及ぶ場合及び国会の承認、これを除くと明示的に集団的自衛権が慣習法として要請をしている三つの要件にすぎず、これをわざわざ国内で定める必要もないのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。

政府特別補佐人(小松一郎君)
 誠に恐縮でございます。私がお答えするのが適当な問題か分かりませんけれども、この安保法制懇で北岡座長がいかなることを、本当におっしゃっているのかと、五要件ということをおっしゃっているのかどうかということについて、私は直接聞いたわけでもございませんし、多分、政府の中で直接聞いている方がおられるのかどうか私も分かりませんので、政府としては答える立場にはないのではないかと考えます。

大野元裕君
 集団的自衛権に関する議論について今進めさせていただいてきて、総理の先ほどの舌足らずというんでしょうか、そういった答弁もありました。また、外務省の方から、政府がやっているわけではないので、法制懇でやっているものなので法的手当てについては今のところ、現時点ではお話しできないという話もありました。さらに、これ余り議論は深められませんでしたが、既に国際法上の要件になっているものがわざわざこんなところに盛り込まれている。
 だからこそ、私最初から申し上げているのは、閣議決定の前にしっかりとここで議論をして、そして練り上げた上で国民的な御理解を得る、そして国際的な理解も得る、これが重要ではないかということを最初から申し上げているわけでございますけれども、総理、改めてお伺いします。これ、時間を掛けて十分に国会の中で議論をするようなお時間を閣議決定前にいただけないでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)
 従来から答弁をさせていただいておりますように、安保法制懇において、様々な状況について、言わば日本国民の命、そして国益を守る上において様々な事態でこの行使について、自衛隊の活用について、憲法の解釈に今までの解釈とは抵触するという可能性があるということについて、事態について議論をしているわけでございますが、その結論が出た上において、出た上において、先ほどの議論もそうなんですが、それが出た上において法制局を中心に、そこで結論が出てから法制局を中心に政府で議論を進めていくわけでありますが、もちろん与党と調整をしていく中においてですね。そこで政府が初めて議論を固めて、議論が固まった段階で政府の立場について、先ほど二つの事例についてお話をさせていただきました、二つの事例につきましても最終的にどうなるかということは今の段階では分からないわけでありますし、今の段階では安保法制懇の議論がまだ結論が出ておりません。
 結論が出た後について、政府としてそれをどう解釈するか、あるいはその結論に対してどう憲法との整合性が付いていくか、あるいは解釈の変更が必要かどうかということを政府として決めていくわけであります。当然、それは更に深い議論を、深い精緻な議論をしていく必要があるわけでありまして、その上において閣議決定して政府の立場が決まるわけでございます。
 決まった段階においては、決まればそこで当然我々は政府の立場として、政府としての解釈についてここでお答えをすることができるわけでございますし、さらに、その上において自衛隊法を改正をしていく必要が当然あるんだろうと、こう思いますが、自衛隊法を改正していく上において様々な、これは言わば縛りが掛かるということもあるでしょうし、国会との関係も定まってくるということもあるんだろうと。より具体的に、実際に、できる権利は持つけれども、さらに実際にできることが法的に決まっていくわけでありまして、当然そこでは国会で御議論をいただかなければ法律は成立をしないわけでありますが。
 その間の議論についてどのように、その一番前の議論ですね、ですから閣議決定する前の議論については、これはまた国会との関係において国会でお決めになることだろうと、このように思っておりますし、我々は求められれば当然その段階における結論についての御紹介はさせていただきますが、しかし、その段階においては、先ほども御説明をさせていただきましたように、政府としての立場が決まっておりませんから、私たちはこうですよという確定的な答弁はできないわけでありまして、言わば法制懇の議論の御紹介ということでしかないと、こういうことになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今日も大野委員また大塚委員とも中身についてのある程度の議論をさせていただきましたが、実際はまだこれは安保法制懇で決まっていない中の議論の一部を私の記憶の中で御紹介をさせていただいているということでございますが、いずれにいたしましても、国会から求められれば当然我々は御説明をするという義務を負っていると、このように思います。
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