2013-08-29 00:23:46

二つの外交的失敗:潘国連事務総長発言

テーマ:国際政治
潘国連事務総長による日本の歴史認識に関する発言が波紋を呼んでいる。本件については、外交という観点から、二つの残念な出来事があった。

第一は、言わずと知れたこの発言の危うさである。
数多くの国々が国際の安全を求めて結集した国連の事務総長が、日韓の領土紛争の背景に絡んだ歴史問題について中立を欠く発言を行うことは、あまりに非常識である。しかもそれが失言であるならばまだ取り繕う余地もあるかもしれないが、次の大統領職を伺おうかという母国韓国での発言とは悪質である。国連事務総長が紛争を煽るかのような発言をして、知らんぷりを決め込むことはできない。

第二は、我が国政府の外交的センスの欠如である。
国連の事務方のトップによるかかる発言に対しては、以下の理由から極めて強く反論すべきである。
① 国連、つまり第二次世界大戦以降の国際秩序を揺るがしかねない発言であること
② 国連の事務総長に対する上記のような論点での抗議は、我が国として国益を失うものではないこと。つまり、国際秩序という観点を優先して攻撃できるのみならず、何らかの国益を犠牲にして攻勢に出るようなたぐいの争いにはならないこと。
③ 二国間の紛争や問題に関しては、直接の議論を行う前にいかに根回しを行い、味方を多くするかが肝要であるところ、中立を装う国連事務総長に相手国寄りの関与を許すことは好ましくなく、国連をけん制し、中立を慎重に守らせる、あるいは圧力をかけて我が国に有利に事態を展開させるべきである
④ かりにこのような我が国の主張に対し、韓国のような第三国が異議を唱えたとしても、我が国の主張は歴史認識そのものではなく、国連のルールに対するものであるので、説得力を持って反論できる

それにもかかわらず、菅官房長官は「非常に疑問」との発言にとどめた上で、「我が国の立場を考慮していない」とした。問題にすべきは我が国の立場云々ではなく、ルールと国連の信頼性のはずである。自分であれば、「国連事務総長から謝罪があるまで国連分担金の拠出停止を含め、我が国としての立場を再検討する」くらい踏み込むことを考える。最終的には玉虫色の決着になるにせよ、国連に対し高いハードルを設定して「貸し」を作り、今後も継続するであろう日韓の間の問題に対し、国連を我が方の側に着けるくらいの外交手腕が欲しいところである。
いたずらに威勢のいい発言を行って国益を損ねるのが外交ではなく、領土問題を含めた我が国の国益を最大化するために、外堀を埋め、有利な立場で相手に対峙する、そんな外交的センスを現政権に望むのは無理なのだろうか。
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2013-08-13 22:54:17

衛星技術とリスク

テーマ:政治
気になる記事が、ECONOMISTに掲載された


本件に関しては、小生が昨年の6月に内閣委員会で指摘させていただいた。

民主党政権下、2010年代後半には日本では準天頂衛星が整備される。このシステムが完備されると、現在のGPSのみの運用と比較して、はるかに精度が向上し、たとえば災害等で生き埋めになったとしても、被災者の有する携帯電話で数十センチの誤差で掘り当てるなど、多くのプラス面が期待できる。

ところが、我が国では利便性のみが検討され、万が一の場合のリスクに対する意識は少ないようだ。たとえば、米国は有事の際に攻め込んできた敵やテロリストにGPSを利用されないよう、リージョナル・デナイアルというシステムを組み込み、米国の軍のみが詳細なGPS情報を利用できるようにして、自国の安全に有利な展開を構築するようにしている。

この件も内閣委員会で質問したが、我が国の場合には、そのような手段を検討すらしていないようだ。

便利さと表裏一体にあるリスクについても、我々は考えていかなければならないはずで、今後も政府の検討を促していきたい。


ちなみに、内閣委員会における質疑の様子は、以下の通りです。
○大野元裕君 今政務官がおっしゃいました、利用を促進していく中で国の制度等をしっかりと定めていく必要があるという話がありました。こういった中で我々が常に考えなければならないのは、当然我が国の安全やリスク、こういったものであろうというふうに思っています。
 準天頂衛星に先立つ、例えばアメリカのGPS等を見てみると、資料でもお配りをしましたけれども、これは報道等を見ますと、諸外国、海外におきましては、このGPSに対する妨害活動で被害が出たという前例があると聞いております。GPS自体は非常に微弱な電波であるがために、いわゆるジャミング、それから成り済ましというんでしょうか、違う情報を送るスプーフィング、こういったことが容易だという技術的な指摘もありますし、インターネットを見てみますと、実はこれ、GPSをジャミングするための妨害装置は秋葉原でも売っているんですね。
 そういったことを考えていくと、政府として、ここに特にこれから依存する産業あるいは安全保障、それから災害対策、こういったものが特に重要になればなるほどこういったジャミングやスプーフィング対策というものは万全に講ずるべきだと考えておりますけれども、その対策についてどうお考えかを教えてください。

○政府参考人(鈴木茂樹君) お答えさせていただきます。
 我が国におきましては、平時からそういった混信妨害の発生源というものに対しまして、探知、捕捉を行っておりまして、これまでも無線通信に対するそういった混信妨害というのが発生した場合には、私どもの電波監視施設を使って発生源を探知しまして、そこに行ってその原因を除去するというようなことをやってございます。
 仮に、その妨害源が外国にあった場合等でございますが、そういった場合には、国際電気通信連合憲章や条約に基づきまして、関係国にまずはその妨害源の排除といったことを要請するということとともに、国際電気通信連合、そちらにその妨害の除去への援助を要請するということの手続が定まっておりまして、今後ともそういった無線通信に関します妨害源の排除については、総務省としてもしっかりと取り組んでいきたいと思ってございます。

○大野元裕君 ありがとうございます。
 ITUを通じた働きかけ等につきましては私も理解をしているところでございますが、その一方で、我が国が切迫する危機に直面するような場合も当然あり得ると思っております。特に、このような準天頂衛星のような形は、平和的利用を進めていくということでは一義的にはありますけれども、しかしながら、別の利用の仕方もあると私は理解をしています。
 例えば、アメリカなどの場合には、先ほど御指摘させていただいたGPSについては、敵国がこのGPSの技術を利用して例えばアメリカを攻撃すると、そういったことがないように、いわゆるリージョナル・ディナイアル、その地域においてGPSからの電波を受信ができなくなる、若しくは精度を落とす、しかしながら米軍の方は精度の高い情報をそのまま使える、こういう手法を講じているというふうに聞いております。
 我が国としても、我が国の領土の上もそうですし、この準天頂衛星、我が国以外の外国の領土の上を通るということもありますので、そういったことにも鑑みて、予防的措置というものを私は講じるべきではないかと思っておりますけれども、いかがお考えでしょうか。

○政府参考人(片瀬裕文君) お尋ねのアメリカのまずGPSにつきましては、かつてはセレクティブ・アベイラビリティーと呼ばれる政策を講じておりました。これは、具体的には必要に応じてGPSから提供されるサービスの精度を低下させる政策を取っていたということでございますけれども、幅広い地域に影響を与えて、世界中の利用者が、影響を及ぼす、及ぶということでございまして、リージョナル・ディナイアル政策に転換をしたというふうに承知をしております。
 今御指摘のリージョナル・ディナイアル政策でございますけれども、これは有事の際には、GPS衛星からのサービス提供はそのまま継続しつつ、米軍が必要に応じて米国の国内若しくは海外の限定された地域で妨害電波を発しまして、その利用を制限をするという政策であると承知をしております。
 準天頂衛星システムからのサービスの提供につきましては基本的にはGPSと同様に継続することが適切であると考えておりますけれども、衛星測位が我が国の安全保障に影響を与える事態が生じる場合の対応ということにつきましては、準天頂衛星システムにとどまらず、各種の衛星測位システム全体への対応の問題としてしっかり検討することが適切であると考えておりまして、今後、関係省庁の意見も踏まえながら必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。

○大野元裕君 若干掘り下げてお話をお伺いしたいと思いますけれども、今おっしゃったとおり、いわゆるセレクティブ・アベイラビリティーという政策をアメリカはつまりGPS全部に対して掛けていて、たしかクリントン政権のときの国内行政命令でこれを排除し、その代わり、地域的に紛争が起きるようなところ、米軍が総体的に情報の分野で、電子戦の分野で有利にならなければならないところにこれを掛けると、こういうことでありました。
 他方で、我が国が有事にさらされた場合、例えば、日本において例えばテロ活動が行われたとか、あるいは敵対的な国々が我が国の中に入ってきたという場合には、私は相応の措置というものを講じなければならない、特に我が国の準天頂衛星を利用して、それで精度が上がって、我が国の国民や我が国の国益というものが大きく毀損されるということは決してあってはならないと私は考えています。
 今回の法律の中でも期待をさせていただいているのは、もちろん様々な効果的で総合的な政策というものを進めていただくことではありますが、その一方で、今まで例えば文科省の中ではなかなか恐らく、まあこれは想像ですけれども、できにくかった例えば防衛省とかあるいは様々な機関との総合的な判断というものをやはり期待をさせていただきたいというふうに思っていますので、改めて、地域的なセレクティブ・ディナイアルでも結構でございますし、あるいは別な措置でも結構ですけれども、便利なものがあるからにはその反作用というものを必ず抑えるということを是非御検討いただきたいので、一言お願いいたします。

○政府参考人(片瀬裕文君) 衛星測位が日本の安全保障に影響を与える事態が生じた場合どうするかということにつきましては、御指摘の防衛省も含めまして、関係省庁の意見を踏まえながら、必要に応じてしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。
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