2012-08-31 14:51:23

国連への拠出に関する決算委員会での質問

テーマ:国際政治

22日の決算委員会において、ずさんな経理や資金横流しが発覚したUNOPS並びにUNDPのアフガニスタンにおける現状について質問をさせていただいた。UNOPSについては、本来アフガニスタンで拠出すべき事業資金が、いつの間にか他の国の建物建築費に変わっていたり、このことを調べようとした米国の監査機関に回答を行わなかったりと、大きな問題がある。それにもかかわらず、問題が発覚した2010年以降、なぜか日本の拠出が突出するようになっている。このことを委員会で指摘させていただき、血税をしっかりと監督すべきと主張した。これに対し、外務副大臣は問題があったことを認め、しっかりと検証すると回答された。


ODAは国民から見えにくいところで執行されるが、人道目的という大義を振りかざすことで、それが不正に使われたり、あるいは検証を免れるようなことがあってはならないと考えている。それが我が国の国民の血税であると言うことをしっかりと認識し、これからも厳しい目を向けていきたい。


委員会の議事録は、少し長いが、以下の通りである。


○大野元裕君 民主党・新緑風会、大野元裕でございます。
 今日は、外務省に対して、決算、特に紛争地域における国際機関を通じた我が方のODAの拠出についてを通じ、ODAの在り方について考えさせていただきたいと思っております。
 副大臣、まずは日々お疲れさまでございます。
 我が方のODAに関しましては、約束したことを着実に実施する、そして被供与国のオーナーシップを大事にするという意味で、一般論として非常に高く評価をされていると私は理解をします。しかしながら、血税でございます。決算というプロセスを経ながら、やはり無駄の徹底、これは排除しなければいけないと思っています。
 特にODA予算は、無償資金協力で千九百六十五億、技協で七百十七億、そして円借で六千七百七十七億と巨額である上に、一般論として普通の国民の目にその成果が見えにくい、このような特徴に鑑みれば、政府として厳しい監視を行い、国民に対してもしかるべく分かりやすくその結果が提供されて当然と考えています。
 外務省としては、いかに国民に分かりやすくODAの使い方を説明していくべきとお考えになっていらっしゃるか、お答えください。


○副大臣(山根隆治君) 先生、もう専門家でもいらっしゃいますので、いろいろなことを御承知の上での御質問かと思います。
 今お話ございましたように、我が国のODAということにつきましては非常に海外で高い評価を得ておりまして、日本の国際的な立場の強化、あるいはまた当該国あるいは我が国の有機的な意味での経済の発展ということに大きく寄与しているものだというふうに、これは先生と同時に認識を共有しているかと思います。
 しかし、その中で、我が国の財政事情非常に厳しい中で、国民の皆様の理解というものをしっかり得ていかなくてはいけないということも、今の大きな課題の一つであります。そういった意味で、このODAの透明化ということについて一層の私たちは努力をしなくてはいけないというふうに思っているところでございます。
 既にJICAにおきましては、ホームページを立ち上げまして、見える化ということで既に一千件を超える事業について大きくしっかりと掲載をさせていただいておりますし、今後も、平成二十五年度までに順次、ほかの残った事業についてもこれを見える化の方にアップをしていくということを今させていただいているというところでございます。
 そのほかにも、開発協力適正会議というのを昨年十月以来これまで五回開催をいたしておりますけれども、これは従来は無償資金協力ということを議論していた会議を改組をいたしまして、そして有償であるとか技術協力、こういったところについても御議論、有識者の方にいただいております。これらの有識者の方々からも国民に分かりやすくということの御提言もいただいておりますので、これらの意見をしっかり反映されるように努力をしていきたいと思っております。


○大野元裕君 ただいま副大臣の方からお話がありました見える化並びに開発協力適正会議に関しましては、特にPDCAサイクルをしっかりと構築するんだということが言われています。その中でも、評価段階において第三者の関与を検討し、失敗事例、成功事例の双方から教訓を導き出し、その教訓を将来に生かすためのフィードバックを強化するということが、これ民主党政権になってからうたわれていることでございます。
 このような失敗事例、成功事例両方に関して重視するということですが、この二十二年度の決算報告書におきましては、二か国、十二事業において贈与資金の効率的かつ効果的な活用が図られていない、こういう指摘がありました。これを失敗事例からの教訓と私は考えますけれども、これらの教訓をどのように将来に生かしていくのか、まだ見えないところもあるんですが、具体的にお答えいただきたいと思います。


○政府参考人(越川和彦君) 今先生御指摘の、先ほど御指摘のありました「戦略的・効果的な援助の実施に向けて」、これはODA事業の透明性の向上と継続的改善に向けた取組を説明したものでございます。とりわけ、先生から御指摘のあったPDCAサイクル、この強化は継続改善の重要な柱というふうに我々考えてございます。
 具体的には、過去の事業のプロジェクトの評価結果をデータベース化すると。新規案件のための準備調査に先立ち、NGOを含む外部有識者から成ります、先ほども御指摘のありました開発協力適正会議にて調査内容の検討を行い、過去の教訓をそのプロセスへ反映させると。このような取組をODA事業のPDCAサイクルの強化に取り込んで現在おります。また、有益な教訓を引き出せそうな一部の案件につきましては、一層詳細な評価を行う試みを今JICAとともに開始してございます。
 それから、今御指摘のありました今次の決算検査報告の内容につきましても、これを真摯に受け止めまして、その指摘のありました改善点等につきましては、同様の事業を実施している他の国に所在しております日本大使館等にも広く共有するようにしまして、PDCAサイクルの中で効果的に活用、対応していきたいと存じます。


○大野元裕君 具体的にお答えいただきたいということで若干、もう少し踏み込んでいただきたかったんですが、まあこれはちょっとおいておきましょう。
 今日お配りをいたしました資料を見ますと、一番上の資料でございますけれども、そこには、今回の決算の対象となっております二〇一〇年度の国際協力重点方針というものがあります。
 めり張りのあるODAの活用をする、これは非常に正しいことであろうと私は思っています。しかしながら、これまでの議論に従えば、これらの重点分野であればこそしっかりとした検証を行い、外務省が強調するところのPDCAのサイクルに乗せる、こういう必要があるんだろうと思っています。
 そして、その重点方針の中で国名が出ている二つのうちの一つ、アフガニスタンについて見てみたいと思います。一枚おめくりいただきますと、その資料はアフガニスタンにおけるいわゆる死者数を、戦争の後ずっとこれ追ったものでございます。これは、戦後の混乱期ではなくてその後の国づくりの時期、国際社会や日本が支援をしている時期の方が実は死者がどんどん増えている、そういう状況にありました。
 我が国は、アフガニスタンをテロの温床にしない、こういう言葉を掲げてアフガニスタンに対するODA支援を行ってきました。そうだとすれば、これは本当に成功だと言えるのでしょうか。そうだとすれば、これ、仮に効果を上げてこなかった、若しくは当初もくろんでいたことと違うとすれば、外務省が強調するところの失敗事例として将来の教訓に生かす必要が私はあると思いますが、ここから得られる教訓というのは何であり、そこから生かすものはどのようなことであるかということをお答えいただきたいと思います。


○副大臣(山根隆治君) 私たちのODAが血税によっているものでありますから、これが無駄な形になっては当然まずいということになります。
 アフガニスタンにおける支援、統計上の今お話が先生から御指摘をされたところでございますけれども、確かにこの資料にありますように、私たちの思いと別に、例えば直近でいえば、二〇一一年度の死者数が前年度に比べて八%増えている、あるいはまた治安事案も一四%増えている、こういうような状況にあることは非常に残念なことであります。
 しかし、今年になりましてからは若干、まだ統計としては六か月間のものしかございませんけれども、少し、前年度よりも若干減少といいましょうか、増えるということの傾向には少し今時点はないんではないかというふうに思っています。
 実は、六月十四日、イスタンブール・プロセス、カブールの閣僚級会議がございまして、私もそこに出席をさせていただいたわけでありますけれども、アフガニスタン政府自身でこうした会議が行えたということ、私も、飛行場降りてから非常に緊張した思いで会場に向かったわけでありますけれども、特に大きな事件等も起きずにこの会議が成功裏に終わったということは、アフガニスタン政府の一つ自信というものにもつながっているのかなというふうに思っているところでございます。
 私たち、今日まで行ってきたこと、先生御承知のように、インフラの整備、農業の支援、そして教育、保健、そういったところにも非常に力を注いでやってきましたけれども、治安につきましても、警察官の増員であるとか訓練であるとか、そういった分野でも貢献をさせていただいてきているところでございまして、引き続きまして、私たちのこのODAが無駄にならないよう、有効になるように努力をさせていただきたいと思います。私たちの種まきが必ずこれから実ってくるというふうに確信をいたしているところであります。


○大野元裕君 副大臣のおっしゃるとおり、種まきが実ることを私も希望しておりますが、現実のところで実は、各国の国際協力についても相当なアフガニスタンについては批判があるということは御存じだろうと思います。
 例えば、CSISという非常に有名なアメリカの研究所がございますが、そこでは、いかにして要するにアメリカの支援がアフガニスタンを腐敗させたか、こういう報告書が例えば出ています。
 例えばでございますが、そこにおきましては、アフガニスタンにおける腐敗というのはもはや許容できるレベルではない、その腐敗はターリバーンと同じぐらいの脅威なんだということを結論付けていて、その中でも特に軍、さらには日本が支援している警察、そこに対する腐敗がとてもひどいということで、アフガニスタンのごく一部のエリート階級あるいはパワーブローカーと呼ばれる人たちは国外からの軍事・人道支援のおかげで大いにもうかってしまっていて、役人及び警察においてはまさに腐敗のシステムの中の真っただ中にいるんだということを言っています。つまり、我々あるいは国際社会が拠出しているいわゆる援助、それと国内における腐敗の構造が一体化してしまっているということを指摘をしているわけであります。
 かかるアフガニスタンに対する我が国の支援、これ重点分野でございますので、当然、ODAを行う以上こういったことがないように、そして副大臣がおっしゃられたように実りになるように検証をする必要があろうと思っていますが、我が国は、このような紛争地、特にアフガニスタンにおける支援の検証という手段をどのようにして講じているか、お答えください。


○政府参考人(越川和彦君) ただいま大野先生から御指摘のありましたアフガニスタンにつきましては、今副大臣の方からも指摘がありました厳しい治安状況がございます。そういう治安上の制約はございますが、日本政府としましても、アフガニスタン政府、それから関連の国際機関と緊密に連絡協議をいたしまして、大使館による現地調査あるいは国際機関の報告書の確認等可能な検証手段を通じて、各事業が迅速かつ適正に実施されるよう努めてまいっているところでございます。


○大野元裕君 大使館による現地の調査あるいは国際機関の報告書等というお話がありましたが、実際、アフガニスタン政府が把握、コントロールできていない地域も多く、恐らく現地の大使館では入れないところも多いんだと思います。
 また、国際機関の報告とありましたが、アメリカの議会の監査がやっていますGAO、あるいはアメリカの援助の支援機関でありますUSAIDの査察総括官による、二〇〇八年それから二〇一〇年のアフガニスタンにおけるUNDP、国連開発計画及びユノプス、UNOPSですね、の活動に関する監査によると、それぞれの機関にアメリカは二億二千万ドル、三億三千万ドルを当年拠出していましたけれども、四年間彼らは監査を行った結果、例えば、資料にもお付けしましたけれども、報道でも出ているとおり、UNDPでは不適切な拠出があったと疑われている、あるいはUNOPSにおいては、例えば一千万ドル規模のお金が、本来アフガニスタンの小規模インフラストラクチャーに使われるはずが、なぜかハイチやドバイで事務所が造られていた、こんなひどいケースが散見をされています。
 これ、両方とも国連の機関です。国連の機関の報告書を見ることによって我が国の血税が無駄なく使われているということを検証するという方法、これらが私は問われていると思いますが、この両方の報告書について外務省は承知されておられますでしょうか。


○政府参考人(越川和彦君) 委員御指摘のUSAIDの監査報告におきましては、米国がUNDP、国連開発計画及びUNOPS、国連プロジェクト・サービス機関の活動に対して行った拠出が不適切に使用されたと疑われる事例があったと指摘されております。また、GAO、検査院の監査報告におきましても、UNOPSにおいて内部監査強化に向けた取組が行われているが、更なる改善の余地がある旨指摘されていることは承知してございます。


○大野元裕君 そのような指摘があるとすれば、我が国として、先ほど越川局長の方からもお話がございましたが、独自に検証する、あるいは独自に検証ができないとすれば、例えばこういった機関に対して、あるいはそれぞれのプロジェクトに対して我が国として精査をしていく、そういう手段を本来持つべきだと思いますけれども、そういった措置は我が国の政府として講じられているんでしょうか。


○政府参考人(越川和彦君) 先ほども御説明申し上げましたように、大使館等が直接検証できるものについてはその措置をとろうということでやっておりますが、何分、先ほどから御指摘のあるとおり、厳しい治安状況がございます。そういうことで、あるもの、かなりの部分になりますが、国際機関からの報告書の受領、確認を通じて各事業の適正性の検証を行っております。
 あと、申し上げたように、かなり限定的でありますが、UNDPあるいはUNOPSを通ずる一部事業につきましては、大使館の現地調査なども行って、その検証に努めているところでございます。
 国際機関からの報告書の受領と確認を通じて各事業の適正性の検証に加えて、引き続き、厳しい治安状況はございますが、JICAあるいは大使館による検証等をどのように、適切なかつ十分な検証が行われるかについては検討をさせていただければと存じます。


○大野元裕君 おっしゃるとおり、必要であることはまさに私も認識を共通をしておりますけれども、今申し上げたところのこの実はアメリカの二つの報告書を見ると、その中にも書いてあるんですけれども、詳細な監査や報告をその当該の国連機関から受けようとすると、インタビューを拒まれたとか、あるいはそういった資料、適切な資料を提出することを拒まれた、そういった事例が幾つもあったと。したがって、結果としてそれを精査できなかった、あるいは、その後改善をすると言いながらも、その改善のシステム自体に対して大きな問題があるということをやはりGAOは指摘をしています。
 こういった機関とそもそも付き合うこと自体、これ自体を問題としているわけではないんですが、しかし、これらの疑いを持たれるような機関である以上、我が国としてはより突っ込んだシステムをやはり持つべきだと思います。もう一度その点についてお答えいただきたいと思います。


○政府参考人(越川和彦君) 先生御指摘の点はごもっともだと我々も認識してございます。
 今、例えばUNOPSとやっております事業につきましては、JICAも絡んだ事業が多うございます。カブール中心の土木事業関係がございます。こういうものにつきましては、事後の評価、JICAあるいは大使館が直接できるのではないかというふうに考えております。JICA、大使館の直接の検証、あるいは場合によっては第三者による検証の可能性なども含めて、より適切な検証の在り方について外務省としても検討を続けていきたいと存じます。


○大野元裕君 今、先ほどお話をお伺いしたところ、これらの監査報告、アメリカから出てきた監査報告については外務省としては承知しているというお答えでありました。この報告が出てきたのは実は二〇一〇年であります。
 そして、最後の資料のところを見ていただくとお分かりになると思うんですけれども、実は今、UNOPSが日本とやっている事業はJICAと政府だとおっしゃいましたが、今、実はやっている事業、二〇一二年の新規ベースだと六六%が日本からのものであります。そして、二〇一一年には九一%が日本から。ところが、これ報告が出る前、国際的に問題視されていなかったときは、日本は二〇〇九年は〇%、二〇一〇年は僅かに七%だったんです。つまり、ほかの国が問題視をしてUNOPSと付き合わなくなったかどうかは、そこは私には分かりません、ただ、問題となって以降、日本は突出したUNOPSの委託元になっているという、そういう事実が数字からは明らかになります。
 これだけ問題を指摘されている国連機関、国際機関でありますが、我が国独自で、しかもアフガニスタンに対する精査をする手段というものが限定的であるにもかかわらずこれらの機関に委託を強めていったということを、私は適切であるかどうかというのを改めて問いたいと思いますが、これは是非副大臣にもお答えいただきたいと思います。


○副大臣(山根隆治君) アフガニスタンに対する我が国のODAの支援ということについては、直接やっているところは二割、国際機関を通じてというところが八割あるということでございまして、我が国から直接何らかの形で比率を高めるというようなあるいは御趣旨の御質疑かというふうにも思いますけれども、国際機関のみならず、我が国としてもなかなかそれが最終的にどういうふうにチェックできるのかということについて、いろんな問題もございますけれども、国際機関に八割も委託をしているということについては、今後厳しくチェックの方法等について検討していきたいというふうに思っております。


○大野元裕君 副大臣、そうではなくて、二〇一〇年に問題になった機関であります。二〇一〇年に国際的に問題になった機関であるにもかかわらず、それ以降の二年間で日本が突出してしまったことが適当かどうかということについて問わせていただいているんですが、是非もう一度お答えいただきたいと思います。


○副大臣(山根隆治君) 結果責任ということを考えてみますと、問題があったというふうに認識をいたしております。


○大野元裕君 私も、紛争地については実際にいたこともございますし、決してその知識がないわけではありません。確かに、日本独自でできないこともたくさんあろうと思いますし、国際機関に頼らざるを得ないこともあろうかと思っています。また、アフガニスタンのような国と言ってしまっては失礼でございますが、全てが日本と同じような形で事務仕事が進むわけではない、これもよく承知をしているところであります。
 しかしながら、そういった制限がありながらも、我が国がやはり柱として据えていく、そして国民からお預かりをした血税を無駄なく使っていくということからすれば、私は、これからは様々な事業についても、アフガン政府から感謝されるとかいうそういうレベルだけではなくて、独自に精査をしていく。特に、これは二〇一一年以降、外務省はPDCAをやりますとか見える化をやりますとか、一生懸命掲げていらっしゃるわけですから、是非ともそういった取組をしていただきたいというふうに強く感じております。
 その辺りの、最後に、可能なフォローアップを不断に実施していくことについての決意というか意気込みをお聞かせいただきたいと思っています。


○副大臣(山根隆治君) 私も六月十四日、関係閣僚会議に臨んだ後に、カルザイ大統領、そしてラスール外務大臣とも直接いろいろな意見交換もさせていただいたところでございまして、今議員から御指摘ございませんでしたけれども、カブール銀行の問題というのも実はございまして、これについても率直に意見を述べさせていただきました。国際機関もこれは大きく関与して、いろんな意見等を政府に述べることによりまして、IMF等の機関もこれは非常に厳しい政府に対しての要望もして、有効にこうした国際的な支援が使えるようにと、こういう認識を高めてもらうという努力をして、国際社会も一定の最近では評価も与えると、こういうことがございます。
 しかしながら、今具体的に大野議員の方から御指摘があった事例というもの、たくさんあるわけでありますので、しっかりとその辺を検証させていただいて、今後に生かさせていただきたいと思います。


○大野元裕君 ありがとうございました。
 私も、実はイラクという国で、九〇年代に国連の安保理決議九八六の下にいた国連機関がどのようなオペレーションを行ってきたか、正直問題意識とともに見てきたつもりでございます。国連、国際機関を聖域化することなしに、国民の血税ということを是非頭に置いていただいて努力していただくことを最後にお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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2012-08-24 13:17:30

日韓関係について(韓国大統領発言への感想に引き続き)

テーマ:国際政治

韓国のイミョンボク大統領による竹島訪問(違法入境ですが、ここでは報道に従い単に訪問と書く)および天皇陛下に対する発言については、すでにこのブログで書かせていただいた。


国際政治を語るとき、隣国との間には、一般論として様々な問題が存在する一方で、協力の余地も相対的に大きい。このような認識に立ち、不幸な歴史があろうが、領土問題があろうが、責任のある政府は国益を最大化する必要があるはずだ。政治家や政党の利益ゆえにポピュリズムを煽ることで国益を阻害し、第三国がほくそ笑むような状況を招くのは避けなければならない。


それにもかかわらず、責任ある政治家、いわんや大統領という、国の元首であり外国に対し国家を代表する(韓国憲法第66条)人物が無責任且つ非常識な言動を行っていることに、憤りを禁じ得ない。


韓国の立場に立って、国際政治上の常識に鑑みても、一連の大統領による言動を理解することは困難だ。たとえば、領土紛争に関して実効支配している方が騒ぎ立てることに利益はなく、静かに実効支配を続けて先占を既成事実化することが通常の手法のはずだ。しかしながら大統領という職責にある人物が問題の存在を国際社会に印象づけ、あるいはポピュリズムに走るとのイメージを与える手段を選択した。オリンピックという注目度の高い場所における選手の短慮も手伝い、大統領の言動によって、韓国の従来の立場を超えて、両国には領土問題が存在することが明白に知らしめられた。さらに、天皇陛下に対する発言はすでに述べているとおり失礼千万であるが、他の国においても国家元首に対する根拠無き誹謗がなんの相手国の反応をももたらさない例はない。それにもかかわらず、日本の反応は「考えていたよりも過剰」と政府高官が言うこと自体、あきれる。さらには、大統領の訪問でクローズアップされた直後のかかる非礼な発言を、国際社会は韓国に好ましい思いで聞けたであろうか。そして今回の総理親書の受け取り拒否。韓国は、儀礼が重視される国際社会のルールの基礎的な部分を踏み外す国であるとの印象を与えてしまった。韓国にとって、これら一連の動きはいかなる利益があったというのだろうか。


日本の立場に戻ろう。隣国との間には問題もあるが利益も共有できる基盤があるとの一般論に立ち戻れば、我が国の責任ある政府が採るべき手法は、韓国との関係をウイン・ウインに導くことである。しかしながら、現在のような手法を採る韓国と容易に共存できると考える方が難しい。そうであれば、我が国やこの地域にとって可能な限り望ましい方向に韓国政権、もしくは次の政権を導くための戦略を講じていくことが重要ではないだろうか。


たとえば現在採り上げられている問題について言えば、返信された親書はしっかりと受領し、その上で我が国の立場を国際社会に対し主張するべきである。たとえば、「正式な外交ルートにより聞いたわけではないが、報道では不法占拠という言葉を撤回すると求められた由であるが」と、韓国の非礼と対比されるような方法で我が方の主張を行うことは、少なくとも我が国は、外交上のルールに基づいた行動ができる国であるとの印象を与えるはずだ。いずれにせよ、子供のけんかレベルの行動に我が国がつきあう必要など無い。また、日韓通貨スワップ協定の見直しは、少なくとも外に見える形で検討を行うべきである。現在の韓国は感情に走っているが、そこで最も効果のある言語は「アメとムチ」つまり「ポジティヴ・サンクションとネガティヴ・サンクション」の差異である。韓国が考慮せざるを得ない問題を提起し、次の政権に対してはしっかりとした共存に向けたメッセージを送り、再び効果的な枠組みを相手に借りを作らせる手法で作り上げればよい。更に国際司法裁判所(ICJ)については、共同付託は難しいであろうが、今ひとつのICJの権能である法的見解を求める準備を進めることで、韓国に圧力を行使する方法も一案であろう。


ただし、外交は「毅然たる態度」や感情的な満足が目的化してはならない。特に隣国の場合には、毅然たる態度が国益にもたらすであろう損得、政治的なタイミングを計りながら、責任ある立場が求められることは言うまでもない。

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2012-08-15 17:04:44

終戦記念日に思う:戦没者追悼式と韓国大統領発言

テーマ:ブログ

今日15日、終戦記念日に開催された全国戦没者追悼式に参列してきた。今日の日に、改めて67年前に思いを馳せ、韓国大統領の発言を思い起こした。


式典には天皇皇后両陛下もご臨席された。黙祷が始まる前に供養の柱の前にお立ちになり、じっと見つめる両陛下は、どのようなことをお考えになっておられるのであろうと思った。黙祷の後、止むことのない報道陣のフラッシュの音が騒々しかったが、一言一句聞き逃すまいと耳を傾けた。天皇陛下は、この日を戦没者の追悼と平和への誓いの日と位置づけられた上で、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国のいっそうの発展を祈りますと述べられた。


終戦からすでに67年が過ぎ、風化しても仕方の無いかもしれない長い年月を経てもなお、我々は今日の日本の繁栄を見ることなくも礎となられた方々を悼み、平和を誓うことで、共有された国民の記憶を将来に伝えなければならないと考えてきたはずである。憎しみと戦いではなく、いかにして我が国、そして国際の平和を実現するかは、日本人に課せられた使命であろう。


このような中で、李明博韓国大統領が竹島を訪問し、天皇陛下の訪韓について挑発的で無礼な発言を行った。第二次大戦の際に両国間で不幸な事態が発生し、それに対する我が国の責任は否定できるものではない。しかしながら、この不幸な歴史を超えて両国政府が互いに国家を承認し、隣国として戦略的な関係を構築してきた事実もある中で、責任ある立場の人物による不遜な発言が両国にもたらすものが大きいとは決して思えない。


森本防衛大臣はこの発言を「韓国の内政上の要請」と見たようだが、年末に退陣する李明博大統領は、「内政上の要請」どころか「一身上の要請」から、日韓両国の高次の利益を無視し、韓国民のナショナリズムを煽り、パフォーマンスに走ったとの見方がある。このような見方の背景には、韓国の歴代大統領が退任後には厳しい運命を突きつけられた歴史があるようだ。たとえば、李承晩は不正選挙を指摘されて亡命、尹譜善は軍法会議で懲役3年、朴正煕は暗殺され、全斗煥および盧泰愚は死刑判決、盧武鉉は在任中の汚職容疑で捜査を受けて自殺という具合である。李明博大統領はすでに実兄が収賄および政治資金規正法違反で逮捕され、大統領自身にも捜査の手が及ぶのではないかとの噂が拡がっている。このような中で、国民の支持をなりふり構わず得ようとしたのではないか、というのである。


このような見方が事実か否かは、不明である。しかしながら現前とした事実は、現職の大統領によるこのような発言やパフォーマンスが日韓関係を歪め、次の大統領の政策にも少なからず影響を与えかねないということである。


我が国は終戦に際して、憎しみの過去から脱却し平和への誓いを新たにした。互いに憎しみ合っても、日韓が隣国同志であり、共有できる利益も相反する利害も大きいという現実は変わらない。日韓ともに政治家が、票や保身のためにパフォーマンスに徹するのではなく、高次の利益を見据える責任ある政策を実施していく必要がある。平和への誓いは、犠牲となられた方々に対する責任でもある。この日を改めて、平和への一歩を築く日とし、相互に隣国が認め合えるきっかけとすることを提案したい。

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2012-08-02 01:33:30

イフタールの晩:シリアのPKOを考える

テーマ:国際政治

昨日、イスラーム諸国外交団を集めてのイフタール(断食月における昼の断食明けの食事会)が野田総理主宰で総理官邸において実施されました。多様な宗教の共存と異文化の尊重を総理主宰で実施いただけるのは、外交的な見地からもありがたいことです。


あいさつの後、小生のいたテーブルに総理がお越しになりました。各国の大使たちが「私はモーリタニアから来ました」、「私はジプチから来ました」等と握手をし、小生の前に来られたので、「私は日本から来ました」と冗談を言うと、総理は「承知していますよ」と少しびっくりした様子で真顔で答えてから、冗談と気付いた様子でした。


イフタールの機会に、やはり考えざるを得ないのはシリア情勢です。ゴラン高原の国連兵力引き離し部隊(UNDOF)に派遣されている日本のPKO部隊の期限更新に関し、昨日の午後には、民主党内の内閣・外交・防衛部門合同会議が開催され、小生が内閣部門からの代表として出席してきました。


ゴラン高原のUNDOFは我が国として最も長い期間派遣しているPKOで、現在では唯一二国間の兵力引き離しという伝統的な形態で派遣しているものです。世界一安全なPKOとも言われ、日本の自衛隊員にとってPKO業務を習熟する上で貴重であるばかりか、長期間の貢献は高く評価されてきました。


この貴重なPKOではあるが、シリア情勢が混迷を深める中、期限の更新にあたりその先行きが不安視されている。しかしながら、その判断は冷静であるべきだと考えます。他国の部隊が撤退等の検討を行っているとは伝えられない中で、我が国部隊がやせ我慢をすることは不適切であるが、その一方で過度に反応することも避けるべきであると考えています。


現状ではシリア情勢にもかかわらず、ゴラン高原の部隊に対する安全保障上のリスクが高まっているとは考えていません。第一に、1974年の部隊派遣以来、ゴラン高原の停戦を犯してシリア側から一発の発砲も行われておらず、シリア内政が不安定化したからと言って、シリア政府の政策が変更されることは考えにくい。第二に、ゴラン高原の住民はドゥルーズ教徒およびスンニー派アラブ人で、現状で不安定化しているわけでも、かりに政権が転覆されても報復活動がこの地域で行われるとは思われません。第三に、日本の部隊は、不安定になればイスラエル側に退避することになるが、人けの少なくいまだ地雷の敷設されていることが周知されているクネイトラ、ジウアニ基地、兵力引き離し地域、ファウアール基地という4つのハードルに守られているのです。第四に、ゴラン高原を北部から不安定化させるレバノンのヒズボッラーは、イラン情勢の混迷により兵器等の不足に悩んでおり、現状でシャバア農地等で交戦を始める気配が見られていません。第五に、ゴラン高原付近に関する情報は、UNDOFのみならずUNIFILによっても収拾されており、ダブル・チェックが可能です。第六に、シリアで武装難民が発生しても、彼らは恐怖の対象であるイスラエルの挑戦を承知でイスラエル軍が銃を向けているゴラン高原に向かう可能性は少なく、トルコやヨルダン、レバノン国境に向かうことになるでしょう。


懸念されるのは、現政権が打倒された後であろう。前述の通り、現政権はゴランの停戦を長年遵守してきました。しかしながら、現在の反体制派には求心力が欠如しています。それは、内戦のような形で明確な反体制派が現れた最近の二つのアラブのケース、つまりイラクとリビアの例と比較しても求心力が無く、政権転覆後のスムーズな移管が可能であるかには疑問もあります。また新たな政権は、たとえばエジプトで見られたように内政の不満を外に向ける可能性もあり、イスラエルとの関係次第ではゴラン高原が不安定になる可能性が否定できません。これらの懸念が直接ゴラン高原に直結する蓋然性には議論もあろうが、在シリアの日本大使館機能が失われて情報収集体制が弱い中、国際的なコネクションを使った情報収集体制に力を入れる必要があると考えています。

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