2012-04-12 23:10:00

首都直下地震の政府業務継続計画に関する質問

テーマ:政治

3月22日に内閣委員会において、首都機能喪失の際の業務継続計画につき質問に立たせていただいたことは、すでにご報告の通りです(http://ameblo.jp/oonomotohiro/entry-11200823465.html )。


本件に関しては、大きな反響をいただきましたが、上記のブログでは、質問の映像までしかご紹介できませんでした。


このたび、議会の方で議事録が公開されましたので、改めてご紹介させていただきます。


○大野元裕君 民主党・新緑風会、大野元裕でございます。
 あの痛ましい三月十一日の東日本大震災から一年を経ました。改めて、犠牲者の御霊に哀悼の意を、そして被害に遭われた方にお見舞いを表明させていただきたいと思います。
 さて、三月十一日、国立劇場において一周年に際しての追悼式典が開催されました。その際、天皇陛下は、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を目指して進んでいくことが大切と思いますとのお言葉を述べられました。また、野田総理は、三つの誓いの一つとして、今般の教訓を踏まえた全国的な災害対策の強化を早急に進めてまいりますと発言をされました。
 本日は、東日本大震災に対する反省を踏まえて、災害大国とも言われる我が国における防災危機管理体制について、真に実効性のある体制を構築するために前向きな質問を行わさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 まずは、陛下のお言葉そして総理の誓いを踏まえて、改めて、災害対策、危機管理に対する官房副長官の思いをお聞かせください。

○内閣官房副長官(長浜博行君) 先生が今お話をされましたように、追悼式における、この大震災の記憶を忘れることなく、子孫に伝え、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を目指して進んでいくことが大切、天皇陛下のお言葉を賜ったわけでございます。また、野田総理からは、今般の教訓を踏まえた全国的な災害対策の強化を早急に進めていく、こういう発言があったところでございます。委員の皆様の中におかれましても、心の中に響いていることだというふうにも思います。
 先生御承知のように、災害が大変発生しやすい我が国において、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務でございます。東日本大震災の対応等を徹底的に検証をし、それらの教訓を踏まえて切迫感を持って防災対策の充実を図ることが政府としての喫緊の課題であるということは論をまたないわけでございます。
 そのような認識の下に、防災対策全般の充実強化を図るため、中央防災会議、これは内閣総理大臣が会長でありますが、の専門調査会である防災対策推進検討会議、これは官房長官が座長になっております、において、関係する法制や体制、想定される大規模災害への対応の在り方などについて検討を進めているところでございます。本検討会議においては、三月七日に取りまとめられました中間報告を受けて、具体的な内容を詰められるものから順次実行するとともに、本年夏ごろに予定している最終報告に向けて更に検討を深めることとなっております。
 こうした報告等も踏まえ、国民の生命、身体、財産を確保し、安全、安心な国づくりを実現するため、危機管理のための制度及び体制の充実強化に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。

○大野元裕君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 まさに、陛下のお言葉は心の中に残るお言葉でありました。そういった意味からも、この教訓をしっかりと将来に生かすことが私は大事だと思っております。
今回は具体的に首都直下地震についてお伺いをしたいと思っております。
 今後三十年間に七〇%の確率、さらには見直しも進められると聞いております首都直下型地震ですが、この地震は我が国の政治・経済機能が集中している首都において起きると言われています。その意味で、極めて重大な影響を様々な意味で与えると思っています。
 政府が定めた平成十七年の首都直下地震対策大綱に定められている首都中枢機関というのはどこでありましょうか。

○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。
 先ほどお話ございましたように、平成十七年に中央防災会議で首都直下地震対策要綱を定めておりまして、その中で、首都中枢機関とは、政治、行政、経済の枢要部分を担う機関とされております。
 具体的に申し上げますと、政治、行政に係る首都中枢機関として、国会、中央省庁、都庁、駐日外国公館等とされておりまして、この等というのは駐日外国公館に準ずる機関というふうに理解をしておりますけれども、そういうふうに定められております。
 また、経済機能に係る首都中枢機関としまして、中央銀行である日本銀行本店、それから主要な金融機関及び全国銀行協会などの決済システム、それからそれぞれのオフィス・電算センターというふうにこの大綱では定められております。
 また、ちなみに、同じく大綱で首都中枢機能というのも別途定義がされておりまして、これは三つの点から成ります。一つは先ほど申し上げました首都中枢機関。それから、それを支えるライフライン・インフラ。それから、そういったライフライン等を通じて供給される人、物、金、情報で構成されるというふうに首都中枢機能についてもされております。

○大野元裕君 さて、今御説明をいただいた首都中枢機関は、それぞれ事業継続計画、いわゆるBCPを定めることがこの大綱で定められています。全ての機関が既に策定をしていると理解をしてよろしいんでしょうか。

○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。
 政治・行政機能に係る首都中枢機関である中央省庁及び国会の業務継続計画につきまして、昨年十二月に調査をいたしました。この結果について申し上げますと、策定状況について申し上げますと、調査対象にしましたのは、これは最高裁判所も含めておりますけれども、二十九機関中二十六機関で策定済みということでございます。このうち、中央省庁については全ての機関において策定済みということでございますが、二月にできました復興庁については現在策定中ということでございます。
 それから、経済機能に係る首都中枢機関の業務継続計画につきましては、日本銀行を始め全ての機関において策定されていると。これは特に調査しておりませんけれども、そういうふうに把握をしております。

○大野元裕君 ただいま、二十九機関中二十六機関ということでございました。
 先ほどの首都直下の地震応急対策活動要領では、首都中枢機能を有する機関が首都中枢機能というと定義をされていますが、そこには国会も含まれています。特に、閣僚が仮に全員例えばお亡くなりになったときには、国会で改めて総理をすぐに選出しなければいけないという、そういった機能があるわけですが、衆議院並びに参議院はBCPを有しているのでしょうか。

○衆議院参事(清野宗広君) 昨年の東日本大震災を受けまして、衆議院事務局におきましても、業務継続計画、いわゆるBCP策定の必要性を強く認識したところでございまして、私の下に業務継続計画の作成推進会議というのを設けまして、現在鋭意その作業を進めているところでございます。
 具体的には、想定災害を基に、衆議院の復旧目標等を定めた計画の本体、そして通常業務のうち、災害時であっても継続すべきである業務を事務局の課単位で仕分した継続優先通常業務仕分表、また、災害時に参集すべき要員を課単位で定めた非常時参集要員計画表、及び課単位の非常時優先業務における行動マニュアルから構成されておりますが、ほぼ完成に近い状態になってきておりますので、できるだけ早期に議院運営委員会の方に報告した上で決定したいと考えております。
 なお、発生時の応急対策業務などの初動体制につきましては、平成十三年に地震防災マニュアルで整備したところでございます。
 以上です。

○参事(美濃部寿彦君) お答えいたします。
 参議院事務局におきましては、参議院災害対策マニュアルに基づきまして震災時の初動対策を定めておりましたが、首都直下型地震を想定したBCPは策定しておりませんでした。しかしながら、大規模地震発生時においても本院機能維持は必要不可欠という認識から、昨年、新型インフルエンザ対応BCPを策定した際の知見も十分に生かしながら、首都直下型地震対応BCPの策定に着手することとしております。

○大野元裕君 配付させていただきました資料の一枚目を御覧をいただきたいと思いますが、平成十七年の時点で大綱が出て、十九年の時点で中央防災会議でガイドラインを定めて、業務継続計画の策定状況を全ての中央省庁において策定をしたことになっております。
 首都直下型地震というのは、人の命を当然お預かりしている政府、そして国会にとっても極めて重要なことであって、これがずっと放置をされてきたというのは私はゆゆしき問題だと思っておりますし、平成七年のあの阪神・淡路大震災に際しても、当時、まさに官邸は二時間半近く動かず、そして総理が来られて、そして人がいなかったために帰ってしまった。自衛隊の投入すら遅れた。あれだけの犠牲を強いたことから考えれば、私は、国会がこういった形でBCPを有していないということは極めて遺憾であると言わざるを得ないですし、また改めて、すぐにでも起こると言われている首都直下型地震が起きたときに、何せ初めての経験なものでとおっしゃられた村山総理の言葉を決して繰り返していただきたくないというふうに強く思っております。
 このBCPの中身について若干立ち入りたいんですが、中央防災会議においては、BCPを策定をして、その後、業務継続計画の運用について点検をして是正をするというふうに報告をされています。全体について、この各省全体の状況を把握しているのはどこでしょうか。

○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。
 今、御指摘がありましたように、このガイドラインにおきましては、業務継続計画については、訓練や計画のテスト、実行等を通じてその問題点を洗い出し、課題の検討を行い、是正すべきところを改善し、計画を更新するという継続的改善により業務継続力を向上させていくことが必要だという意味で、各省庁に継続的な改善を促しております。
 そういう状況の中で、これも同じ調査でございますが、昨年十二月にその後の状況を内閣府の方で調査をいたしましたけれども、その調査の結果で申し上げますと、先ほど申し上げました策定済みの二十六機関のうち十一機関について策定後に改定がなされているということでございますが、その一方で、十五機関においてはこれまで一度も改定がされていないというところも明らかになったということでございます。ただ、今回の東日本大震災を踏まえて、改定していない機関についてもほとんどのところが改定を予定している、あるいは検討中であるというふうな状況になっております。

○大野元裕君 ありがとうございます。
 この委員会において官房長官は、「大震災の教訓を踏まえつつ、大規模自然災害、テロ、重大事故等の緊急事態における危機管理に万全を期す」との所信を表明されました。是非とも、こういった改定を行わない機関においてはリーダーシップを発揮していただいて、調整、そして改善を促していただきたいと思っています。
 この件は、国民の命にかかわる重要な問題です。二枚目の資料を見ていただきますと、配付した資料は、実は私の方で各省の特に危機管理に関係すると思われる省庁についてBCPの状況がどうなっているのかをヒアリングをして取りまとめたものです。実は、これで百も質問ができるという、そういう表ではございますけれども、二、三、確認の意味を込めて質問をさせていただきたいと思います。
 これ、今日は松原大臣にお越しいただいておりますので、せっかくですので松原大臣にお答えをいただきたいと思いますけれども、危機管理省庁のうち、例えば厚生労働省は発災後十二時間で七%、百人のうち七人が参集をすると定めています。ところがその一方で、警察庁は緊急災害要員のほぼ一〇〇%が参集をすることになっています。これだけの差があるのはどういうことでございましょうか、教えていただきたいと思います。

○国務大臣(松原仁君) 警察庁においては、首都直下地震が発生した際には警察庁内の内部部局の全ての警察官及び所要の一般職員について警察庁に参集することを求めております。このうち、緊急災害対策本部要員の一部については危機管理宿舎に居住させるなどして、必要な体制が確保できるように努めております。
 今後は、警察職員の被災状況等も踏まえた計画を策定すべきとの委員の御指摘を踏まえ、内閣府等関係機関と綿密に連携しながら、庁舎近傍に居住する職員の更なる増強を図るなど、必要な要員の確保と方策等について不断の検討をしてまいりたいと思っております。
 なお、警察が今パーセンテージ非常に高かったわけでありますが、かつての阪神・淡路大震災における兵庫県警察職員の参集状況を参考までに申し上げたいと思いますが、地震が発生した一月十七日午前五時四十六分から約七時間後の同日午後零時三十分に、全警察職員の九一%が、最寄りの警察施設でありますが、最寄りの警察施設に全警察職員の九一%が参集しているという実績があるということを含め、警察職員の危機管理に対する姿勢を更に高めていきたいと、このように思っております。

○大野元裕君 警察の方々の献身的な、そして非常に質の高い貢献については、東日本大震災でも確かに証明をされたと思っています。
 しかしながら、ここで問題にするべきは、私はそうではなくて、警察庁の緊急参集要員がほぼ一〇〇%集まられるということは、警察の方だけ被災しない、こういうふうに思われても仕方が私はないのではないかと思っています。やはりここは、しっかりとした基準みたいなものを設けて政府としてしっかりとした対応をするべきだと思いますけれども、このような現在の状況で果たしてよろしいんでしょうか。これは内閣府でしょうか、お願いいたします。防災担当大臣でしょうか、よろしくお願いします。

○国務大臣(中川正春君) 大変重要な、そして、それぞれしっかり今の状況というのを把握をしていただいた上の御指摘をいただいて、感謝を申し上げたいというふうに思います。
 一応、平成十九年の六月に、各省庁における業務継続計画の作成作業を支援することを目的に内閣府が中央省庁業務継続ガイドラインというのを定めているんですけれども、それによると、夜間や休日に発災して鉄道等が停止する場合に、徒歩又は自転車等による参集が、どの程度の時間内にどれだけの人数が可能であるかということについて確認をすること。それから、徒歩の場合に、勤務地から二十キロ以上離れた場所に住む職員は発災後一日間以上は参集が困難であるものとして扱うこと。それから、職員本人やその家族が負傷した場合には参集が期待できないことから、その減少分も考慮することと、こういうことでガイドラインは出しているんですけれども、各省庁においてこれを基にしてということと同時に、このガイドラインの見直しも含めて私ども考えていきたいと思うんですが、もう一度この参集予測を適切に行うということ、これが肝要だというふうに思います。
 そのことに、御指摘もいただきましたので、今回は各省庁のこれを担当していくレベルを上げまして、関係局長会議、局長レベルで集めまして、二十三日にこの関係局長会議を招集をしたいと、あしたですけれども、したいというふうに思っております。そのことを徹底しながら、もう一度このBCPについて、一つの基準と同時に、改めて切迫感と危機感を持って検証をするようにということで指示をいたしておりますので、その方向で頑張っていきたいと思います。

○大野元裕君 極めて迅速な対応、本当にありがとうございます。
 ただ、この問題は、実は警察官が被災していないだけではなくて、例えば、この一覧を見ていただくと、緊急参集要員以外の通常の職員については警察だけが実は参集の見通しが立てられていないといったこともあり、やはり真剣にここはとらえていただいて、全体の基準や調整について十分な措置を講じていただきたいと思っております。
 さて、首都直下型の地震の大綱においては、連絡体制の継続ということがうたわれています。この体制についても、内閣府においてもしっかりと把握をしていただいて、厳しい環境を想定してもなお最低限の対処が行われるようにするべきだと私は考えています。
 そこで、首都直下型地震の際の情報バックアップについてお伺いをしたいと思います。
 この表を見ていただくと、例えば国土交通省などでは本省の二号館と三号館で二重のバックアップを有しているということですが、これ実は本省が潰れてしまうと取ってこれないということになります。あるいは、建物が駄目な場合には国土地理院とか国土交通大学校に拠点を移すということになっていますけれども、そこに移っても本省のバックアップが駄目であれば業務ができないということになりかねません。
 厚生労働省において聞いたところでは、民間のバックアップ業者にこの情報のバックアップをお願いをしている。つまり、民間の業者が来ないと問題があったときにはこれが立ち上がらないというふうに聞いています。あの東日本大震災のときですら、遠く離れた関東圏で、例えば様々な物資が手に入らない、あるいは通常のビジネスができないといったことを我々は経験をしました。そういった意味で、情報のバックアップというもの、それも大事。また、外務省においては、バックアップ地との実質的な連携がほぼありません。
 大綱によれば、災害時に寸断しない通信連絡基盤を確保し、個別施設が被災した場合にも他の施設やネットワーク等による機能バックアップが可能となるよう充実を図ると書いてあります。内閣府としては、全体に横串を刺して、そして全ての省庁においてしっかりとした情報バックアップの体制をつくらせるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 御指摘のとおり、内閣府が昨年の十二月に実施をしました首都直下地震時の業務継続に必要な資源の確保状況、先ほどの調査ですが、によると、全ての中央省庁において何らかのデータのバックアップが行われてはいるが、しかし、バックアップデータについてその保管場所を首都直下地震により同時に被災する可能性の低い場所としていない機関も見受けられる、それからまた、全体のシステム運用が継続される状況にあるのかどうかということ、これについてもやっぱり検証が必要なんだろうということであります。その上に立って、先ほど申し上げた明日設置をする各省庁の関係局長級会議でも、この課題をもって議論をしていきたいというふうに思っております。
 内閣官房情報セキュリティセンターにおいて、情報システムに焦点を当てた中央省庁における情報システム運用継続計画ガイドライン、これを二十三年の三月に作成をして各府省庁に対策を促しているところでありますので、この辺をベースにして、あしたの会議で一つ一つチェックをしていくというふうにしていくということでございます。

○大野元裕君 ありがとうございます。是非あした、しっかりと大臣のリーダーシップをお願いいたします。
 先ほど取り上げさせていただきましたが、各省においては、本省が潰れたときの代替情報地において、情報バックアップに十全なアクセスが確保できていない、これは大臣も御認識のとおりだと私も思っております。そういった意味では、万が一の場合に、接続ができない、業務に支障が出る、こういったことが予測をされます。
 その一方で、それぞれの建物にもバックアップ地が定められておりますが、例えば総理官邸が機能しない場合には、内閣府の五号館、さらには防衛省、そして立川の防災センターと代替施設が移ることが定められていると承知をしています。こういった場合にも、実は、それぞれの省庁も多分官邸が動かない場合には代替地に行くんでしょうが、それぞれの省庁ばらばらに動くことになっていて、一部は小平に、一部はさいたま市に、一部は立川に、一部は霞ケ関に、こういう状況になるわけですけれども、官邸の代替施設、例えば防衛省とか立川の防災センター、そこと各省庁の代替施設との間の連絡手段というのは、防災無線以外に有効な方法があるのでしょうか。
 また、警察や防衛省とか、そういった各省が専用の連絡手段を持っている場合に、各省の専用の連絡手段と代替地との間の連絡というのは、果たして確保されているんでしょうか。教えてください。

○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。
 官邸の代替施設、それからそれぞれの省庁の代替施設、そういった代替施設間の情報連絡につきましては、現在の中央防災無線における固定型の通信設備については、そういったものを特に配備をしておりません。現状で対応するといたしますと、可搬型の衛星通信設備を六十基持っておりますので、それが、それぞれの省庁であるとか、あるいは全国十九か所、近々に二十か所ぐらいにする予定ですけれども、全国に分散的に配置をしておりますので、そういったもので現状では対応するということになろうかと思います。
 それからもう一つ、先生の御質問の、こういった中央防災無線と各省庁、警察であるとか消防であるとかそれぞれ専用通信網を持っておられると思いますけれども、そういった中央防災無線と各省それぞれの専用通信網というのは接続をしておりませんので、現状で申し上げますと、それぞれの各省の専用通信網で得た情報を中央防災無線を通じて各省間で情報を共有するという形になろうかと思いますけれども、こういった情報のバックアップの問題につきましては、先ほど大臣お答え申し上げましたけれども、関係省庁の局長クラスの会議においても、重要なテーマとしていろいろこれから議論をしていきたいというふうに思っております。

○大野元裕君 寂しい限りの私は体制だというふうに言わざるを得ないと思います。
 例えば、そういった形で言うと、一部の省庁については、自分たちの情報バックアップにアクセスをするために、商用のLAN、そういったものに頼らざるを得ない。若しくはNTTの電話、こういったものに頼らざるを得ないと私は理解していますけれども、立川の防災センター、これは官邸機能が移るわけですが、NTTというか、外線、何本おありになりますか。

○政府参考人(原田保夫君) 立川につきましては、まず中央防災無線がございますけれども、それに加えましてNTT回線がございまして、これは災害時八回線ということになっております。これにつきましては、今年中に四十五回線に増設をする予定でこれから対応していきたいというふうに思っております。

○大野元裕君 八本というのはちょっとショッキングな数字でございますが、正直寂しいと思っています。
 私は、民主党政権になってから開催をされた昨年の防災対策会議にせよ、そして先ほど中川大臣がおっしゃられたような一連の措置にせよ、私は前進をしていると思っています。前進をしていると思っているんですが、しかしながら、これまでのアリバイづくり、おざなりな取りあえずつくっただけのBCP、そして、今の八回線だけ用意しただけの立川防災センターにおける外線等、正直一つ一つ丁寧にチェックをしていくことが民主党政権が掲げられたまさに政治主導だと思いますし、東日本大震災を経て我々が担うべき責任であろうと強く感じています。
 そういった意味でも、この絵にかいたもちのようなそういった体制ではなくて、やはり我々はやるべきことをしっかりとやらなければ、次の世代、まさに万が一のことがあったときに何も言えないんだろうというふうに思っています。こんな体制というのは、例えば絵にかいたもちですが、その一方でも、例えば内閣府においては私はいいシステムがあると思っています。
 例えば、内閣府においては発災後、これ恐らく電話も通じない、それから多分インターネットも厳しいかもしれない。そういった中で一般の方々が最後頼るべきはメールになるんだろうと思いますけれども、内閣府の場合には省員に対する一斉メール送信システムというのがあると聞いています。例えば、各省の場合には、歩いて登庁をしようとしても、本当に霞が関に役所があるのか、それがどこか、例えばさいたま市に移ってしまっているのか、分からないまま取りあえず霞が関に向かう、こういう状況の中で、例の阪神・淡路のときにも二十分で行けるところが数時間掛かる、こういう状況の中でみんなが参集をすることでございます。
 内閣府、せっかくいいシステムを持っていらっしゃるんですから、こういった具体的な想定に基づくようなシステムあるいは想定、そういった指導と調整を行うべきではないでしょうか、いかがですか。

○国務大臣(中川正春君) これも非常に大事な御指摘をいただいております。
 非常参集や安否確認というのは携帯電話で各省庁であらかじめルールづくりをしてやっているということなんですが、一方で、自動配信それから応答、これを自動的にやるというようなシステムを整備しているのは、非常参集でいえば四省庁、それから安否確認でいえば九省庁で、必ずしも多くないということが現状であります。
 先ほどお話のあったように、内閣府防災担当の場合は、例えば一定規模以上の地震の際には、その連絡と応答に一斉メール配信システムというのを使っておるわけでありまして、こういうものを更にほかの省庁に含めてシステム化していく、対応していくということだと思います。
 御指摘いただいたとおり、これまでの足下の防災体制というのが、先ほどそれぞれ具体的に指摘をいただいたとおりでありますので、ここはもう一度私も真剣に取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、原子力でいうシビアアクシデントのような一つの発想といいますか考え方を持って、シミュレーションを繰り返しながら確実な体系につくり上げていくということ、これも非常に大事な観点だと思いますので、そのように指示をしていきたいというふうに思っております。

○大野元裕君 中川大臣は、個人的な話ではありますけれども、外交安保調査会で防衛の大綱を取りまとめていただいたときに私もお仕えをさせていただいて、その適切な調整力、そして指導力というものについて私も強く感じ入った一人でございます。
 そういった中で、内閣府設置法を見ると、第十二条には、特命担当大臣の任務として、関係行政機関の長に対して必要な資料の提出及び説明を求めることができる、二として、関係行政機関の長に対して必要な場合には勧告をすることができる、そして、三として、特命担当大臣はその報告に基づき、当該関係行政機関の長に対してとった措置について報告を求めることができる、そしてその四として、特命担当大臣は、必要があると認められるときには、内閣総理大臣に対し、当該事項について措置がとられるよう意見を具申することができるという、極めて大きな権限を私はお持ちだと思っています。
 そういった意味で、これからおやりになるお仕事もあると思いますが、この権限を是非使っていただいて、報告を求めていただき、そして是正を求めていただき、そして勧告をしていただく、そこまで是非突っ込んだ仕事を期待をさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○国務大臣(中川正春君) 是非、与えられたポストの中でその権限を活用しながら、横串を刺していくといいますか、総合的な体系につくり上げていきたいというふうに思います。
 まず、足下の問題については、明日、関係局長会議、これをそのまずきっかけにしていきまして、それぞれ有効に省庁の中でその機能が発揮できるような体制をつくるということから出発をしたいというふうに思います。

○大野元裕君 さて、民主党におきましては、内閣部門会議の下に首都機能バックアップのワーキングチームというのを立ち上げさせていただきました。いわゆる副首都的な、つまり首都が移る、そういったバックアップ地をつくるということを最終的には目標にしたいと考えてはいますけれども、先週の段階で中間報告を取りまとめさせていただきました。
 そこにおいては、三つの分類をつくり、一つ目には、発災後数日におけるバックアップを首都圏以外のところで取っておいて、各省庁が円滑な業務を数日のうちにできるようにする。そして二つ目には、仮に首都における機能が回復したとしても、首都において、つまり被災地においてしなくてもいい業務については遠隔地でそれを行う。そして三つ目に、副首都として次に首都そのものを移してしまう。こういった三つの分類をした上で、一番と二番、つまり、発災後数日の対処と、それから首都機能が回復してもなお首都が行わなくてもいい業務を遠隔地で行うということを取りまとめて、中川大臣にも提出をさせていただいたところでございます。
 このバックアップの構築というのは、切迫性、そして緊急性、そして重要性に鑑みれば、私は極めて重要な事項だと思っております。早急な対処をお願いをさせていただきたいと思いますが、副長官と大臣とそれぞれ是非決意を賜りたいと思います。

○内閣官房副長官(長浜博行君) 先生がこの方面の専門家として、特にこの党の今おっしゃられた首都中枢機能のバックアップワーキングチームで中心的に御提言を取りまとめられたということはよく承知をしているところでございます。
 首都直下型地震などの緊急事態が首都東京で発生するなど最悪の事態を想定し、その場合でも、政府や金融機関、情報通信などの先ほど来ずっとお話がある首都中枢機能が途絶することがなく確保されることは必要であると政府も十分認識をしているところでございます。政府の中枢機能の分散、それからおっしゃられましたバックアップ機能の設置については、いただいた御提言も踏まえて、コストや実現可能性など様々な観点から検討をさせていただくことにしたいと思います。
 なお、政府においては、第三次の補正予算において、首都機能のバックアップに係る基礎的な調査を実施しているところでもあり、また、本日でしょうか、この時間かどうか分かりませんが、国土交通省の検討会においても取りまとめられた案が検討されるとも聞いております。これらを加えて、民主党のワーキングチーム御指摘の内容も踏まえて、併せて検討してまいる所存でございます。

○国務大臣(中川正春君) 先ほどお話しのように、それぞれ検討会も走っておりまして、それと同時に、ありがとうございました、いい御提言をいただいたというふうに思っております。
 私の方でそれを総合的に、何といいますか、場合分けをするというか、先ほど御指摘があったように、時間的経緯の中でどういう機能をそれぞれどこに持っていくかということと、同時に、災害の規模によって、どのような想定をしたときにそのバックアップ機能というのがどういう形で確保しなければならないかというふうなこと、そんなことをちょっと縦軸と横軸で分析した上で、それぞれに対応できるような体系をふだんからつくっていくということ、これが大事だと思いますので、そうした取組をしていきたいというふうに思っております。

○大野元裕君 是非よろしくお願いします。
 今、副長官の方からコストの話がございましたが、あえて付言をさせていただければ、実はコストは我々も考えたつもりであります。要するに、大規模な予算を組まなくても、まずはバックアップ地において情報のバックアップとそれから立ち上げ、そういったものができるだけでも随分違うのではないか。これ本当に誰も恐らくいつ地震が起こるということは断言ができない。しかも、これが東日本大震災のようなものが多分首都で起こる。つまり、我々が被災者になって、それが機能しながら国全体を動かさなければいけない、こういうとてつもない事態に我々は直面する可能性があるということを考えた上で、コストの掛からないものをまずは第一次の中間報告にさせていただいたつもりでございますので、ちょっとコストの話は、是非、厳しい中ではございますけれども、御努力を賜りたいと思っています。
 さて、今るるお話をしてまいりましたが、平成十七年度以降、首都直下地震を想定しての様々な対策と呼ばれるものが講じられてきたことは議論をしてきたとおりでございます。しかしながら、その一方で、それがいかに中身を欠いていたか。実効性がないか。さらには、これ言い過ぎかもしれませんが、私は国民の命の軽視だと思っています。そういったことが明白になったんだというふうに思っています。やはり、悪い意味での官僚仕事、対策を講じた、紙を作った、そしてそれを提出した、いついつまでにやった、まあやっていなかった期間もありましたけれども、やった。こういったアリバイづくり、おざなりな仕事というものが最終的に国民の命と引換えにされるのであれば、我々は政治家になった意味がないと思います。
 その意味でも、是非、実践的な検証、そして対策というものをやっていただきたい。特に、民主党政権は政治主導を掲げられましたから、これは単にやったというアリバイづくりではなくて、一つ一つ丁寧な御検証を賜りたいと思っています。きめ細かな想定と、そして大胆に切り込んでいただくその両面を持っていただいて仕事をしていただきたい。
 閣僚の皆様が、中央防災会議という、今までのおざなりのものだったかもしれない、承認機関だったかもしれない、これを局長会議、先ほど大臣もおっしゃられました、一歩進めていただいて、政治家自身の手で是非これを進めていただいて、事態の深刻性そして切迫性、これを重く受け止めて責任を果たすことを期待をいたしまして、私の質問といたしますが、最後に官房副長官から改めての決意の御表明をいただいて、私の質問とさせていただきます。

○内閣官房副長官(長浜博行君) ある意味においては、大変厳しい御指摘を受けたというふうにも思っております。
 今般の先生の御質問のみならず、今政治主導という御発言もございました。中川大臣を中心としながら、危機管理、災害対策についてもなお一層努力を続けてまいりたいと思っております。
 なお、先生からも今後とも御指導のほど、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

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2012-04-09 23:57:27

イラン訪問のとりあえずの報告

テーマ:国際政治

1泊4日の強行日程でしたが、イランに行ってきました。

すでに出発前にブログでご紹介した通り、高いレベルのイランの責任者に対して直接、国際社会の声を伝え、平和的な問題解決の環境を整えるための一助としたいとの思いからの訪問でした。イランの滞在は2日間だけでしたが、アフマディネジャド大統領、ジャリーリ国家安全保障最高評議会書記(核問題の交渉責任者)、サーレヒー外相、ラリジャニ国会議長(ジャリーリ氏の前任)等と会談を行いました。

イランは言わずと知れた中東世界の中でも名うてのハード・ネゴシエーターで、彼らの持ち上げたり、抱きついたりの交渉手法はさすがと感心しましたが、こちら側としては、苦しい時こそ厳しい声もまっすぐに伝えなければいけないとの立場で事態の打開に向けた具体的な一歩を求めると共に、彼らの言い分にも耳を傾けたつもりです。イランで万が一の危機が発生すれば、その影響は日本の石油事情に対するもののみで済むはずもなく、福島以降厳しくなっている我が国のエネルギー全般、アジア経済、中東地域の混乱の拡大、世界経済等に大きな影響が出るのは必至と考えています。国際社会が「対話と圧力」のアプローチをとる中で、イラン側にしっかりと事態の深刻さを認識させると共に、イラン側の意思さえあれば問題の解決を図れるとの印象を与えることが重要です。しかし、この機微な状況の下で政府の外交はリスクを先に考える必要があります。だからこそ、議員外交としてプラスになる部分は国益に活用していただければとの思いでの訪問で、我が国の国益にプラスとなるようにうまく使ってくれとの思いの訪問でした。

イラン側は「わらをもつかみたい」一心か、様々な言質を採ろうという発言もありましたが、具体的な進展への期待もにじみ出ていました。具体的な会談内容は明らかにできませんが、こちらからは、13日に開催予定のP5+1協議やIAEAとの協力について、イランが具体的な一歩を示すよう繰り返し求めてきました。自分は外交官として数百人の政治家の会談に同席した経験がありますが、その中でも極めて中身の濃い会談となったと感じています。

さて、このように中身の濃い訪問ではありましたが、我が国の報道では、本筋を棚上げにした報道が多いようです。あまりコメントする気にもならないのですが、誤解を放置しておくのも好ましくないと考えるところ、取り上げられている「IAEAは不公平」発言なるものに対し若干説明させていただきます。

イラン国営通信の報道によれば、鳩山さんが「国際原子力機関(IAEA)がイランを含む特定の国に二重基準的な対応を採っていることは不公平だ」と語ったことになっていますが、このような事実はなく、ねつ造もしくは曲解です。小生の手元のメモで関連するかもしれないと感じる鳩山さんの発言部分をそのまま掲載すると、以下の通りです。なお、相手方に通訳の言葉が正確に伝わっているかどうかを確認するために、ペルシャ語の分かる大使館員に同席してもらい、誤って伝わる発言が無かったことも確認済みです。

「核保有国を対象としないで非保有国の平和利用に対し査察を行うというのは公平ではないと承知しているが、日本は国際社会の懸念を払う努力を、原子力平和利用は国民の活動に有益との信念から進めてきた。」

「核不拡散条約(NPT)に入らないで核保有国になっている国とって有利になっていることは承知しているが、そうした流れをこれ以上拡大させないためにも、また非核の世界を作るためにも国際社会との協力が必要である。」

イラン国営通信社の発言と鳩山発言はあまり変わらないじゃないか、との印象をお持ちの方もあろうかと思いますが、その意味はまったく異なります。鳩山発言は、NPTに署名しないでいる国は原爆を保有しても制裁等の措置の対象にならず、査察を受ける必要もないが、NPTに署名する場合には査察を受け入れ、厳しい制約を課せられるのは不公平であると言っています。つまり、周知の事実となっているこの体制の問題を指摘しているのですが、彼の発言の本意と力点は後半部分、つまり、現在求められている重要なことは、このNPT体制の問題への不満の表明などではなく、国際社会との協力だと強調しているのです。これに対してイラン国営通信社による「発言」では、NPT加盟国を対象とするIAEAが不公平な二重基準を適用しているとしているのであって、かりにそのようなことがあれば大問題で、イランにIAEAへの協力を求める大前提が崩れてしまいます。

イラン側との協議は、専門的な部分も多く、NPT体制の問題とIAEAの公平性の問題を混同する余地などありえません。だからこそ、この記事はねつ造、あるいは曲解と考える以外はないのです。我が国のマスコミも、イラン国営通信並みの曲解のレベルから早く脱してほしいですね。

ところで、イラクやリビア、北朝鮮などの国々のみならず、第三世界の国々の報道機関(国営が多い)はしばしば、要人の訪問や発言を自国に都合の良いように曲解して世界に発信し不興を買いますが、今回もそのような繰り返されたパターンの一つです。このようなリスクがあるからこそ、議員外交で中身に集中することが必要と考えるのです。たとえば、政府の正式な外交ルートの場合、第三世界の報道機関への批判が批判合戦を呼べば、より高次の利益は吹っ飛んでしまいます。今回の議員外交では、これらのリスクは承知の上で、イランにしっかりと国際社会の声を届けることが重要と考えて行ってきたつもりです。もちろん、あまりにひどいものにはしっかりと抗議することも必要で、すでに鳩山さんは遺憾の意を表明したようです。

イラン問題が極めて大きな影響を与えかねないことは、前述のとおりです。それどころか、すでにエネルギー価格の高騰、イラン国内において日系企業の工場の相次ぐ閉鎖等、すでにイラン問題は今そこにある危機です。それ以上に、イランの問題が最悪に陥る前に対処しなければならないと感じており、少なくとも外交、中東情勢に取り組む政治家として、手をこまねくことが正しいとは思えません。鳩山さんが同じ思いを共有していることを知り、共にイラン訪問となったわけですが、今回の訪問が少しでも平和的な問題解決に資することを希望しています。

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2012-04-06 00:20:43

イランに行ってきます。

テーマ:国際政治

本6日から鳩山代議士のイラン訪問に同行することになった。昨日一日は、参議院の議院運営委員会において、政府と調整のできていない訪問などけしからんとして、野党が訪問許可を保留し、正直困っていたが、何とか渡航することになった。一議員として、交渉に臨むことになる。


議員外交には大きな意義があるが、ルールもあると思う。それはパフォーマンスになってはならず、国益に見合ったものにならなければいけない。つまり、いい成果は政府の外交に活かしてもらい、そうでない部分は議員本人が責任を負う覚悟が必要という意味である。また、イランという世界でも名うての交渉上手を相手にするのであるから、しっかりとした議員外交にしなければならない。小生は制裁下のイラクと3年間、激しくやり合ってきた経験を有しており、少しでもその知見がいかせればと考えている。


イランの核開発疑惑をめぐり緊張が高まる中、かりに対イラン武力行使等の最悪の事態となれば、その影響は大きい。我が国にとっての石油の確保や油価のみならず、イランの石油輸出が対アジアが主であることを見れば、アジア経済、ひいては我が国経済への影響もきわめて大きい。中東においては、武力行使による直接の不安定や命の問題にとどまらず、2007年のレバノン危機以上に反イスラエル感情が強まり、隣国にまで影響は波及しよう。我が国にとって最大の課題は「撃たせてはいけない」ということにある。


我が国は歴史的にイランと良好な関係、少なくとも対話のチャンネルは維持してきたが、最近ではイランとの対話の窓口は途切れがちで、中東における我が国のプレゼンスも弱まりつつある。危機の醸成を食い止めるための環境整備が必要であるが、国際社会が一致してイランに厳しい態度で臨む中、現在の状況下で政府が取り得る選択肢は少ない。


小生は、1月にカタルを訪問してハマド首長に対し我が国への安定的なガス供給を働きかけ、現地を引き出すことに成功した。中東向け船舶の再保険についても働きかけを継続しているが、やはり危機の中心にいるイランとイスラエルに対する働きかけが重要である。


このような認識に立てば、今回のイランに対する議員外交には、以下のような意義があると考えている。

① 元総理が行かれると言うことは、イランとしても相応の高いレベルの要人と話をさせると言うことを意味する。孤立化するイランに国際社会の声を正確に届けることが最も重要であると考える。

② 議員外交で、これだけ大変になっているイラン情勢が一気に好転することはあり得ない。しかしながら、国際的な枠組みに協調することがイランの利益にかなうところ、具体的な一歩を踏み出すよう促すべきと考えている。

③ イランと日本の伝統的な友好関係を想起させ、しかるべく後の二国間関係増進の礎とする。

④ 元総理がイランを訪問するというインパクトはあるはずで、イラン国民に「イランは忘れられているわけではない。先鋭化する必要はない」とのメッセージとする。もちろん、それがイランに必要以上に迎合的になり誤ったメッセージとなってはならないことは当然である。

⑤ 「撃たせてはならない」立場にある我が国の利益に鑑み、イラン問題の解決に少しでも資する様な環境整備につなげる。そのためには、イスラエルに対する働きかけも引き続き行う必要があろう。


かつて小生がイラクの大使館の次席を務めていたとき、自民党の久間元防衛庁長官がイラクを訪問され、小生もすべてのアレンジを仕切らせていただいた。当時のイラクは、現在のイランとは比較にならないほど厳しい制裁下に置かれていたが、石油利権等をめぐって各国が争うようにイラクと接触し、生真面目な我が国は蚊帳の外に置かれていた。立場上、米国や国連に全面的に協力しなければならないことは当然ながら、もしもサッダーム政権が生き残る場合、我が国はいかなる立場に置かれるのか、政権とは関係ないながらも、イラク国民はいい時にはすり寄り、厳しい時には近寄りもしない日本をどう見ているのか、正直不安であった。そのような中で、元閣僚という政府内ではなく、且つ高い地位のある方がイラクに来てくれたことには、正直感謝した。結果から言えば、久間さんの訪問は捨石となったが、外交的なマニューバーの余地を作ってくれた。


このような思いで、鳩山さんの訪問を可能な形で支援したいと考えている。


今日から1泊4日、またも弾丸トラベラーしてまいります。

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