オールウェイズ・朝日町の夕日 -29ページ目

修学旅行

中学の修学旅行が5月の末にある。

行き先は、下関1泊と長崎1泊の、2泊3日の日程。

小遣いは2500円と決まっていたが、守る者は居なかった。

親戚等の餞別で10000円位は隠し持って行った。


当日、早朝6時に学校に集合し4台のバスに分乗し7時には出発!

1日目の目的地は、下関!

受験の年と言う事も有り、大宰府天満宮に向かい合格祈願のお参りをする。

夕方5時に下関のホテルに到着し、早速大浴場に向かう。

上がると間も無く夕食会場での晩飯が始まる。

クラスごとに合唱等の余興が有り、先生達の自己満足程度の催し・・・。

夕食時間が終わり10時の消灯までの注意事項が言い渡される。


同じくこの宿に泊まってる他校生とトラブルをおこすな!


土産物は明朝出発前に買え!


部屋割り通りに就寝すること!


の3点を言われる。

学年主任の先生の掛け声で解散するが、10数名の生徒が個別に呼ばれた。


旧館に宿泊してる連中は、四国でも飛び抜けて非行率が高い連中なので、絶対トラブルはするな!との事。

たしかに知らない地域の連中はどんなものなのかわからないので警戒した。

注意をされなかった連中がホテル内のゲームセンターに大勢居る。

他校の連中は2年生で修学旅行に来てるらしい。

思い思いの髪型をし、制服もヤンキー丸出し・・・。

とは、言っても特に問題が無い学校の連中で、しかも一学年年下。

中でも横着そうな奴を挑発する。

次第に、10人対10人の乱闘未遂に発展した!

特に殴り合い等は無かったが、一応はホテルの従業員が中に入り納まった。

興味本位で注意されてた荒れた学校の連中を見学に行ってみる事になった。

別館に行ってみると、想像と違って真面目な集団。

誰かが、


「こいつらは真面目な連中だが、ヤバイ連中は、食事も行動も別に隔離されてるらしい」


と、言う。

だから、真面目な連中ばかりしか居ないと思ってた。

期待を裏切り、各自部屋に戻って寝る準備をする。

消灯時間に律儀に部屋の電気を消し、ふとんに入った。

30分位経した時に事件が勃発した。

部屋のドアを開け入ってくる音が聞こえた。

全員、寝たふりをした時、


「あっ!間違ごうた!」


と、聞きなれない方言・・・

上の階と間違って入って来た他校の生徒だった。

すかさず布団から出て後を追って、向後から捕まえた!

三人がかりで抱きかかえ、我々の部屋に拉致した。

押入れに押し込み、余の布団で包んで、ボコボコに殴る蹴るを繰り返す。

結局、朝まで監禁し起床予定時刻の10分前に開放した。

朝食時間、先生から、


「昨夜から今朝にかけて四国の生徒とトラブルが無かった事で安心した!後、2日間もその調子でいて欲しい」


との事・・・

ん?四国って昨夜から拉致してた奴らじゃない?


実は、夕食時に言い渡された学校は逆で、ゲームセンターで未遂に終わった連中と、拉致した連中が所謂ヤバイ連中だったあせる

内心、ホッとしてたが、口では、


たいした事無いじゃん!


と、強気とも取れる勘違いをする我々仲間連中であった。


朝7時半下関のホテルを出て、長崎に向かう。

長崎では、定番のオランダ坂やグラバー邸や原爆資料館を周る。

長崎の宿、「ホテル長崎」

夜景はさすがに惚れ惚れした。

そこには、期待のケンカ相手も宿泊している。

都城の連中!

夕食が終わり、自由時間に目ぼしい奴を、館外のバスが停まってる場所に呼び出す。

5対5の乱闘が始まったが、すぐに終わった。

勝利で調子にのった友人が、可愛い女の部屋番を聞いて、深夜に忍び込む。

ケンカの後に仲良くなった連中は、タバコを吸いに同行する位仲良くなった。


私は、部屋に戻り、同室の友人が持参した怪談話の本の朗読会を始める。

その本には、長崎の怪奇現象が記載されてた・・・。

伏字ではあるが、誰が聞いても我々が今居るホテルの事とわかる記事が載ってる・・・・

内容の通り部屋の窓から真下を見ると、一面墓地・・・・。

そこにまつわる事が生々しく書いてある・・・。

結局、同じ部屋の連中は朝方まで寝られず、寝不足で最終日を迎える事となる・・・。

昨夜トラブった生徒達は、一足早く出発してた。


同室の連中は、地元に着くまでバスでは爆睡する。

だから3日目の思い出は全く無い・・・。

朝日町から見る踏切

夕方には西に沈む夕日が商店街を照らす。


ようやく、ディ-ゼル列車が走り始めた昭和40年代半ばの事、たまに蒸気機関車が回送の為か通過するのを見た記憶がある。

大口駅は木材置き場も隣接しており、何両もの貨物列車が太い木々を運んでいた。


当時、朝日町の踏み切りは、踏み切りの脇に小屋があり係り員が小屋内の大きなハンドルを手動で回して遮断機の開け閉めを行ってた。

ワイヤーに黄色と黒の模様の入った遮断機が水平に下りてくる物であった。


数年後には、今の形と同じ棒状の遮断機が左右から下りてくる物に変わった。

当初は、行き交う車が慣れなくて、ぶつかったり、折ったりしてたのも懐かしい・・・。


沈む前の夕日に染まる朝日町商店街の商店の前でアイスを食べながら、線路変更の作業を眺めてた。

貨物車が切り離され、静かに走りすぎる。

いつもと同じ光景だが、町の人々は通りに出てきて、その作業を眺める。


作業が終わると、遮断機が一斉に開いて、商店街の店じまいのシャッターの音が響き渡る。

今日一日が終わる瞬間でもあった。

子供ながらに、


今日、何か遣り残した事は無かったか?


と、自問する。

今日に対する未練を背負って、寂しさに包まれながら家に入る。

既に家には灯りが点り、母親が作る夕げの匂いが立ち込めてるが、暫くは寂しさに抱かれる。


毎日の光景ではあるが、夕方になると踏み切りや列車の音だけではなく、世の中の物全てが優しく、寂しく思えて仕方が無い。

今も変わらない・・・。


切なくなる夕方の時間帯の思い・・・・。

惨めな先輩とハッピーな我々 高校哀歌

田舎のヤンキーこそ「何処が縄張り」だのとほざいてた。

私の行動範囲は日ごろは、大口市界隈と通学してた栗野界隈だった。

ムサ苦しいほど、癖のある者が多かったあせる


大口周辺では、同級生でも学校に通う者、中学卒業後働く者、無職の者で分かれる。

我々栗工グループと地元伊佐農林高とで分かれる。

学生以外では、無職の連中と仕事してる連中が徒党を組んでたが、特に我々とのトラブルは無かった。


栗野界隈は、中学生のたちの悪い連中が集まるグループが存在した。

結構、先輩後輩の仲が良いのか、年齢層が幅広かった。

休日や、地元のイベントなんかでは大勢で中学生と高校生とそれ以上の年齢のもので固まったてた。


高校2年の時、同じ高校の1年先輩が居た。

出身中学も一緒で、高校に入ってから目立つ存在になってた。

我々の同級生はあまりその先輩の事を好きな者は居なかった。


イチイチ小さな事で後輩達をなじったり、指摘したりとウザイ存在・・・。


ある日の夕方、下校時の列車に乗り込んだ時、その先輩が同級生に抱えられて乗車してきた!

良く見ると、顔面は晴れ上がり、真っ赤な顔してる。


誰かとケンカ?


と、思いつつも思わず、


「ザマァ見ろ!」


と、内心笑ってた。


翌日、その情報が入ってきた。

地元栗野の連中の仕業だと言うのが判明!

原因は、これまでやられた事の恨みが蓄積され、とうとう爆発し、駅のトイレで襲撃されたらしい。


更に、2週間後栗野の中学生達に呼び出しを受け、仲間7人で向かったらしい。

中学生は、40人ほどの団体で待ち受けてたらしく、結局7人全滅したと言う・・・。

その翌日に列車の中で7人の内の一人の先輩に聞いてみたが、何も無かったかの様にとぼける。


負けて全員ボコボコにされた事を知られたくないらしい・・・


夏休み、特にその先輩達のリベンジをする気は無かったが、潰してやろうと計画していた。

相手の大将をやれば言いと考えてた。


栗野町の夏祭りの日、突然チャンスはやってきた。

友人3名でたまたま遊びに行った。

他の友人は彼女と約束してて、三人が散らばった。

私も彼女を誘ったが、既に友達と約束してて結局一人で花火を眺めてた・・・ドンッ


周囲では男女がイチャイチャしながら歩いてく・・・

段々とイライラし始めて、思いついた!


栗野の大将Tを探してぶん殴ろう!


探そうとして歩く事ほんの5分、前方から後輩らしき連中を従え出くわした!

顔を見るなりスイッチが入った!


「おい!T !お前栗工を舐めてんの?調子のるな!3年の連中ボコったからと言って天下を取った気でおるな!俺らをまだやってないだろ?今ここで始めようや!」


と、言うと、


「ちょっと待て!俺はお前らとやる気は無い。最初からその気は無いから許してくれ!」


と、拍子抜けする事を言ってきた。

焦るT。小刻みに震えてる。


「そのお前の子分みたいな中学の連中は、やるきある?」


「ありません・・・」


うつむき、戦意は感じられない。


「そしたら、栗工の3年をやった連中全員9月1日朝、栗野駅に来て俺ら2年に挨拶しに来い!」


と、命令した。


9月1日 栗野駅前 午前8時

我々が乗った列車を待つ中学生達。

一列に並んで待ってる姿が、車窓から見えた!

車内では、3年連中が慌てている。騒がしくなる。

我々2年連中は、


「又、先輩達やられるんじゃない?」


と、噂が走る。

この事は誰も知らなかった。

友人のHを連れて真っ先に列車を降り、駅舎を出るなり、


「お疲れ様です!」


勢い良くあいさつする中学生達。

すぐに背後から、例の7人が固まって出てきた。


「おう!お前ら悪さしたり、栗工を舐めたら許さんぞ!」


と、その7人にも聞こえるくらいの大声で話す。


「はい!わかってます!」


すると7人の中の一人が、


「こいつらと何かあったの?」


「ん?中学生だよ。あいつらに舐められたり、あいつらと互角でケンカしたら世間の笑いもだよ~。弱いものイジメは恥ずかしいですよ。先輩べーっだ!


と、言うとこれまで偉そうにしてた先輩連中は目も合わさなくなった。

うつむいて歩いて行った。

それから、嫌味を言う事は無くなったと同時に3年の影は薄くなる・・・


以降、楽しい学校生活となった。