入院中に佐藤先生と出会いました。もっとも本を通じてで
すが。先生の呟きに頷くことがありましたので出前にも顔
を出して頂きます。「正直なところ現在の私は一年前いや
半年前三カ月前と比べてめっきり弱っている。私の家から
地下鉄まで約15分。タッタッタと歩いていたのが気がつ
くと半分も行かないうちに足がド~ンと重くなり足があが
らないものだから。やたらつまずいて、つまずいても立て
直しが利かず思いもよらぬ方向にヨロヨロとつんのめって
止まらない。後ろからきている自転車のおばちゃんから聞
こえよがしの舌打ちを浴びせられる情けなさ。昔の自転車
はチリンチリンと鳴らしたものだけどねえ.。それが今で
はまるで忍びの凶賊か、はたまた幽霊とかいう趣きでス~
と現れる。”危ないじゃないの”と言おうものなら”危な
いじゃないのっ!”と怒鳴られる。そんな愚痴を聞いても
らおうと一生懸命、説明するのだが若い人たちは同情する
どころか”自転車の性能がいいからね”などと反撃されて
しまう。なかには”この数年の文明の進歩の目ざましさは
感動的よね”。なにが文明の進歩だ、なにが感動的だ!”
こみあげる憤怒の、やり場がなく、私はしみじみとガタガ
タ自転車を懐かしむ。でこぼこ道、雨が降るとグシャグシ
ャにぬかるんだ昔の道を夢にみる。”90といえば卒寿と
いうんですか。まあ!(感極まった感嘆詞)おめでとう、
ございます!白寿をめざしてどうか頑張って下さいませ!
”。満面の笑みと共にそんな挨拶をされるとは、、。
”ありがとうございます、、”。これも浮世の義理
と思って応えているが内心は”卒寿?なにが、めで
てえ!”と思っている。
老人党 総裁 佐藤愛子 代読 ぐっさんハイ