もうひとつの、命日。 | おばあちゃんになった、わんこさんのおはなし。                    ~高齢柴犬の闘病・介護記録~

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ハイシニア柴犬介護記録です。
1年3カ月の闘病期間を含め、いつでも家族みんなで笑いながら過ごした、柴犬「わんこさん」との16年と8カ月の生活。
悲喜こもごもあったけど、トータルしてとっても幸せだった日々のおはなしです。

犬と一緒に過ごす生活って、いいね。

これまでのむぎちゃんのおはなしは、

第一話  第二話  第三話  第四話  最終話

 

 

 

今日は、たった数日の命だった子ネコ「むぎちゃん」の一周忌です。

 

庭にたった一人で倒れている生まれたての子ネコ、むぎちゃんを発見してから1日、保護してから1日。

その前のことは…、たとえばいつ生まれたのかとか、おかあさんネコのことも、ほかに兄弟がいたのかもむぎちゃんは何も言わず、わからないままですが。

 

ひっそりと旅立ってしまったむぎちゃんの亡骸をどうするか、市の担当者が心を砕いてくれた電話を済ませたところに、獣医の先生から着信があり。

「子ネコ、どうだ?」といつものぶっきらぼうな調子で、でも三連休だと言っていたのにちゃんとむぎちゃんのことを気にしてくれていて。

「先生、電話ありがとうございます。さっき動かなくなってしまいました。手を尽くしたつもりですが、ほぼ飲めないままで…」

「悔しいなあ、おい、悔しいじゃないか」

不意に大きな声で言われたのでびっくりして、昨日の診察代のことを話題に出さずに通話を終えてしまいました。

何度聞いても先生には「診察してないんだから、診察代なんていらん!」と断られるだろうとは思いますが。

 

小さな小さな亡骸をおさめる箱には、クッキーの入っていた細長い箱が最適で。保冷剤を敷き詰めた上に寝かせたむぎちゃんと、それでも余ってしまう余白部分にはお花やらお菓子やらを詰めて。翌日時間通りに来てくれた回収職員さんは、「ネコと聞いていましたが?」と箱のあまりの小ささに困惑されているようでした。3人全員が車から降りて、ピシッと礼をしてくれました。大事に箱を抱え乗車スペースに持ち込んでくれて、車は走り去っていきました。そうやってむぎちゃんは、お空へ帰っていきました。

 

それから時が過ぎ、今年6月、小さな小さな子ネコが我が家に迷い込んだことがありました。

2階の窓から覗いただけではネコの姿は確認できませんでしたが、まだヨチヨチ歩きの黒い子ネコが並んだ植木鉢の間に迷い込み、心配した母ネコが塀の上からしきりに鳴いて子ネコを呼んでいたようです。きっと生まれ変わったむぎちゃんが「生まれ変わって、元気ですよ」って伝えに来てくれたのでしょう。その何日か後にも親子のネコの声が聞こえてきました。そしてそれ以降は親子とも姿を見せないし、ゴミ置き場も荒されてはいません。ひとりぼっちだった悲しい前世のことなんか忘れて、今度受けた生を満喫して、どこかで幸せに暮らしてくれていればいいなと思っています。

 


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