今回は、避妊・去勢手術に関しての私の思いを綴ってみます。少々しつこいかもしれないですが、お付き合いください。
わんこさんが手術を受けたのは、2000年の1月。
今より16歳も若かった私は、その若さゆえの感受性で、過剰反応をしていたかもしれません。命の数を人為的に操作してしまうこの手術の是非を、考えあぐねました。
子犬の生活までは保障できないから避妊手術するって、人間側の勝手過ぎない?
だけど、飼っている以上、繁殖を含めたすべてに責任を持たなくてはいけないのも事実。繁殖という動物の本能は、教え込んで抑制できるものではないのだし。
結局のところ、是非については答えが出ないまま。
手術を受ける決め手になったのは、人生で最初に仲良しになった犬、子供の頃に飼っていたわんちゃんの思い出から。
真面目すぎる、忠誠心に篤い子でした。乳腺腫で11歳で逝ってしまった。獣医さんの見立てに反し、大きくなり歩行を妨げはじめた腫瘍の摘出手術を決断してくれた母。獣医さんの説明を私にもわかるように伝えてくれた中に、「避妊手術をしていれば…」という一言がありました。
避妊手術には将来の病気の予防というメリットがある。天寿を全うできず人生の途中で病に倒れてしまうのを防げるのなら、受けさせてみよう。同じ後悔をしないために。
そうして、我が家ではわんこさんの避妊手術を決定しました。
手術を受けた方がいいか受けない方がいいか、という問題には、私はどちらがいいとも言えません。飼い主さんとわんちゃんの数だけの選択があると思います。わんちゃんを一番愛し、一番理解している飼い主さんが考え抜き決めた選択を、わんちゃんが不服に思うはずはない。まっすぐに飼い主を見つめるあの澄んだ目も、それを証明しているように思えます。