放送作家の小野高義です
きょうは金曜日でしたが
テレビをつけてたら
どの曲も特番だらけで曜日の感覚がなくなってくるこの感じは
いよいよ年末も押し迫ってきたな
という感じがしました
個人的には
仕事が落ち着きつつも
お掃除の拭き残しみたいに
こまごまとなんやかんやが
例年以上にしつこく残っていて
それ片付けるのがめんどくさくて
なかなか落ち着かない年末になっております
落ち着かない年末
といえば
佐々木朗希投手の契約更改も
年末までにまとまらず
来年まで持ち越す
越年交渉
となりました
◇
昔のプロ野球は
年俸交渉の結果でいちいち記者会見したりして
ゴネる選手がふてくされながら記者会見するのが
プロ野球ニュースとかで流れてちょっとおもしろかったり
というのがありましたが
近年
そういうのはあんまり見なくなりました
かつては
交渉の席でいきなり金額を提示される
のが普通でしたが
今は
あらかじめ提示額のなんとなくを選手の方が把握した上で
なんとなく双方の意思を確認してから
オフィシャルの交渉がはじまる
という形がスタンダードなようで
よほど説明が納得いかない
とかがない限り
保留とか越年
っていうのはないかんじですが
佐々木朗希投手の場合
納得のいかない事情があったと考えられます
おそらく
メジャー移籍の件でしょう
◇
佐々木投手は
今年のオフに
メジャーへのポスティング移籍を希望
していたものの
ロッテ球団が認めず
ポスティング申請期限の12月15日を過ぎ
契約更改も
来年に持ち越された
という流れです
◇
ポスティング制度は
海外FA権を有していない選手が
メジャーへ移籍するための制度ですが
球団との合意が必要です
ポスティングは
申請日から30日の間に
譲渡金を支払う意志のある球団と交渉を行い
成立すれば
球団に譲渡金が入ります
譲渡金は
選手がいなくなることによって生じる戦力ダウンを補うもので
高額であればあるほど
球団は助かります
計算方法は
選手契約額が2500万ドル以下→金額の20%
選手契約額が2500万ドル~5000万ドル→2500万ドルに20%
残りの2500万ドル以内に17.5%。
選手契約額が5000万ドル以上→2500万ドルに20%
残り2500万ドルに17.5%
5000万ドルひいた残りに15%
という感じで
去年の吉田正尚選手は
9000万ドルで契約したので
2500万×20%+2500万×17.5%+(9000-5000万)×15%
で
1537万5000ドルで
およそ23億円の譲渡金が支払われました
そして
山本由伸投手は
3億2500万ドルの契約なので
オリックスには譲渡金およそ72億円が支払われることになりました
4番バッターやエースがいなくなるのは痛いけれど
球団がそれで潤うなら
まあ…仕方ないか…
…というのが球団やそのチームのファンの想い
ではあると思いますが
佐々木朗希投手の場合
そうもいかない事情があります
◇
メジャーには25歳ルール
とういものがあり
25歳未満かプロ6年未満の海外選手は
マイナー契約しか結べない
というもので
ポスティングを許可しても
契約金は少額に抑えられ
それに伴う球団への譲渡金も少額となるため
球団にとっては
まったくもってメリットがありません
◇
大谷選手は23歳でメジャーに移籍したではないか
という意見もあるかもしれませんが
ポスティングの譲渡金が
契約金との連動性になったのは
2018年から
で
2017年に移籍した大谷選手の移籍の際には
日本ハム球団に
22億円の譲渡金が支払われています
なので…
プロ4年
22歳の佐々木朗希投手が
今の段階でメジャーにポスティングするのは
まず
球団にとっては
貴重な先発投手を失うだけで
まったくもってメリットがありません
◇
そこをなんとか
金金言わず本人の夢のために…
…という声もあるかもしれませんが
プロ4年間で
一軍での実働は3年間
週に一回のローテーションで
球数制限を設けて無理をさせず…
という中で
まだ1年間を通してローテーションを守って投げることが出来たことがなく
規定投球回に達したこともなく
完投は二回だけ
と
確かに22歳の投手としては申し分ない内容ではあるけれど
まだまだ成長途上の選手である
ということは間違いないと思います
◇
メジャーリーグは
中4日がデフォルトで
ボールも日本より大きくスベりやすいと言われていて
ただでさえ肩肘に負担の大きな圧倒的球速のボールを投げる佐々木投手が
今の状態のままメジャーに行ったら
むしろ危険なんじゃないかな
と思います
おそらく
ロッテ球団も
ウチの球団にメリットうんぬん
の前に
「お前さん、今行ってもマジで良いこと一つもないからやめとけよ」
という親心の方が強いような気がします
◇
明らかにアメリカのマイナー
AAAよりは確実にレベルの高い日本のプロ野球の中で
成長に見合ったトレーニングと
無理のない登板間隔と球数を管理しながら
メジャー経験のある吉井監督の指導を受けて
投げながら成長できる
ロッテという球団は
これ以上ない環境なんじゃないのかなあ
と
ぼくみたいな無責任な外野は
そう思ってしまいます
もちろん
当事者にしかわからない感覚や想いはあるとは思いますが
少なくとも
ロッテ球団は
佐々木朗希投手の未来を
親身になって考えて大切に育ててくれている
ような気がします
◇
とはいえ
来年
山本由伸投手をはるかに超える活躍をして
1年間、故障のこの字もなく投げきったとしたら
また話も変わってくるかもしれません
来年のオフも
まだ23歳
メジャーでの活躍を見たいと関係者とファンの声も大きくなった時
ロッテはどんな判断を下すのか
もしかしたら
メジャーリーグが
アメリカ得意のルール変えちゃう戦法で
佐々木朗希を獲りに来るという荒技を見せるかもしれません
ともあれ
まずは
佐々木朗希投手の来年の
日本での無双を期待しましょう
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした