私のトレードマークともなっていたギター、ギブソン・ファイアーバード。
最近ライヴでの使用頻度は低いですが、レコーディングではまだまだ現役活躍中。
このギターを電車の中に忘れてきた事があります。
長いお話ですみません。
もう15年ほど前の年末の事になります。
その当時、友人のバンドを手伝っていて、リハーサルが高円寺近辺でありました。
リハが終わってそのまま飲み会突入。
年末でしたので忘年会も兼ねて。
最終電車など気にせず、朝までレッツゴー。
まあそれでも始発では帰ろうと云う感じ。
高円寺駅から始発電車に乗車。
上り方面には私一人。
座席に座って即座に入眠。
ギターはどうしていたのかと云うと。
でっかいハードケースに入れていて、それをドア脇の手すりのある所に立てかけてあって。
ふと目が覚めて。
あ、と思って何故かその駅で慌てふためいて降車。
千駄ヶ谷駅。
ホーム。
はて。
放心状態。
俺はなにしてたんだ。
なんでここにいるんだ。
列車のドアがぷしゅーと閉まる。
まだ放心状態。
何も持っていない。
中央線発車。
何か、持っていたか・・・。
あ。
ああーっ!
ギターが!
行ってしまった!
あれだけ酔っていたのに、酔いは瞬時に消滅!
なにやってんだ俺!
やばーーーっ!
どうしよう。
とりあえず千駄ヶ谷駅改札で駅員さんに。
「すみません、今の電車に忘れ物をしました」
「えーと、ここでは判らないので、新宿駅の駅長室に行って下さい」
はい。
がっかり。
新宿駅に行き、駅長室へ。
「すみません、これこれこういうわけで、忘れ物を」
「何をわすれたんですか」
「ギターです」
「その電車、ずっと先まで運行しているから、なかなか調べられないんですよ」
「はあ」
「終点でチェックしてもらうようにしますから、そこに座って待っていて下さい」
「はい」
駅長室でパイプ椅子に座って、待つ。
誰か持って行っちゃったかなー。
戻ってくるように願いながら。
うとうと。
時々目覚めて、またうとうとして。
自分の周りだけ、時間が張り付いてしまったようになっている。
午前9時過ぎ。
ないかー。
絶望。
でも、こんなに絶望しているのに、うとうとはする。
5時間後、もう午前11時過ぎ。
「お客さん!」
「はい!」
「お客さんのそのギターだか何だか、高尾に行ってますよ、高尾」
やったー!
あったー!
よかったー!
「高尾駅のホームに忘れ物預かり所がありますから、そこに行って下さい」
「はい!ありがとうございました!」
ここからまだ長い。
ルンルン気分で中央線下りに乗車。
よかったー。
そう思ったらまた寝ちゃった。
ふと起きて見ると、立川駅。
まだまだだね。
ぐっすり。
また起きて見ると。
立川駅。
あれ。
Uターンしてきちゃった。
もう一度下り方面に乗り換えて。
座って。
寝ちゃって。
ふと見ると。
立川駅。
俺、激烈にバカだな!
バカバカバカバカ!
もう一度下り方面に乗り換えだ!
終点、豊田です。
えー高尾まで行かないのこの列車。
豊田駅ホームでで高尾行きを待つ。
年末。
極寒。
40分くらい、高尾行きはナイ。
ぶるぶる。
身体の芯まで冷える。
自分のバカさ加減を反省するにはもってこいの寒さ。
高尾駅に着いたのはもう午後3時近く。
忘れ物預かり所にて。
「すみません、あの、ギターなんですが」
「あーありますあります」
係員の方が部屋の奥の方からギターのハードケースを持ってきてくれた。
「お客さんダメだよー、こんな大きいモノ忘れちゃー」
はい、ダメです。
ダメ人間です。
お手数おかけしました。
本当に親切にして戴き今でも感謝しております。
横浜の自宅に着いたのが、もう夕方5時近く。
始発から12時間ほど経っていました。
悔い改めよ。
酔っていて、荷物が多い、これがいかんのですね、昔から。
反省のために文章にしてみました。
写真の犬の置物は本所吾妻橋駅近くにありました。
悔い改めよと、訴えていますね。
あ、でも今日はこれから。
あのー。
飲みに。
お許し下さいーーーー!!!!!