【Q&A】中学生になった娘に子宮頸がんワクチンを接種した方が良いでしょうか? | おのぼり小児科・アレルギー科クリニック 毎月のニュース

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Q:中学生になった娘に子宮頸がんワクチンを接種した方が良いでしょうか?

A;2012年4月より定期接種となっていた子宮頸がんワクチンが、接種後の痛みや運動障害などが生じ、健康を害したとする保護者らの声を受けて、予防接種の安全性を議論する厚生労働省の予防接種検討部会は、2013年6月、ワクチン接種の「積極的な勧奨は一時控える」という判断を下し、現在この状況が続いています。

従って当院でもこのワクチン接種数は激減し、年間数例になっています。子宮頸がんは年間約1万人の日本人に発症し、約2700人が死亡しています。

原因の多くは性交渉によるヒトパピローマウィルス(HPV)の感染です。1970年代は60~70代がピークでしたが、80年代に40~50代に移行し、現在は30代に最も多く発症しています。

20~30代の罹患率は、過去20年間で2~4倍に達しています。女性の80%がHPV感染の経験を持ちますが、がんが発症するのは、そのうちの0.1%ほどです。

しかし、ウィルス感染がなければ、子宮頸がんを発症する確率は激減します。したがって、ワクチンによる予防が可能となるため、ヨーロッパでは接種率が、70%を超えています。HPVにはいくつかの型があり、ワクチンですべての型の感染が防げるわけではありません。

現在、接種できる2価と4価のワクチンで約70%程発症リスクを減らすことができます。世界保健機関(WHO)は、日本で積極的勧奨を中止した後も、繰り返しワクチンの有効性と安全性に関する宣言を発表しています。

日本でも産婦人科学会では、積極的勧奨接種に戻すように訴えています。一方、不幸にも有害事象が起こった保護者らとの溝がなかなか埋まらず、厚生労働省もなかなか結論が出せない状況にあります。

海外では、HPV感染の約90%を予防できる新たなワクチンが開発・承認されています。先進国の中で、日本だけが「子宮頸がん予防後進国」にならないためには、是非国が早く結論を出して、この状況を打開してほしいものです。

困るのは現在接種すべき年齢の子供達です。当院では、接種の意義・重要性が理解でき、接種を希望し、痛みにもそれなりに耐える心構えがあるお子さんには、接種しましょう。

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