音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!- -33ページ目

秋の記(4)

 この秋のことを書き始めたとき、考えたらもう冬になったところだったのですが、まだ11月半ばのことを書いているのに、冬本番という寒さになってきました……。仕事は、本番ラッシュに入っていますが。明日が、久々にタンゴオリジンのショウ。いつも最高に素晴らしいダンサーと、ミュージシャン。楽しみです!
 ちなみに今回は、少し逃避したかったのか、ワインのことばかり書いています。

 名古屋での仕事(興味おありでしたら、前回までをご覧ください)の2軒目は、実はホテルに一番近くにあって、一番最初にアタックした店でした。とても混んでいてとても入れなかったんですが、そういえばこの日、たまたまヴォジョレー・ヌーヴォーの解禁日だったんですよね。それででしょうか?
 錦二丁目ワイン酒場MUSH、というそのワインバーは、店名からは想像できないほどお洒落なお店です。東京だったらいくら取られちゃうのかな、と心配になるほどです。……少なくとも、漢二人で入るのは、そこそこ勇気がいるくらいの店だったことは確かでした。
 グラスワインが、泡まであって、すべて500円という設定。これが……美味しい!なぜか冬になると白ワインが飲みたくなる僕は、2種類飲んでみましたが、気分までさっぱりしました。素晴らしい。一つは、アルゼンチンを代表するブドウの品種で、おそらく他の国にはない、トロンテスのワイン。高いワインではないのでしょうが、ちゃんと美味しいのは、お店が選び、管理しているからでしょう。食べログ、こちらです。料理は一切食べていないので、そちらの方はまったく分かりませんが、満足することができました。
 1件目のスペインバルといい、その気になればいつでも行けて、いつも楽しめそうなお店。いいな。Très bien 名古屋!

 あれは十月だと思いますが、そういえば別件のリハーサルの後、メンバー三人で行った、千住のワインバーが忘れられない(しかし、名前は思い出せない……)。
 1番出口よりさらに南の方、小道をくねくね行ったところにあって、なぜここに?!と思わざるを得ない。知らない限り、行き着かないお店なんじゃないでしょうか。
 お料理も素晴らしく、お酒の種類は豊富です。特にワインは相当な種類をグラスで飲めます。そして、あまり見たことがない、アメリカのワインが結構あったのです。中でも、あるワインがとても気に入ってしまいました。エチケットを写真に撮らせてもらって、あとで調べてみたら、レコールNo.41セミヨン2011
 セミヨン。ニューワールドで、以前よく作られていたけれど、今はあまり作られなくなったらしい、ブドウの品種です。僕は当時はあまり飲んだことがなくて、なかなか見なくなった今頃になってこのブドウが気に入って、最近探しています。なかなか見つからない暑くなってきた頃に赤ワイン、寒くなってくると白ワインが飲みたくなり、ボルドーといえば白ワインが気に入る自分。やれやれです。

 注;僕はワインが好きですが、そう分かるわけではありません。安いワインを安いなりに、美味しくいただいていることが多いので、こだわりがあるほうとも言えないでしょう。それでも、ブドウの品種でかなり味は違うので、それを手がかりに飲んでいるだけなので、そんな程度かと思って読んでいただければ。


 そういえば、一枚の写真もない。お店や食べ物や飲み物の写真はないけど。
伏見駅入り口
 伏見駅の入り口。沢山あるのですが、この界隈のは、みんなこんな感じ。
 まだ、こんな感じでズルズルとつづきます。


秋の記(3)

冬どらFF
 差し入れにいただいた、このお菓子。半分凍った状態でいただきました。これが絶品!冬のアイスは格別だった、子どもの頃を思い出します……

 ズルズル話が続いていますが、11月21日の名古屋の仕事は、久しぶりに2ndヴァイオリンで乗りました。この、2ndという役割は、アレンジが素晴らしいと楽しいもので、この仕事は毎年本当に楽しいのです。
 タンゴは、ジャズやその他のポピュラー音楽とは違って、主に書いてある楽譜を演奏する音楽です。それが全てではありませんが、ある時期からメインの方法になったのは確かです。
 しかし、クラシックと違って、ある一つの曲でも、同じ楽器編成で同じ音符を演奏するわけではありません。一人の時と、十人の時では、楽器の種類も違い、まったく出来ることが変わります。もちろん、誰が弾いているかでも。するとその時、一番素晴らしい演奏するために、誰かが工夫をして楽譜を書いていく。そのアレンジという作業次第で、同じ曲でも面白くもつまらなくもなります。
 元の曲を活かすように、というのはもちろんですが、ハーモニーやリズムが、メロディーの順番さえ大きく変えられたり、そのメロもソロがキマるように変えられ、あるいは創作されたメロディーが入っていたり、ついには他の曲まで一瞬挿入されちゃったりすることもあります。
 タンゴは、そのアレンジというものが、個性にさえなっているジャンルなので、自分もかねてから勉強していますが、実際に弾いてみるのが、一番分かる。特に2ndは、メロディーと別ラインばかり弾いているので、いやもう、勉強になります!

 1sヴァイオリンtは
吉田篤さん。自分一人しかヴァイオリンがいない時が多いので、こういう機会はとてもうれしい。まして吉田さんほどの人と演奏できるのは、本当に楽しい時間です。
リハ・メンバーLS

 吉田さんとは、11月7日、池田みさ子さんのバンドでも一緒にやらせてもらいました。全然違う曲、アレンジですが、このときはバンドネオンが平田耕治さん池田達則さん、ベースはそういえば変わらず田辺和弘さんです。
 この時は、ほとんどみんなが車で来ていて、飲んだり出来なかったのが残念な、楽しいメンバーでした(すみません、写真がなく……)。

 話は名古屋に戻り、愛知県芸術劇場の楽屋は、地図上のどこにいるのか、今ひとつ分からないところにあります。
 地下に行く。楽屋口から入ってパスをもらい、エレベーターでホール階に上がる。そこは下手の袖付近で、同じ階の、丁度客席の裏手当たりにある楽屋に行く。……この行程の、どこにも窓がない。
 放送局などは、有事の際の時間稼ぎなどのために、わざと迷路状に作られていたりしていますが、それに似ている。そういえば、昔は大学の一部もそうだったと聞きました(機動隊が突入してくる可能性があったから?)。
 K帯は何とか電波が入っていたのですが、他のスマホもかなり入りづらいような場所でした。WiMAXを試してみましたが、さすがに×。

 ここのところあまりにブログを書かなかったので、記録の断片を集めて、記事にしています。一つ一つまとまりがないため、別の話をはさみながらズルズル続けていますが、……次につづきます。

秋の記(2)

 間が空いてしまいましたが、つづきです。名古屋で何の仕事だったのか?
 いつもお世話になっている、タンゴ・クリスタルで、歌手のなかにし陽子さんのバックを勤める本番です。いつもこの大きなホールが埋まります。凄いッ!客席LS
 この仕事は少し変わっていて、自分たちの出番は最初のステージだけで、その後は弾き語り、別のジャンルのバンドと続くのですが、最後にカーテンコールがあり、挨拶をするのに衣装でステージに上がることになっているのです。
 そのため、案外撤収が遅くて、名古屋泊まりになります。

 今回のホテルは、錦にあったので、店には困らないだろうと思っていたのですが、予想以上に大変でした。折角名古屋に来たんだからと、みんなお店を探したのですが、23時閉店の店が多く、なかなか決まらない。
 二手に分かれたり、色々して探した結果、
入ったのはスペインバル!バルナゴヤというお店に入りました。建物の2階にあるのですが、外から雰囲気がよく分からない。バルナゴヤ外うち 翌朝撮った写真ですが…
 入ってみると、ちょっと変わっていたけれど、なかなかどうして素晴らしい。
 アヒージョ各種、イカの墨煮など、それらしい料理が、全てきっちりおいしい上に、スペインで(10年ほど前のことですが)食べたものを思い出させる何かがある(アンダルシアで、小イカの墨煮がとってもおいしかった!関連して、レンタカーがエンストしたり、港で激しい嵐の中、決死の覚悟で運転した思い出が……)。本当にびっくりしたのは、ラムチョップとか、肉を焼いた料理。スパイスが独特の味わいをきちんと作り出している。また、素材勝負としかいいようのないはずの、生ハムも美味しかった~。ハモン・イベリコと書いてあるのに、???というような味のお店もあるのに、ここはハモン・セラーノだそうなのですが、とってもおいしかった!手で持つと、ハムの脂が柔らかに溶けました。HPはココです。
 あまり好きな考え方ではありませんが、とてもコストパフォーマンスのいいお店、でした。でも何か+αを感じられた!

 外国に行くと、(国によりますが)思い知らされることの一つに、安いものは安いものの、高いものには高いものの美味しさがあるということです。香港で、高級中華も麺粥店のワンタンメンも食べたとして、そりゃあ食材が明らかに違うし、当然値段も料理人の種類も違うわけですが、どちらもきちんと作ってあって、どちらも心から美味しかった~!と思った人も僕だけではないはずです。あれはあれで、これはこれで無敵に素晴らしいと。
 話は飛躍していますが、仕事ってそういうものであって欲しいと思うし、もし日本に麺粥店のようなお店がないのなら、我々がそれを仕事として成り立たないようにしてしまっている可能性があるかもしれません。

 名古屋では、その後、短い時間ですが、もう一軒行ってみました。それに、さすがにもう少し仕事の中身についても書いておかなくては。というわけで、ズルズルつづきます!