第十五弾「笑顔のアルゼンチン、あるいは旅の終わり」(やっと…)
キンテート・レアルを聴いたのが、滞在最後の夜。オラシオ・サルガンという物凄いピア
ニストを中心とした昔からあるバンドなのですが、少しずつ入れ替わっていって、今では全員が初期メンバーではありません。特に、数年前にサルガンさんが引退してしまったのが、少し残念ではありますが……
彼らは、レコンキスタ通りにあるクラブ・ラウンジという店に、毎週水曜に出演しています。 Sayacaさんはこの日に帰国の途に着いて、機上の人になっていました。まずは東谷さん、会田さん、ハーモニカのジョー・パワーズさんと。
おっつけ、青木さん、崇朗くん、藤原寛明くんが到着~なかなか盛大になりました!
メニューを見ると、「カインド・オブ・ブルー」「サマータイム」という、マイルスとガーシュインによる名曲の名のついた料理が!どちらもサラダ。サラダってイメージ??
ところで、キンテート・レアル、とてもよかった!アメリータの歌とかは、あまりにも特殊な体験なので、まだ表現のしようがあるのですが、これこそ表現しにくいです。とにかく、よかった!笑 アレンジは以前から変わっていないとか。コード感とか、ギターとか、やたらかっこいいんです!
終演後、近くのEl Salmonと言う店でお茶(もちろんワインを飲みました)。
この店名にはとても違和感がありました。第一、鮭なんて、食べるのだろうか?この国で。そして、……メニューに魚料理ってあっただろうか?(さすがにあったんじゃないかと思いますが)
その後、酒飲みだけが残って、さらにワインを(かなり)飲みながら、朝まで過ごしました。音楽の話はもちろん、色々な話題が出てきて、貴重な時間を味わいました!三島由紀夫や平野啓一郎の話で盛り上がるなんて、もう10年以上なかった気がします。
いよいよ滞在最後の日。カジャオ-コリエンテスというところにあるCD屋さん、シーバルスに行って、かき集めるように26枚のCDを購入。この金額になるけど、いいのか?と、店の人が驚いていました。時間がなくて、選んでられなかったのです。でも、1枚600円くらいです!ということで、計40枚のCDを買って(+もらい物3枚)日本に帰りました。
どうしても必要なCDは何とか買えたので、急いで引き返し、近くのワイン屋さんでワインを買います(エリの店は高過ぎた
)。時間がなく、あ、これ、どこかで話題に出てた、とかで選び、終いにはエチケットと名前の響きで適当に選んでしまいました。慌てて荷造り開始。
日本から、CD用にプチプチの緩衝材、ワイン用のも持ってきていたので、かなりさっさと進みましたが(僕は、こういう手配に抜かりありません、そう見えないようですが
)、それでも時間ギリギリ。
ブエノス市内。時々凄い車が… やあ終わった~!まだ20分あるし、一息つける!と思った瞬間、東谷さんの声が。「宮越さん、もうタクシーきちゃったよ」。……な、なぜ??18:10に来るはずが、17:50過ぎと、20分も前に到着したのです!
国際線の空港、エセイサの出発ロビーは、到着ロビーとは全然違って、近代的。
チケット発券をして、荷物の手続きをした後、2Fにあがって空港税を払わないといけません。ここで、ペソをほとんど使い切りました!残り、日本円で300円ちょっとです。
この後、やはり無限の長さにしか感じられなかったフライト、約30時間が待っていました笑
いやあ、アルゼンチン、すごい経験でした!
人生の全てを、こんなにも変えてしまいそうな経験をしたことがありません。
そして、本当に様々な人にお世話になりました。そのお名前を書きだしてみたら、それだけで10行近くになってしまったので、失礼して省略します。
ありがとうございました!……これは、生涯を通じて、絶対に忘れることのない感謝です。
音楽的にも、文化的にも、人間的にも、激しい刺激を受け続けて15日。帰りの飛行機が飛び立つその時、思い浮かぶのは、音、笑い声、人の顔、人、人、そして人。
やはり人間って面白い、人生って素晴らしい!思う存分、生き切ってやるぞー!!
おしまい
