第十四弾「異文化コミュニケーション」 | 音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!-

第十四弾「異文化コミュニケーション」

 そろそろ、おみやげってものを買わないとあとは、しばらく前から考えていたんです。いや、本当です。毎日街を歩いている時も、ずっと物色していました。ところが、どうしても日本人が気に入りそうなものが手に入らない。

 結局、帰国前日、あきらめてワインだけ買って帰ることにしました。
音快計画-ヴァイオリニストのお仕事とはッ?!--パレルモ2 音快計画-ヴァイオリニストのお仕事とはッ?!--パレルモ1

タンゴ発祥の地といわれる地区の一つ、パレルモ


 パレルモという地区で2本のワインを買った後、家の近くのフロリダ通りにある小さなワイン屋で更に1本買ったのですが、ここの店員エリちゃんとお友達になりました。エリは愛称で、本名エリアナ。れっきとしたブエノスっ子です。


 結局僕のスペイン語は、最後まで使い物にならず(1週間経過あたりから、何を言っているかは段々分かるようになりましたが、意味は分からず仕舞い。それまでに至っては、単なる呪文)アルゼンチン人と会話して仲良くなる、という経験が出来ませんでした。ところが、エリちゃんは英語が堪能だったため、会話可能。初めてお友達が出来ましたー!


 アルゼンチンは国土が広く、北は亜熱帯、南は南極という極端な国です。その気候の、丁度分岐点に当たる土地で、美味しいワインができるのだとか。

 例えば、最大の生産地、メンドーサでは、北は少し暖かく、南は少し寒い。そこで、同じ品種でも近所で全然違う味になるのだそうです。それをうまく使うと、絶品アルゼンチンワインの出来上がりだとか(ヒアリングが正しければ……)

音快計画-ヴァイオリニストのお仕事とはッ?!--フロリダ
 また、こんなにいい国なのに、何でアルゼンチンに来た外国人の多くが、嫌いになって帰るのか、という質問も。まあ、…と言いながら、これまでの2週間が頭をよぎります。うん、そういう人もいるでしょうねえ。僕は、断然好きになっちゃったのですが。


 それから、アルゼンチン人にとっても、英語よりスペイン語のほうが難しいというのが面白かった。主語や時勢、話法によってコロコロ変わる、動詞の活用の暗記。加えて、スペイン語の多様性が難しくするらしい(スペイン語は、国や地方によってかなり大きい違いがあるのに、正式な文書などは公式なスペイン語で書かなきゃいけないのだとか)


 残念過ぎる!この時カメラを持っていなくて、お世辞抜きでキュートなアルゼンチン美人、エリちゃんの写真がない。ついでに、おみやげも足りないじゃないか……


 後日、メールをやり取りした結果、

 上述のフロリダのワイン屋さんは潰れてしまったそうです。今はレストランで働いていると……あんなに英語ができるのに、活かすことも出来ず、苦労が続いているようです汗



 この夜はキンテート・レアルのライブに行くことにしていたので、泣く泣く我が家に帰ってくると、気になるテレビ番組がオンエア中。どうやら、日本を紹介する教育チャンネルの番組らしいのですが……
音快計画-ヴァイオリニストのお仕事とはッ?!--日本紹介1

 何かが、おかしい!

 どういうわけか、日本人はベッドがあるのに、その脇に布団を敷いて寝て、起きたら使った布団などをベッドの上に置いている、という映像になっています!!
音快計画-ヴァイオリニストのお仕事とはッ?!--日本紹介3
 さらに、子供がお風呂に入る映像が出てきたのですが、70年代の文化住宅?みたいな間取りの建物の、ふすまを開けると、いきなり、すのこドーン!風呂桶ドーン!風呂場が広がっています!……服は、どこで脱ぐのだ?

 しかもやたらと風呂、風呂桶が広くて、子供、泳いでます(銭湯か温泉を取材したのでしょう)

音快計画-ヴァイオリニストのお仕事とはッ?!--日本紹介2  こりゃイケてる!と、慌ててデジカメを取りに。撮れたのは、お茶のシーンだけでした!

 これも何か違和感を感じたのは、お茶の稽古をしている同じ部屋で、箏の稽古をしているのです。しかも自分の家の中で。そういうことって、ありますか??


 それにしても、家族同士でもやたらとお辞儀をしまくっていました。それは、アルゼンチン人の取材者にとって、お辞儀こそ不思議な日本人そのもの、だったのかなと思います。しかし、家族間でお辞儀って、……50年前まではしていたかもしれませんが。

 というわけで、奇しくも異文化コミュニケーションな話ばかりが、うまくまとまって出てきました。

 さて、これまでしつこく書いてきた、アルゼンチンシリーズ、次で本当に最後です。向こうで時間を見つけて、ささっと書いておいた文章を、写真を見て思い出しながら推敲してきました。が、もう1ヵ月半も前の話になっていて、さすがに限界です。

 というわけで、次回、アルゼンチン最後の夜と、ブエノスを発つまで。どうぞご期待ください!



 まだつづく



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