見渡せばたくさんの・・たくさんのどころではない超大な量の観客が見つめている
勿論自分の事を
トーキック、かち上げ式エルボー、ボディスラム
スパイスとしてドロップキック!それも空中を泳ぐ龍魚の様に美しいヤツを1発叩き込めばそれで、会場の空気は全て俺のものだ
スポットライトの光量を跳ね除けるくらいには俺は光を放っていると言えるだろう
今日も誰を倒したかなんて覚えちゃいない、リングに沈んだ汚物を見下ろすのは嫌いだから
そう情けなく路地裏を這いずる昆虫の様な存在を見ていられないから
昔の自分の様で・・
バーリトゥード系加盟15惑星の一つ中央惑星「ニューサン」のB.Bスタジアムのリングで試合を終えたのは
端正な顔立ちにゴールドのアイマスクと金髪、足の長い長身のスタイルの良いルックスをしている
名前は「インゴッド」と言った
新進気鋭のこの男、宇宙レスラーの資格は持ってはいないが実力、人気共にメインの試合を食ってしまう程のスター性を爆発させている絶賛売り出し中の逸材だ
シャワーを浴びて控え室に再び戻ったインゴッドだったが、誰もいないハズの控え室に気配を感じて首筋に悪寒が走った
インゴッド「俺の控え室に無断で侵入した罪は重い!キサマに・・」
インゴッドが言い切る前に天井からしゃがれた声が遮った
「血の雨を降らせるってかぁ〜?あぁ?どうなんだよ降らせるのかぁ?」
インゴッドが天井を見上げると顎髭を多量に蓄え、卑屈な目つきをした昆虫の様な男が天井にへばりついている
「自己紹介させてもらうぜぇ〜!俺様は魔道!見ての通りバグタイプ(昆虫星人)よぉ〜」
インゴッドの右手から金色に光スモーク状の何かが噴出する
慌てる魔道
魔道「ストーップ!ストップだぁぜぇ〜」
魔道「両手から金粉を出して凶器を精製する特技があんのは知っているぜぇ」
魔道「黄金の剣で俺様をぶった斬ろうってか?あぁ?」
金粉の噴出を止めて控え室のドアを開けるインゴッド
インゴッド「出ていけ。2度言わせるなよ。俺の言葉は無料じゃねえ」
ガンッ!
次の瞬間控え室に立つインゴッドの背後のロッカーから別の男が飛び出して、インゴッドの背中を何か鋭い物を突き刺した!