カティサーク18年。
この辺になるとネット上でも飲んだ話が出てこない。
オールドボトルとしての存在も少数で、いつ頃から発売されたのだろうか?
"ディスカバリー"という名前で出ていたようですが、特級表記はなし。
ジョニーウォーカープラチナ(18年)やバランタイン17年、シーバスリーガル18年といった流通も露出も多い他社ウイスキーを差し置いてでも、物好き太郎な自分としては避けて通れないカティサークだったり。
………濃厚シェリー!カティサークっぽくない(^~^)♪
12年までは共通というか、通常品に備わったカティサークらしさが、強弱はあれども根幹にありました。
ストームもプロヒビションも最初にインパクトで別個性を演じながらも、中心はカティサーク味とブレない仕上がり。
しかし18年になっていきなりシェリー風味が前面に押し出てくる。
カティサークというよりグレンドロナックを思い浮かべてしまいましたが、ほのかな硫黄香もあって"昔からシェリー熟成してます"な風格が漂ってくる。
しかも結構な口当たりの厚み。
43度で近年のウイスキーなので、ジョニーウォーカープラチナ(18年)やシーバスリーガル18年の評判に聞こえる"軽さ"を想定していましたが、終売もさもありなん…な原酒のコクと厚み。
仕方ないけどもったいない。
本品も外箱に"マッカラン"とあり。
この硫黄シェリーならマッカラン18年モノを飲んでいる満足度が高い。
しかしマッカラン18年って凄い値段だ…
カティサーク18年なら品揃えのいい町の酒販店で6000円ちょいで買えるからお得でもあり、ここから18年熟成マッカランの存在感をしっかり感じ取れるなら、それはそれでシアワセな気分になれるというもの。
しかしセコいな自分(゚◇゚ )♪
いよいよマッカラン12年と味比べして、各種カティサークのマッカラン具合(?)を確認していきますが、それはまた次回の講釈にて……
〇そもそもカティサークって名前…
そもそもカティサークという船名も謎。
スコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズの書いた詩「タム・オ・シャンター」から来ている、とはネット検索ですぐ出てきます。
「蛍の光」や「故郷の空」は古いスコットランド民謡にロバート・バーンズが詩をあてて有名になりました。
え、「故郷の空」は知らない?
ほらアレですよ、昭和の時代に札幌の大通公園周辺の横断歩道で、青信号の時に鳴ってた電子音のBGMですよ、ほら「プ~ププピ ポ~ポピ~ポ プ~プポピポ~~(/ノε`))♪」なアレ…
…話しを戻して「シャンタ村のタム」と邦訳できる題名ですが、農夫タムが短いシュミーズ(現在の下着のスリップ)1枚のセクシーな魔女ナニーに追いかけられる話。
酔っ払ったタムが魔女と悪魔の集会に潜り込んでしまったのもアレですが、あわやタムの乗った馬の尻尾を魔女につかまれるも、ちぎれてまんまと逃げおおせた……という日本人には色々理解に障壁を感じる詩。滑稽話の類だろうか?
この尻尾をつかんだ魔女がカティーサーク号の船首像になってます。
スコットランド語のカティ(短い)とサーク(シュミーズ)を船名に使うセンスもまた謎というか。
著名なロバート・バーンズの詩作の中でも特に人気の「タム・オ・シャンター」
そこから拝借するのにタムでもメグ(馬の名前)でもなく、魔女のいで立ちという謎。
船は女性形として呼ぶ習わしがあるけど、魔女ナニーでもメグ(雌馬)でもない…
「短いシュミーズ:カティサーク」号と命名したのは初代船長の奥さんということで、これはもう女性、船乗りを夫に持つ奥さんにしか分からないセンスなのだろうか…
……出かけた先で浮気してもロクなことにならないぞ!みたいな?