息子の心の中のこと | 晴れのち曇り、時々雷雨~息子との日々、時々毒吐き

晴れのち曇り、時々雷雨~息子との日々、時々毒吐き

息子の成長を綴っていましたが、令和元年5月8日に突然父が旅立ってしまい…。言葉も交わせなかった後悔、未だに信じられない気持ちでいること…。私の全てが父へと向かう今を綴ります。

この週末、私は実家に泊まることにした。







毎週とは難しいにしても、
本当はもう少し、
母と夜を共にしてあげたい。






笑い声だけでなく、
イビキの大合唱だったり、
オナラ合戦だったり、

おバ○なことで笑い合える
母と父だった。





弱々しくて、事あるごとに泣いてしまう母だけれど、
時々ふと面白いことを言う。




『お父さんが居なくなってから、
大きなオナラが出なくなったのよ』と(笑)







そんな感じの二人の間で、
息子はいつもケラケラと笑っていた。






顔は、9割方主人似だとは思うが、
時々『笑顔がおじいちゃんに似てるね』と
言われることもある息子。




私は父似だから、
私に似てくる可能性もあるのかな?と
少し期待する。





そんな息子の性格は、
完全に私の実家側の血だ。





本当にユニーク。




どんな面白いテレビを見ても、
クスリとも笑わない主人には
到底似ているとは言えない。




私と息子は大爆笑。



単純なのだ。






一見、面白味の無い父も、
実は私と同じ単純構造。




同じ番組の、
同じところで笑い転げる。





その血を立派に(?)受け継ぐ息子。






父と居るといつも本当に楽しそうだった。




いつも、引っ付いていた。




父と一緒なら、
何処で何をしようとも楽しいようだった。










だけど、突然に大好きなおじいちゃんを失い、
息子の心はぐちゃぐちゃになった。




子供だから、一見元気ではある。



もう、いつもと変わらない
落ち着きの無い陽気な息子となっている。





学校から帰って
実家に行くことは、
とても喜ぶ。







けれど、いざ、泊まることを打診すると、
一瞬で顔が曇り
首を横に振る。





私はそれがどうにも悲しかった。





私が居ようと居まいが関係無く、
『お泊まり!お泊まり!』と、
頻繁に泊まりたがっていた息子。





それなのに、どうしても嫌らしい。







分かりきってはいるのだが、
確信に触れたかった
意地の悪い母である。






どうしてかと問うと、



『悲しくて、怖い』


という言葉が返ってきた。






泊まるということは、
寝るということ。




寝るのが一つの醍醐味で、
いつも、祖父母に挟まれて
キャッキャと楽しそうに寝ていた。





いつも、寝るのは、
2階の寝室。



両親が寝ている寝室を、
私達の寝床にしてくれた。







でも…父は、その部屋で、
寝ている間に亡くなった。





小学校から、
早々と早退してきた息子は、
玄関て事実を知り号泣した。




そして、2階で父の亡骸と対面した。




ずっとずっと、
一日中泣き続けた。




昨日まで元気だった父が、
もう動かないし、喋らない。




混乱しながらも、
理解した上での号泣だったと感じる。





きっと、大人が感じる以上の
衝撃を受けていたに違いない。





私はもう大人だし、
自分の父親でもあるから、
亡骸と共に一人で居ても、
一つも怖くなかった。





けれど、やはり、
息子にとっては怖かったのだ。





でも、怖いだけじゃない。




『悲しくて、怖い』んだ。





『また、泣いちゃうから』とも言っていた。





とにかく心の中は、
混乱したまま蓋をしているのだろう。







だけど、私は息子と泊まりたかった。





悲しいくらい乗り気ではない息子と、
無理矢理泊まった。




それでも、
『段々楽しくなってきた~』と、
ハシャいだりもするのだが、

結局、2階の寝室で寝ることも出来たのだが、
朝になるととてもつまらなそうに
テレビを見ている。




ゴロゴロとテレビばかり。




おじいちゃんが居ない現実は、
お泊まりしたことで、
一層辛くのし掛かってしまったようだ。





父親とおじいちゃんを比べて、
数倍『好き度』が違った息子。




申し訳ないが、それが事実。





けれど、今の息子は、
表現は悪いが
おじいちゃんの居ない辛さを、
仕方無しに父親で埋めようとしている。






午前中に迎えに来た父親と、
ウキウキと出掛けて行ったらしい(私は仕事)







とんでもなく深い悲しみに飲み込まれる。




どうしようも出来ないことに
途方に暮れる。




そして、悔しくて悔しくて、
怒りの感情に支配される。