(“僕がここにいる理由~今でも覚えている風景~”の続き)




良くも悪くも,物事を極めたい性格。



農業っていいな…って思ったら気になってしょうがない。



なんとか通過してた公務員試験最終面接さえも上の空。

(当然,不合格)



ただ,どうしても踏み出せずにいた。


勇気が無かったのか,不安があったのか,それともタケへの償いなのか。


僕が農業をやるとなると実家の漬け物屋と切っても切れないものとなる。


だけど,そう簡単に実家を継ぐわけにはいかなかった。

もっと前に継ぐと明確な意志を持てば,タケは…


迷った。


そんな僕に決心させるきっかけをくれたのがテツだった。


テツは企業に内定をもらっていたのに全て断り,ドイツに農業留学することを決めた。


テツもタケの死の影響を大きく受けた1人なのかもしれない。


もともとテツは,大学(院)を卒業したらすぐに就職しなきゃならないという流れに疑問を抱いていた。


僕も同じように感じていて,タケの死後さらにそう思うようになった。


遠回りしてもいいんだって思った。


決心。



農業をやるのなら有機農業しかなかった。


患っているクローン病の僕自身の発症原因は,怠惰した食生活と考えている(原因が分かんないから難病なのであるが)ため,自分の食べるものくらいは自分の手で安全安心なモノをとの想いがあるから…


もちろん自分だけのためでなく,自分の周りの大切な人のためにも。


そしていずれは共に苦しむ難病患者の力になれる農業がやりたい。


その想いは日に日に強くなった。


こうして,僕は今の農業法人にたどり着き,テツはドイツに旅立った。


人生に影響を与えるような友人を持てて,そんな人生について来てくれる将来の嫁さん(11月入籍)に出会えて,僕は今幸せです。