徒然と

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趣味程度で書いた小説等載せていきます。

生暖かい目でみてやってくださいm(_ _)m

趣味程度の小説風な何か


友人のCheck
さんに挿絵を描いてもらってます。
不定期更新。
5/29『オンライン』 【第44話】2月14日 Yuri SIDE その2
【最終話 前編】 2月14日
          【最終話 後編】 2月14日
【オンライン エピローグ】
UPしました。






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紅月の女帝って知ってる?


彼女の噂話は大抵この一言から始まる。

ファンタジーファクトリーという、オンラインゲームがある。
サービスが開始されてから五年という、それなりに長く続いて、そして人気があるゲームだ。

五年も続くオンラインゲームというと色々と噂は絶えないであろう、が、その中でも初期の頃から語り継がれる、とあるプレイヤーがいた。

そのプレイヤーは
トップランカーである廃人のパーティが、必死の思いでたどり着いたダンジョンの最奥で平然とソロで狩りをしていた。

運営側も「スキルを最大限に活かすには高いプレイヤースキルを要する、玄人向けのクラスです」と言い放ったクラスである幻剣士を平然と使いこなす。
とある有名な廃人プレイヤーでも「あれは無理」と言うほどであった。

月下という刀が実装され、その能力も剣士と名のつくクラスのプレイヤーは喉から手がでるほど欲しいという性能だったが、「これ取得に早くても年かかるんじゃね?」という難易度だった。
しかしそれを彼女は実装より10ヶ月程度で取得していた。

チートや、公式がプロモーション用に作ったAIなんじゃね?
等の噂もあったが、公式がAI説を否定、そして公式の調査により、チートの説も否定された。

ダンジョンで彼女と会うと、レアアイテムのドロップ率が上がる
など眉唾物な噂まででる始末だった。

月下を携え、紅い鎧を見にまとい、その強さは正に女帝と名乗るにふさわしい
そんなことからいつしか「紅月の女帝」と呼ばれるようになったのだった。

そういった噂が絶えない「紅月の女帝」
しかし、その彼女の発見報告も二年前を境にピタリとされなくなった。





この物語はそんな紅月の女帝の中の人の物語である。
こうして、私達は付き合い始めた

深く考え込んじゃったり

情けない面を見せたりと

いろいろあるけど

今はこうして二人で一緒に居ることが何よりも幸せだ

まだ知り合ってからもそんなに経ってないし

これからちょっとずつお互いのことを知っていけばいい

ゆっくり、すこしずつ



私は、俺は・・・

あなたと出会えて本当に良かった
優璃はしばらく隆に抱きついたまま泣いていた。
隆はそんな優璃を抱き返すくらいのことしか出来なかった。

しばらくして優璃が落ち着き泣き止んだので、またベンチに座る事にした。
その時すでに日はほとんど落ち、あたりは暗くなり始めていた。
「ごめんなさい・・・突然泣いちゃったりして」
「いえ・・・」
そこで会話が止まった。
お互い、何を言えばいいのか分からなかったのだった。

「優璃さん・・・さっきの言葉本当ですか?」
しばらくしてそう聞いてきた隆に対して優璃は無言で頷いた。
そしてまた沈黙が訪れる。

「優璃さん・・・」
「はい・・・」
互いに、相手にギリギリ聞こえるくらい小さな声だった。
「自分の気持ち、言い直させて貰ってもいいですか?」
そう言って隆はまたベンチから立ち上がった。
「はい。」
優璃も一緒に立ち上がる。
互いに向き合い、隆は優璃の肩に手を掛けた。
「優璃さん、僕はあなたのことが好きです。僕と付き合ってもらえませんか?」
隆は優璃のことをじっと見つめてその言葉を言った。
「はい!」
目に涙をためながら優璃は満面の笑みを浮かべてそう答えた。
そしてまた抱き合い、二人はキスを交わした。


日が完全に落ち、あたりは真っ暗になった。
「もう真っ暗になっちゃいましたね」
優璃がそう呟いた。
あれから二人は駐車場に戻って、車に乗り込んでいた。
「あ、そういえば・・・」
車を発信させようとした瞬間、隆は何かを思い出したようだ。
ゴソゴソと上着のポケットを探る隆。
取り出したのは小さな箱だった。
「コレ、今日優璃さんに告白して上手く行ったらプレゼントしようかと思って」
優璃は箱を受け取り開けてみた。
中には小さなハートが付いたペンダントが入っていた。
「あ、カワイイ・・・いつのまにこんな物を?」
「あの・・・優璃さんがトイレに行ってた時に・・・」
「あぁ!あの時!!どこ行ったかと思って心配したんですよ?」
そういいながらも優璃は笑っていた。
「すみません」
隆に謝られた優璃は嬉しそうに笑っていた。
「つけてみてもいいですか?」
「あ、じゃあつけましょうか」
優璃からペンダントを受け取り隆は優璃の首にペンダントを掛けた。
「似合ってます?」
「はい!」
そういわれて優璃は照れながら嬉しそうに笑っていた。
「そうだ!私からも・・・」
そう言って優璃は自分のカバンから綺麗にラッピングされた手のひらくらいの大きさの箱を出し、隆に渡した。
何ですか?と聞いてくる隆に優璃は
「ほら、今日ヴァレンタインデーじゃないですか?」
と答えた。
隆が箱を開けると中にはチョコクッキーが入っていた。
食べてみて、と言われ隆はクッキーを一つ食べてみた。
「おいしいです」
そう言った隆を見て、優璃は良かったと微笑んでいた。



それから公園を出発し、しばらく車を走らせ繁華街に入った頃
「隆さん、あそこちょっと寄りません?」
そういって優璃が指差した場所はゲームセンターだった。
「いいですよ」
隆はウィンカーを出し、ゲームセンターの駐車場へと入っていった。
何をするのか聞いても、いいからいいからと隆の腕をひっぱり優璃はゲームセンターの中へと入っていった。
優璃が向かった先はプリクラのコーナーだった。
「今日の記念に撮っていきましょう!」
そう言って優璃はさっさと中に入っていった。

プリクラなんて何年振りだろう・・・

そんなことを思いつつ隆は優璃について中に入っていった。
「すっごい久々にきてみたけど、昔と違っていろいろ機能があるんですね」
優璃が機械の画面をいろいろ触りながら隆に話しかけていた。
「俺もひさびさですし、元々そんな撮りにきたことないですからねぇ」
そんなことを話ながら操作をし、設定が決まったようで二人は撮影位置に立った。

パシャ

っとシャッターを切る音が鳴り、今撮られた写真が画面に表示される。
それを見た二人は思わず噴出してしまったのだった。
「なんで隆さん顔が引きつってるんですか!?」
「そういう優璃さんだって引きつってるじゃないですか!」
二人して変に緊張していたのか引きつった顔をして写っていたようだった。
「どうします?取り直します?」
そう聞いた隆に対して優璃は
「う~ん・・・このままでもいいかな?ちょっと面白いし」
優璃はそう言って印刷ボタンを押した。

$徒然と-プリクラ

取り出し口から出てきた写真を見て
「やっぱり引きつってる!」
と言いながら二人して笑っていた。