スピード
※ネタバレです。
原題 Speed
製作年 1994年
製作国 アメリカ
上映時間 116分
監督 ヤン・デ・ボン
製作 マーク・R・ゴードン
製作総指揮 イアン・ブライス
脚本 グレアム・ヨスト
出演 キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロック、デニス・ホッパー、ジェフ・ダニエルズ 他


あらすじ
ロサンゼルスの高層ビルに爆弾が仕掛けられた。SWAT隊員のジャックは相棒のハリー、隊長のマクマホンらと共に爆弾を解除するが、今一歩のところで犯人を取り逃がしてしまう。

数日後、市内の路線バスが突如爆発。ビルに爆弾を仕掛けた犯人が再び動き出した。犯人は別のバスにも爆弾を仕掛け、速度を80キロ以下に落としたり、乗客を降ろそうとすると爆発するという。

ジャックはなんとかバスに飛び乗るが運転手が怪我をし、スピード違反で免停中のアニーがハンドルを握ることになるが...








「ダイ・ハード」のフォロワー作品の中でも大ヒットを記録した本作。監督が「ダイ・ハード」の撮影監督のヤン・デ・ボンということで、かなり影響を受けているのは間違いないですが、本作はさらに「乗り物パニック」という要素をプラスしたハイブリッド作品に仕上がっています。



物語の続きをざっくり書いておくと、ジャックたちはなんとか怪我した運転手をバスから降ろしたり、無理やり降りようとした女がバスから落ちて死んだり、途中で道が途切れてる高速道路を大ジャンプしながら、市民に迷惑をかけずに走り回れる空港に到着。爆弾解除に取り掛かります。

ジャックが爆弾を解除している間に、相棒のハリーが犯人を特定、家に突入するも罠が仕掛けられており大爆発。ハリーは還らぬ人に...

バス内に監視カメラが仕掛けられていることに気がついたジャック。隊長のマクマホンはカメラの映像をダビングしループ再生します。犯人がループ映像に気を取られている隙に全員バスから脱出に成功。

その後、激怒した犯人はアニーを人質にとり地下鉄内に逃亡。ジャックは格闘の末、犯人の首をチョンパして彼女を救いだしますが、今度は地下鉄のブレーキが利かなくなるという事態に。ジャックは逆にスピードを上げ、電車を脱線させて停止。危機的状況を共に経験した二人はなんかイヤらしい雰囲気になって物語は終了。





まあ大好きっちゃ大好きです。



限定空間、限定条件の中で繰り広げられる犯人との知能戦は、脚本もよく考えられていてとてもおもしろいし、何よりも本作には「乗り物パニック」という要素がプラスされているから、バスが動いている限り常に事態が進行するため、物語の緊張感が途切れないのも魅力的。


その他にもこの年代特有の派手なカーチェイスや無駄に規模のでかい大爆発など、アクションシーンも見応え十分だし、悪役のデニス・ホッパーのクズ野郎感もグッド!


そしてこれは物語の出来とはあまり関係ありませんが、


サンドラ・ブロック演じるアニーが超かわいい!




本作を僕が初めて観たのは小学生の頃。まだ神社に捨ててあるエロ本を見ても何も感じないような純粋無垢な僕が、初めて異性というものを意識したキャラクターは二人いて、それが「逮捕しちゃうぞ」の夏美と、本作のアニー。




アニーはとても気丈で明るく、笑顔がとってもキュートな女性なんですが、一人の若い女の子としての弱さもしっかりと垣間見えるから、




守ってあげたい。
注 松任谷由実




仮にまだ僕が小学生だとして、例えば僕がデパートで迷子になってフードコートあたりでうろうろしていると、ソフトクリームを食べてるアニーが、


「あら、ボウヤどうしたのよ?あら迷子なの?じゃあ一緒に探してあげるからこれ食べて元気だしなさい。」



とか言って食べかけのソフトクリームを差し出されたら多分一瞬で好きになっちゃうだろうなって僕は一体何を言ってるんでしょうか?妻には読まれたくない妄想



とにかく緊迫感のあるストーリー、迫力あるアクション、魅力的な登場人物と、およそ誉めるところだらけの本作ですが、正直好きじゃない部分もあるんですよ...



本作の肝であるバスの件が、第二幕であっさり解決。クライマックスは地下鉄での攻防戦になるわけですけど、この展開は正直言って余計というか。はっきり言ってこのクライマックスよりバスが爆発するかどうかの方がよっぽどハラハラするので、若干の尻すぼみ感はいなめないなぁと。



パニック要素のおもしろさが際立ってしまい、本来一番盛り上がるはずの犯人との対決パートが薄味になってしまった。



という印象。バスの緊張感を持続させたままクライマックスに突入できてたらなぁ...



ジャンルをミックスするって難しいんですね。







あとやっぱりジャックとアニーの恋愛要素は不要だったかなぁ。別に物語上の必然性も無いし...



ていうかわりと最初からこの二人、なんかいちゃこいてるというか、このジャックとかいうボウズ頭、イケメンなのをいいことにアニーにニヤケ顔で近づいてくるし、あまつさえ爆弾を探すふりをしてアニーの足を触ったりしやがる(僕の勘違い)し、アニーもまんざらでもなさそうだから、



ああイヤらしい、イヤらしい!
(*`Д´)ノ!!!



しかもバスから降りた辺りからこの二人、セックスすることばっかり考えてるんだもん!



仮にも相棒が死んだり、市民に多大な犠牲者が出たあとだってのに不謹慎極まりないというか。まあ時代的なお気楽さは他の作品にもありますけどここまで露骨だと正直ちょっと引きます。



まあ身も蓋もないことを言うと、相手がアニーじゃなかったら別にこんなに怒りませんけどね。


なんだかすごく個人的な怒りをぶつけてしまいましたが、キアヌ・リーブスに別に恨みは無いし、本作から彼がスターになっていくのも納得がいく存在感だったと思います。取り乱してごめんなさい...




話は変わりますが本作は日本語吹き替え版がとても良いんです。個人的には本作はビデオで何回も観ていたのでソフト版の吹き替えが一番しっくりくるんですが、地上波版も最高なのでいろんなバージョンで鑑賞するのも楽しいかと。


一応、吹替の帝王のCMを貼っておきます。




僕が馴染みのあるソフト版の吹き替えキャストは、


山寺宏一(キアヌ・リーブス/ジャック)
戸田恵子(サンドラ・ブロック/アニー)
穂積隆信(デニス・ホッパー/犯人)
銀河万丈(ジョー・モートン/マクマホン隊長)
大塚芳忠(ジェフ・ダニエルズ/ハリー)



各キャラクターともはまりがいい!でも地上波版も甲乙つけがたい素晴らしさ!



でも地上波版はなかなか観れないかもしれませんが、ソフト版はTSUTAYAでも配信でも観られると思いますので、是非チェックしてみてください!



文句はありつつも、結局何度も観ちゃう大好きな作品です。



個人的評価
8/10


ではまた。



「乗り物パニック」の古典的作品。こちらのソフトの吹き替え版も○

アクション・スリラーの中に絶妙なバランスで「乗り物パニック」要素、コメディ要素を忍び込ませた傑作。大好きです。