お久しぶりです、小太郎です。

ここ最近平日は毎日夜まで授業、土日は一日中バイトという生活で、とても忙しく生活しています。

忙しいは忙しいですが、目標や夢のための忙しさなので……と思いつつも、1日くらい休みが欲しい……と少し体力的にも精神的にも疲れています😅


アメブロを始めて2年が過ぎ、ありがたいことに僕宛に相談が来ることも何件かありました。

僕も自分の経験が皆さんの役に立てば!と思って始めたこのブログなので光栄でした。


だいたい相談いただくのは同年代の方が多く、僕らの年齢的には進路や就職で将来が不安で早く治療をしたい気持ちが痛いほどよくわかります。僕も昔は、「もっと早く治療をしていたら……」と何度思ったことでしょう。

ただ、20歳を過ぎた僕から言えることは、もう少し慎重に考えて行動しても良いのではないかということです。


胸オペもホルモン注射も改名も、ましてや性別適合手術なんか、一度してしまえばもう元には戻りません。

「やってみたらなんか違った」「思ったようにいかなかったから元に戻したい」なんて思っても、もう簡単には元に戻れない、ほぼ不可能と言っても過言ではないでしょう。

僕自身、18歳で成人してすぐに治療を始めて楽しい生活を送っていたものの、楽しいだけでは終わらずたくさん後悔もして今は治療をやめてしまっています。だからこそ、みんなには取り返しのつかないことになって後悔してほしくないから、もう一度しっかり考えてみてほしいと思っています。

みなさんが今の性別に苦しんでいることを否定するつもりはありません。でも、今までと反対の性別として生きていける強い覚悟があるか、治療したい性別の綺麗な面ばかりが見えていて憧れてるだけで裏のしんどい面も受け入れる覚悟があるのか、ということです。


僕がホルモン治療をやめてしまった1番の原因は、19歳にして禿げたからでした。

ホルモン注射をすればムキムキのマッチョになれる!声も低くなってパス度も上がる!生理も止まる!とホルモン注射の良いところばかりに気を取られ始めましたが、男性ホルモンを注入してからは男性特有の悩みが出てくるもの。

男の人は将来禿げることを心配しています。僕自身も全く心配していなかったわけではありませんが、それよりもホルモン注射のメリットにしか目がいっていなかったのです。

僕は毛髪の8割ほどを無くしました。後頭部と側頭部は地肌がガッツリ見えてます。前髪はもう伸びなくて無いです。自分の80代の祖父と同じくらいの髪の薄さですよ……。これが僕の理想の男性像だったかと問われると、全く違います。本当はもっとパーマしてみたり髪染めてみたりしたかったです。でも、それをする髪すらないんですよ……。

以前X(Twitter)で、海外FTMの人が禿げてしまって後悔しているという動画を出していましたが、その方より僕は禿げてますから相当です。

男性は電車に乗ってると痴漢の冤罪に巻き込まれることもありますし、力仕事も増えますしほとんど手伝ってもらえません。(僕の場合チビだったので力仕事が辛かっただけなのですが)

こういうことのリスクも含めて、それでも男性として生きるという強い覚悟があるか、ということです。


逆にMTFで女性として生きたい方は、女性ホルモン特有の情緒不安定に耐えられるかが心配です。女性は毎月生理前になると死にたくなるくらい気分が落ち込んだり泣きたくなったりしてしまいます。MTFさんは生理がなくても、女性ホルモン注射をすると、このような情緒不安定になってしまうと考えられます。

この情緒不安定はホル切れが起きたFTMさんもなり得ますし、ホル切れが起こるとほてりやしんどさやイライラなど更年期障害のような症状が出てしまいます。

ホルモン治療は身体面だけでなく精神面も変わってしまいますから、精神的にしんどくなっても耐えられないと自死してしまう人も少なくありません。

僕自身、もともとお豆腐メンタルだったうえにホル切れでメンタルが落ちるとこまで落ちて、望んだ性別で生活しているにも関わらず、何度か「死にたい」と思うことがありました。


また、今の生きづらさが本当に性別だけが原因か、ということも性別移行した後の生活に満足できるかに関係すると思います。

僕は今までの生きることの苦しさ、辛さは全て自分の性別に問題があるからで、性別移行してしまえば精神的に元気に暮らせると思っていました。

でも男子学生として生活していてもやはり「周りの人とは違う。普通じゃない」と相変わらず生きづらさは残り、精神科に行ったら社交不安障害でした。そもそも精神的に問題がある人は性同一性障害の診断はできないみたいですが……。


最後は恋愛面ですが、バイセクシャルでもあった僕は今現在結婚を前提に男性とお付き合いをしています。

男性と結婚となると同性婚が認めてられていない日本では戸籍を女性のままにしておく必要があります。

僕は男性名に改名してしまっていますから、戸籍の性別と名前からイメージする性別で齟齬が生じて、病院や役所で何度も身分証明を求められるど日常茶飯事です。(慣れてしまいましたが、これが地味に精神的にくるんですよね……)

こういう点で、名前は中性的な名前にしておけばよかったなと思ったり。氏名の変更は基本的に一度しか認められませんし、変更前なら通称名を記載してもらえたりしますが、変更後に「やっぱり元の名前を通称名として記載したいんですけど」とお願いしても、「自分の意思で名前を変えられてるのでそれはできません」と言われました。(パスポートには戸籍の性別が必要なのと、今ホルモン治療をやめてしまって見た目が女の子っぽく戻ってしまってるので、女子名が書いてあったほうがスムーズに出入国できるかと思いお願いしましたが無理でした)

声も一度変わってしまうともう元の声には戻りませんから、お付き合いしている男性のご両親の理解を得るのは大変でしたし、いくら女の子っぽく喋ろうとしてもオネエキャラみたいになるだけでした。

自分が妊娠・出産したいとは思いませんが、血の繋がった子供は欲しいので、そうなるとやっぱり自分が産むことになる??と考えた時に、産休育休を取ることを考えたり、自分が妊娠してお腹が大きくなることを考えたら、男性として就職するのも難しいのかな、とも思ったり……。

女性として就活するには声で男性だと思われる問題がまたここで発生しますし……。


胸オペして胸に関してストレスフリーで過ごせたこと、男子として送れている学生生活は何も後悔していません。

でもそれ以外の部分は後悔が多いです。この記事を読んで、僕が治療後直面したこれらの問題に少しでも不安がある人は、もうちょっと悩む時間を設けても良いと思います。