●2類相当指定感染症のために医療逼迫、医療崩壊が起こっている。これは政策の誤りという人災である。5類指定に引き下げれば速やかに解消する

 

 (1)前回2021.8.24アップの拙文に続いて書いていきたい。季節性インフルエンザでは毎年1000万人が感染する。関連死を含めて年間1万人~4万人が亡くなる(『コロナ自粛の大罪』本間真二郎医師203頁。鳥集徹氏が7人の医師にインタビューした本である。2021年4月2日発行)。季節性インフルエンザは11月~5月の7か月に流行するので、1000万÷7か月(210日)で1日平均にすると、4万7619人が感染する計算になる。死者1万~4万人を7か月(210日)で割ると、1日平均で47.6人~190.5人となる。毎年のことであるから、ワクチンをリスクの高い人を中心に接種し、感染した時の治療薬タミフルを投与しての数字だ。

 

 だけど、季節性インフルエンザで医療逼迫や医療崩壊など一度だって言われたことはない。もちろん、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置など決して発出されなかった。それは、季節性インフルエンザは感染症法の一番下の5類指定感染症になっているからである。麻疹(はしか)も5類指定感染症だ。

 

 (2)5類指定感染症である季節性インフルエンザへの措置だが、入院勧告もない。就業制限もない。医療機関での汚染場所の消毒措置もない。医療機関は感染者の保健所への報告は原則1週間以内にすればよい。もちろん、政府は国民に対して、「季節性インフルエンザは怖い」などと恐怖を植え付けるようなことは言わなかった。NHKも「今日の季節性インフルエンザの新規感染者数は何名です」と毎日繰り返し発表しなかった。国民も行動を制約されることは全くなく、自由に社会経済活動を行っていったのだ。

 

 高齢者はかかりつけ医へ行ってワクチン接種をした。感染したと思った国民はすぐにかかりつけ医へ行って診察を受けて治療してもらった。重症化の恐れのある患者はすぐに入院して治療を受けることができた。かかりつけ医が入院の判断をした(だが新型コロナでは保健所が許可しなければ入院できない)。なにしろ、日本は人口当たりのベッド数が先進国でダントツで多いのだ。こうして、毎年の季節性インフルエンザでは医療(病床)逼迫は起こることはなかったのである。

 

 (3)新型コロナで医療逼迫、医療崩壊が起こるのは、政府が政策を誤り、2類相当指定感染症にしたからだ。安倍政権(当時)は「新型コロナは怖い」と国民を洗脳した。2020年1月28日に2類相当指定を閣議決定して2月1日から実施した。2類相当指定になると、措置が無症状者にも適用される。新型コロナの毒性は弱いので季節性インフルエンザと異なり、感染しても無症状の者がすごく多い。感染者は入院勧告される。当然、就業制限だ。医療機関で感染者が出れば、消毒が義務づけられる。医師は感染者を直ちに保健所に届け出なければならない。最初は無症状者も入院させられていた。これは最も重い1類指定感染症(エボラ出血熱、ペストなど)と同じ扱いだ。しかし、それではすぐに病床が埋まってしまうということで、同年3月から自宅やホテル療養となった。保健所が入院調整を行うことになる。一般国民も「外出の自粛」を要請されることになった。これは「2類相当以上」の措置である。

 

 感染者との濃厚接触者も、保健所によって2週間も自宅やホテルで健康観察させられることになった。たとえ検査で陰性であっても、発症までの潜伏期間を最長で2週間とするからだ。もちろん、就業できない。

 

 医療機関で感染者が出ると、保健所によって濃厚接触者と見なされた医師、看護師は、自宅等で2週間の健康観察をさせられてしまい、医療を行えない。医療機関でクラスターが発生すれば、保健所によって2週間、停止させられる。その医療機関をかかりつけ医にしている患者は何千人もいるが、診察、治療をしてもらえなくなってしまうのである。

 

 だから、2類相当指定感染症にされたことによって、民間の病院や診療所の非常に多くが、「コロナを診ません」という貼り紙をすることになってしまった。日本には155万床のベッドがあるが、コロナ対応をしているベッドはその3%以下と言われている。4.65万床以下だ。日本は民間医療機関が非常に多くて8割というが、2類相当指定されたことによって、前記の理由からコロナ対応は、公的医療機関と感染症指定医療機関とごく一部の民間病院と診療所のみで行っている状態だ。しかも、2類相当指定とされたために、新型コロナ病床には季節性インフルエンザの4倍の医療スタッフが必要になる。日本は人口当たりの医師と看護師の数は少ないため、必然的に医療逼迫、崩壊ということになった。入院調整は保健所が介入を行うことになった。保健所の許可が出るまでは患者は自宅待機させられるのだ。治療も受けられない待機中に重症化したり、亡くなってしまう人も出ることになった。

 

 (4)長尾和宏医師(長尾クリニック院長)は、2020年3月からクリニック外に発熱外来のテントを張り、新型コロナウイルスの診療にも携わってきた。氏は新型コロナの扱いを、結核やSARS,MERSなどの2類相当指定感染症から、季節性インフルエンザ相当の5類感染症に下げるべきだと主張している。長尾医師の主張を紹介したい。

 

 「民間病院や開業医のみなさんが怖がっているのは、コロナそのものじゃなくて、もう『風評』だけなんですよ。クリニックでコロナのクラスターが発生したら、僕らは終わりなんです。クリニックをやめてしまうしかない。『なんで民間病院でコロナを診ないの?』『開業医は逃げているの?』って言う人もいますが、これは院内でコロナに感染したら、患者が来なくなって、自分がやってきたものがすべて崩れるからなんです。それに、コロナ感染が起こったら保健所が飛んできて、2週間の停止をくらう」「開業医の2週間というのは、一般労働者がコロナになったから2週間家で寝て起きなさいというのと、まったく違うんです。僕らをかかりつけにしている患者さんが何千人っているんです。さらに、うちの場合は在宅患者600人の命を放棄することになる。停止命令を下されることは死刑宣告なんです。なぜそういうことが起こるのか。コロナが2類相当だからです」(『コロナ自粛の大罪』98~99頁)。

 

 「コロナで保健所が介入して、いいことなんかありません。保健所だって2類相当だから対応している」「保健所に感染者数を把握させようとしているのは、権限を握っておきたい厚労省の『コロナ利権』のためなんです」「人災そのもの。はっきり言って。政策ミスです。医者にとって、保健所ってどんなところかわかりますか。警察なんですよ。クラスターが発生したら、警察が踏み込んでくる。『フリーズ(動くな)!』って言われたら、僕らは終わり。たとえば、ペストみたいに珍しくて、恐ろしい病気だったら保健所が入ってきてもいいですよ。でも、ここまで市中に感染が広がったのに、いちいち保健所の許可が出ないと入院できないというのはおかしい。実は、うちでも、コロナで入院待機中に亡くなった方が出ました。それ、誰の責任なんですか。国の責任ですよ。このままだと、全国で待機中の死者が何百人って出てくる。集団訴訟したら、国は負けるでしょう」(99~100頁)。

 

 (5)繰り返すが、医療逼迫、崩壊は政府が新型コロナを無理矢理、2類相当指定感染症にした政策の誤りが原因である。まさしく人災だ。冒頭に季節性インフルエンザの1日平均の新規感染者数4万7619人、1日平均の死亡者数47.6人~190.5人を述べた。これはハイリスク・グループを中心にワクチン接種をして(高齢者介護施設では全員が接種)、治療薬タミフルもあっての数字だ。

 

 新型コロナでは8月に入って、デルタ株のために新規感染者数が急増してきた。8月26日までのデータ(読売新聞)で計算すると、8月1日から26日までの全国の新規感染者累計は46万6675人で、1日平均1万7949人である。同死亡者累計は616人で、1日平均23.7人である。季節性インフルエンザと比較してもらいたい。8月26日時点での新型コロナのワクチン接種は全国民では43.03%、65歳以上では86.70%が2回の接種を終えた。新型コロナは陽性でも無症状の人が多く、検査対象にもなっていない。だから本当の陽性者はもっとはるかに多い。季節性インフルエンザよりも多い。しかし、未成年者の死者がゼロであることでわかるように、新型コロナは季節性インフルエンザよりも毒性が弱い感染症である。

 

 デルタ株で感染者が急増して、政府、コロナ分科会の尾身会長、自治体、マスコミは、医療逼迫、崩壊を言っている。だが、季節性インフルエンザで1日平均4万7619人が感染しても、医療逼迫など全く起こらなかった。5類指定だからだ。政府、政府のコロナ分科会、自治体、マスコミは国民に「外出の自粛を。人流を減らそう」と言い、国民のせいにして、国民の基本的人権を抑圧している。私たちは抗議の声を挙げなくてはならない。「新型コロナは季節性インフルエンザ以下の感染症である。政府の政策が誤っているから、医療逼迫、崩壊が起こっているのだ! 政府は国民に謝罪して、閣議決定で5類指定に引き下げろ!」と。

 

 政府は「お上」ではない。誤った政策を実行する政府は、国民によって糾弾されるのだ。それが、立憲主義、法の支配である(前々回2021.8.14アップの拙文を参照していただきたい)。正義を行う政府が、これまでの政府の誤った政策と対策を自己批判して、国民に謝罪して、2類相当指定を5類指定に引き下げれば、医療逼迫、崩壊は速やかに解消していくのである。民間医療機関が新型コロナ診察、治療に参加するからだ。従って、早期の診察と治療によって、重症化を防ぐことが可能になる。入院待機などもなくなるからだ。コロナ死者をより少なくできる。もちろん、国民は普通の日常(社会経済活動)を取り戻すことができるようになる。「外出の自粛要請」は「2類相当以上」の措置であり、それを新型コロナに対して行うことは、国民の基本的人権を抑圧する明白な憲法違反である。私たちは日本ではウイルス性の一般肺炎で、毎年9万5000人が亡くなっていることを知るべきだ。しかし、国民の社会経済活動は一切制約されていないのである。私たちは科学的に思考しなくてはならない。

 

 (6)私たちは安倍首相(当時)が、「新型コロナは怖い!」と国民を洗脳してきたことを、しっかりと認識して糾弾しなくてはならない。2020年2月25日付の中国共産党の「環球時報」が、日本と韓国に、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、「国を挙げた動員」による強力な措置をとるよう主張した社説を載せると、安倍首相はこれに呼応したのだ。安倍氏は「日中の戦略的互恵関係の構築・強化」「日中協調の新時代」「習近平主席の国賓招待」を主張してきた思想の持主だからである。安倍氏は保守派ではありえない! 仮面を被っているだけだ。

 

 安倍首相は2月26日、国民に多数の観客が集まるスポーツ、イベントの2週間の中止や延期、あるいは規模縮小を要請した。安倍首相は2月27日には閣議決定も行うことなく、独裁によって、全国の小中高等学校、特別支援学校に、3月2日(月)から春休みまでの臨時休校を要請したのである。安倍首相は「新型コロナは怖い」と国民の恐怖を煽っていったのである。そして国民の基本的人権を否定する憲法違反を実行していったのである。日本の新型コロナ政策の誤りはこうして始まったのである。日本の弱体化と日本の全体主義社会化をめざす反日反米左翼は、これを大歓迎したのである。

 

●新型コロナを5類指定に引き下げて、開業医によって早期診察と早期治療を行えるようにすれば、重症化リスクを下げて死者を減らすことができる。感染してもすぐに安心して医療を受けられるようにすることである

 

 (1)まず現状だが、前記・長尾和宏医師は言う。「PCR検査をやっても、結果が出るまで3~4日かかる。陽性だったら保健所に届け出ますが、そこから入院〔保健所が調整する〕まで1週間かかるんです。体力のある人の場合は、治る頃に入院という、もうお笑いみたいなことをやっている。しかも、自宅からむちゃくちゃ遠いところに入院させられる」(前掲書100~101頁)。「入院先が決まるまで時間がかかるので、治療も何もできないで、悪化してしまう人がたくさんいるんです」(94~95頁)。報道されているように、入院待機中に亡くなってしまう人も多くいる。国が殺してるのである。

 

 (2)5類指定に引き下げて、開業医が早期診察・治療を行えるようにすればいいのである。もちろん、重症化のリスクのある人に早くワクチン接種を進めていく。新型コロナに感染しても安心して医療を受けられる体制にするということだ。「患者を死なせないためには開業医を使って、コロナの早期発見と早期治療をしないとダメなんです」(長尾氏94頁)。

 

 長尾氏は言う。即時に結果が出る抗原検査やPCR検査をそこらじゅうの開業医でできるようにする。陽性の患者はもちろん、陰性でもコロナ疑いとみなす人には、重症化リスクを評価する。血栓ができやすいかどうかを測定するD-ダイマー(血液検査)なんかも測定する。高齢者、基礎疾患がある人、肥満、喫煙者など重症化リスクの高いと判断できた人には、フサンやデキサメタゾンの投与を開始する。フサンはコロナウイルスの細胞への侵入を防ぐ効果が期待できる。デキサメタゾンは抗炎症効果がある。小さな民間病院や診療所でも簡単にできる。CTで肺炎の影があり、臨床症状からコロナと診断できる患者には、時間のかかるPCR検査はせず、最初からデキサメタゾンを注射する。こうした炎症を小さなうちに消火する初期治療が開業医でできるようになれば、重症に至る例が少なくなる。それに入院もしなくていいので、重症病床の逼迫によって起こる医療崩壊も防ぐことができる(95~96頁)。

 

 (3)医療逼迫、崩壊。すなわち感染しても早期診察と早期治療が受けられない。だから入院待機中に重症化してしまう人もいる。また死亡する人もいる。これは国の政策の誤りである人災である。国は謝罪して直ちに5類指定に引き下げろ!またこれは、共産党や立憲民主党やNHKなど反日左翼が加わった情報災害である。国民は抗議の声を挙げなくてはならない。

(2021年8月28日脱)

 

(◎私の文をボランティアで入力してくださるという同志の方がいらっしゃれば、荒木和博様へご連絡いただけないでしょうか)