会見要旨

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このたびの日本スポーツ仲裁機構への申立に至るまでに、公平な選考を求め、私たちは日本ボブスレーリュージュスケルトン連盟と何度も意見交換を重ねました。

しかし、改善が全く見られなかったため、やむを得ず、今年三月に専門家の力を借りることを決意しました。
今回名を連ねた私以外の3選手の中には選考に漏れていない選手も含まれております。スポンサーへの配慮などから公の場に立つことは断念しましたが、窮状をどうにかしてほしい!という切なる思いは、4人皆同じで、彼女らの強い後押しを受け申立まで来ました。

それぞれの事情もあるため、選手としては2回五輪を経験させていただき、年長者である私が、選手の声なき声を「現役選手」としてお伝えすることが、今後の競技の発展に繋がると考え、代表してこの場に立っています。
 私自身も今回を含め大きくは二度、選考で不当な扱いを受けました。一度は泣き寝入りし、身体を壊しました。
選手にとって五輪に向かっての道筋が明確にあり、目標を設定することは命です。不明瞭な選考は、競技に集中したくともできない状況に追いやられます。選手は弱い立場です。本当に残酷です。
 
私が最後に出場したトリノ五輪の選考時までは、スタッフも数多くおり、スケルトン競技の特性に合った明確な選考が行われていました。その後、スタッフが激減し、一部の関係者の意向が強く反映され「私物化」が進みました。選考方法がその時々で変わったり、変更されても理由説明もありませんでした。
 加えて、海外遠征という限られた空間の中での選手への理不尽なプレッシャーや、チーム内でのいじめが恒常化しているのも目の当たりにしてきました。口にすると五輪が断たれるという恐怖心ゆえ、選手は窮状をなかなか声にできません。力を失い、他国との差が開いて行くという悪循環を繰り返しています。
 
個人的にはスポーツ記者として取材した経験の中でも、また、その後競技者となってから、別の競技の友人らからも五輪選考で不当な扱いを受けたという話を聞いたことは決して少なくありませんでした。

選考問題や組織の実状はあまり表面化されてはいませんが、スポーツ界、とりわけ小さな競技団体の中では、普遍的に存在しているということを肌で感じています。

 夢を抱いてスポーツに向かう子どもたちにも、このような思いはさせたくありません。何とか食い止め、2020年に迫る東京五輪に向けても日本のスポーツ全体で盛り上げて行くために問題解決を急いでいただきたいと強く願います。
 
 2016年6月27日
 スケルトン選手有志代表 中山英子