みなさま、こんにちは。
今日の沖縄は、梅雨の合間の久々のお天気です
曇りの日は紫外線がそこまで強くないので
それはそれでありがたいですが、
やはり天気が良いのは、気持ち良いものですね。
それでは、前回の続きです。
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先生の厳しい指導を理解できないまま、
クリニックを去ってしまった私。
わたしはもう、前回お話ししたように
感謝の言葉ひとつ、
先生にお伝えすることはできない訳ですが、
そんなわたしにとっての一つの救いは、
先生の患者さんには、私のようにドロップアウトした人ばかりではなく、
きちんとアトピーを治して、クリニックを卒業した方々も
たくさんいたということです。
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【さよなら！ステロイド軟膏 あとがきより】
この改訂版の執筆は300日にも及ぶ、
半徹夜を含めた2年３ヶ月間の1日も休まない
作業の末に終了したものです。
2年をすぎた頃から心身ともに疲れ果て、２、３回は
ギブアップを考えました。
そうした私の揺れ動く心を支えてくれたのは、
アトピー性皮膚炎を克服して、
一人前の人として生活できるようになった人たちが
親子共々来院されて、顔一杯にえみをたたえて
「よかった！」と言った顔を拝見した時の、思わず涙が出てしまう感動でした。
これからも、この本から、一人でもそうした人が出て欲しいと思って
頑張り続けて書き上げました。
校了して、机の上におかれた手書きの原稿を手で触れてみて
我ながら、改めてアトピー性皮膚炎という病気の複雑さを知りました。
何でこんな難しい病気を専門にしてしまったのか、
と後悔でもなく、喜びでもなく、
深刻に考え込んで、これが自分の人生だから仕方ないよと
思うようになりました。
考えてみますと、
チリダニもカビも、人間が快適と思える生活環境を好み、人間が食べているものの
お余を食べて、
自分の生活リズムを持って生きているのです。
そんなことを考えると、チリダニもカビも
なんだか人間の分身のように思えるのです。
チリダニやカビの育成を抑えようと思ったら、
人間自身の生活もある程度抑えなければなりません。
お互いがほどほどの簡素さを持って、同じ生活環境で共存してゆくのが自然です。
その意味でアレルギーとは人間病でもあると思いました。
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原重正先生。
先生の亡き今の世界を、
先生はどのようにみていらっしゃいますか？
先生のいらした頃よりも、
昨今アトピー性皮膚炎の患者は増加傾向にあり、
さまざまな意味での「人間病」は
蔓延しているように私は感じています。
当時、私は先生の思いの一つ一つを誤解し、
自分の運命を憎み、苦しみ、
そして今、先生のような俯瞰した思いにたどり着くまで、
長い長い年月と経験を要しました。
今のわたしは、あの頃の先生がそうであったように、
先生とは違った分野で
「これが自分の人生だからしかたないよ」といったような具合で、
仕事と学びを重ねながら
（先生には叱られてしまいそうですが、）
依然アトピーを抱えたまま、
このかけがえのない人生で起こることの全てを受け入れながら、
生きています。
先生への感謝は語り尽くせるものではありません。
30年前に、わたしのこれからの人生を真剣に考えてくださったことと、
そのご指導の全てに感謝いたします。
お礼をお伝えするのが、こんなにも遅くなってしまってしまいました。
私が今、この身体で
この思いで生きていこうと思えるきっかけを下さったのは、
間違いなく原先生です。
先生に出会えたことは
私の人生にとってかけがえのない幸運な出来事でした。
本当に、本当に、ありがとうございました。