昨晩放送された
NHK-FMのオーディオドラマ
青春アドベンチャー
『ニコルの塔』最終回、
無事ライブで聴き終えました。
最終回は
第17章の残りが
ベースになっています。
オープニング・コールは
能登麻美子と小林沙苗の2人。
まあ、これは
ほとんどの人が予想してた通り
だと思いますけど
うんうんと、ホッとしますね。
第17章の残りというのは
原作では8ページほどということもあり
かなり脚色されています。
内藤沙織が鏡を通して
ニコルと話している場面についての
森本幹弘とサルヴァドールとのやりとりは
原作にもある通りですが
たとえば、現実世界で
幹弘が沙織にそのことを話すシーンは
原作にはありません。
それはでも、ドラマ的には
あってもいいかと思いますし
流れとしては自然でした。
男の子を見たと
ニコルがサルヴァドールに言う場面、
「ハンサムではないけど」
という台詞は
原作にはありません。
でも第3回放送を確認してみたら
この台詞がありましたので
その意味では
このドラマ内では整合性があります。
そこで幹弘のツッコミが入るのは
笑いを誘われました。
これは今っぽくて、良かったです。
オジマに脅迫されている場面で
「あの人は私にとって
大事な人なんだから!」
と叫ぶシーンも原作にはありません。
実は、第8回放送時にも
この台詞はありません。
あの台詞は
奈生子の無意識なんでしょうか。
それとも幹弘の願望なのか……。
なお、ニコルが夜の鏡の向うに
キャンバスに向かう男の子を見たとき
男の子が
「そんなこわい顔すんなって」(p.83)
と話す場面は
原作でもそうですが
ドラマでも
フォローされてなかったようで。
幹弘の視点からは
このときのことが
描かれていないんですよね、
原作でもドラマでも。
拾われなかった伏線
というやつでしょうか(苦笑)
問題は、というか
いちばん気になってたのは
最後の場面でした。
以前、原作の感想で書いた
最後の場面に至るまでに
もう一場面欲しい
というあたりが
ドラマでは補完されている
という印象で
これは期待してただけに
良かったし、嬉しかったです。
興味深かったのは
元の世界に戻るのが怖いと言う
奈生子に対して
幹弘が
「大丈夫、君は自分が思っているより
ずっと強いんだ」
と応じている台詞。
これって、ウランガが
ニコルがお菓子作りをする時や
ニコルを鳥の王の城へ送り出す時の
台詞と同じですね。
つまり
自分に自信を持て
と言っているわけで
これだけは、このドラマなりの
若者に向けたメッセージのような
気がしました。
原作だと、
自分だけじゃなくて
家族や友人など
みんなと共にいるということが
そして、みんなも
生きていくのは怖いという点では
同じだということが
ラストのメッセージに
なっていると思います。
自分に自信を持て
(本当の自分に気づけ)
というのと
みんなも自分と同じ
(でも、みんなもがんばっている)
というのとでは
微妙にニュアンスは異なりますね。
どちらがいいでしょうか。
ちなみに原作では
ドラマの最後のような
奈生子と幹弘のやりとりは
ありません。
原作は、
バロの「逃亡」の絵のように
船のようなものに乗って
元の世界に戻るのが怖い
云々の会話をして
洞窟の向うは朝だ
というところで終ってます。
その、朝だと思う視点も
作者(書き手ないし語り手)なのか
奈生子なのかも
はっきりしません。
(普通に読めば
語り手なんですけど)
小説としては
これでいいのかもしれませんが
耳で聴くドラマとしては
それでは聴き手が安心しない
と脚本家が思ったのかどうか、
今回のような演出になりました。
個人的には
そこまで描いてくれた方が、
分かりやす過ぎるかもしれないけど
ほっとします。
今回のエンディング・ナレーションは
以下の通り。
「ただ今の出演
佐野奈生子…能登麻美子
森本幹弘…小林沙苗
他に
白石涼子、長澤奈央、高戸靖広
川西ゆうこ、三谷悦代、渋谷茂
以上の皆さん」
いわゆる「語り」は
能登さんと小林さんが
こなしてましたから
木村雅史の名前がありません。
あと、院長先生はもちろん
フォリスとアミの出番はなかったので
キャスト総出演というわけには
いきませんでした。
残念。
でも、奈央ちゃんは出てたし
第8回放送時とは
一部、微妙に違う台詞回しがあったので
長澤ファン的には
おいしかったのではないかと。

NHK-FMのオーディオドラマ
青春アドベンチャー
『ニコルの塔』最終回、
無事ライブで聴き終えました。
最終回は
第17章の残りが
ベースになっています。
オープニング・コールは
能登麻美子と小林沙苗の2人。
まあ、これは
ほとんどの人が予想してた通り
だと思いますけど
うんうんと、ホッとしますね。
第17章の残りというのは
原作では8ページほどということもあり
かなり脚色されています。
内藤沙織が鏡を通して
ニコルと話している場面についての
森本幹弘とサルヴァドールとのやりとりは
原作にもある通りですが
たとえば、現実世界で
幹弘が沙織にそのことを話すシーンは
原作にはありません。
それはでも、ドラマ的には
あってもいいかと思いますし
流れとしては自然でした。
男の子を見たと
ニコルがサルヴァドールに言う場面、
「ハンサムではないけど」
という台詞は
原作にはありません。
でも第3回放送を確認してみたら
この台詞がありましたので
その意味では
このドラマ内では整合性があります。
そこで幹弘のツッコミが入るのは
笑いを誘われました。
これは今っぽくて、良かったです。
オジマに脅迫されている場面で
「あの人は私にとって
大事な人なんだから!」
と叫ぶシーンも原作にはありません。
実は、第8回放送時にも
この台詞はありません。
あの台詞は
奈生子の無意識なんでしょうか。
それとも幹弘の願望なのか……。
なお、ニコルが夜の鏡の向うに
キャンバスに向かう男の子を見たとき
男の子が
「そんなこわい顔すんなって」(p.83)
と話す場面は
原作でもそうですが
ドラマでも
フォローされてなかったようで。
幹弘の視点からは
このときのことが
描かれていないんですよね、
原作でもドラマでも。
拾われなかった伏線
というやつでしょうか(苦笑)
問題は、というか
いちばん気になってたのは
最後の場面でした。
以前、原作の感想で書いた
最後の場面に至るまでに
もう一場面欲しい
というあたりが
ドラマでは補完されている
という印象で
これは期待してただけに
良かったし、嬉しかったです。
興味深かったのは
元の世界に戻るのが怖いと言う
奈生子に対して
幹弘が
「大丈夫、君は自分が思っているより
ずっと強いんだ」
と応じている台詞。
これって、ウランガが
ニコルがお菓子作りをする時や
ニコルを鳥の王の城へ送り出す時の
台詞と同じですね。
つまり
自分に自信を持て
と言っているわけで
これだけは、このドラマなりの
若者に向けたメッセージのような
気がしました。
原作だと、
自分だけじゃなくて
家族や友人など
みんなと共にいるということが
そして、みんなも
生きていくのは怖いという点では
同じだということが
ラストのメッセージに
なっていると思います。
自分に自信を持て
(本当の自分に気づけ)
というのと
みんなも自分と同じ
(でも、みんなもがんばっている)
というのとでは
微妙にニュアンスは異なりますね。
どちらがいいでしょうか。
ちなみに原作では
ドラマの最後のような
奈生子と幹弘のやりとりは
ありません。
原作は、
バロの「逃亡」の絵のように
船のようなものに乗って
元の世界に戻るのが怖い
云々の会話をして
洞窟の向うは朝だ
というところで終ってます。
その、朝だと思う視点も
作者(書き手ないし語り手)なのか
奈生子なのかも
はっきりしません。
(普通に読めば
語り手なんですけど)
小説としては
これでいいのかもしれませんが
耳で聴くドラマとしては
それでは聴き手が安心しない
と脚本家が思ったのかどうか、
今回のような演出になりました。
個人的には
そこまで描いてくれた方が、
分かりやす過ぎるかもしれないけど
ほっとします。
今回のエンディング・ナレーションは
以下の通り。
「ただ今の出演
佐野奈生子…能登麻美子
森本幹弘…小林沙苗
他に
白石涼子、長澤奈央、高戸靖広
川西ゆうこ、三谷悦代、渋谷茂
以上の皆さん」
いわゆる「語り」は
能登さんと小林さんが
こなしてましたから
木村雅史の名前がありません。
あと、院長先生はもちろん
フォリスとアミの出番はなかったので
キャスト総出演というわけには
いきませんでした。
残念。
でも、奈央ちゃんは出てたし
第8回放送時とは
一部、微妙に違う台詞回しがあったので
長澤ファン的には
おいしかったのではないかと。
