水曜・木曜は
近代文学館やら国会図書館やらに
調べ物をしに行ってきたんですが
『AKB48白熱論争』
(幻冬舎新書、2012.8.25)は
火曜日のうちに読み終わっちゃったし
さて、行き帰りの車中
そして本が出てくるのを待つ間
何を読もうかいな
と思いをめぐらしていて
目にとまったのがこれでした。

(ちくま文庫、2012.3.10)
サブ・タイトルは
「恋愛で読み解く日本文学」です。
カバー裏の内容紹介には
「日本近現代文学の
恋愛小説の名作を取り上げ、
著者自身の恋愛体験に照らしながら、
主人公たちの謎に満ちた振舞いを
解明する試み」
とあります。
「著者自身の恋愛体験に照らしながら」
というのがミソなんですが、
「照らしながら」これこれこうだ、と
1対1対応でデジタルに当てはめるのではなく
小説の解釈を通して
自分の恋愛体験も解釈していく、という
双方向的なところがミソかと思います。(たぶん)
読み進めていくうちに
「著者自身の恋愛体験」の方が
興味深くなるというか
この人はまあ、どうしてこんなに
多彩な体験をしているのかと
そっちに驚き、小説そっちのけで面白くなる
という困った本でもあります。
だから
普通の文学論を期待して読むと
だんだんと羨ましく、もとい
嫌みに感じられてくるかもしれません(笑)
扱われている作品は22編。
内、自分が読んでいたのは14編。
現代より近代の作品を読んでいる率が高く
一般文学よりミステリを読んでいる率の方が高い。
だから買っておいたようなところもありましてね。
ミステリ系のタイトルをあげておくと
大岡昇平の『事件』
京極夏彦の『姑獲鳥の夏』
三島由紀夫の『音楽』
谷崎潤一郎の『鍵』
江戸川乱歩の『陰獣』
久生十蘭の『予言』
藤原伊織の『テロリストのパラソル』
芥川龍之介の『薮の中』
そして自分は未読でしたが
藤沢周平の『神隠し』といったところでしょうか。
三島の『音楽』は精神分析を援用した謎解きに
ミステリそのものの面白さがありますし、
谷崎の『鍵』はフランス・ミステリ風の作品で
横溝正史が谷崎の新書判全集の月報で
探偵小説の傑作として称揚しています。
殊に谷崎の『鍵』は傑作でして
植島の本によれば、当時、
文壇側からも不評だったそうで、びっくり。
文学観の変遷と時代の限界を感じますなあ。
乱歩の『陰獣』は
一般的にいわれる人数より多い
一人五役の作品として評価していて
セバスチアン・ジャプリゾの
『シンデレラの罠』よりすごい
といっているのが面白かったです。
芥川の『薮の中』は
犯人探しをするように見せて
犯人探しをずらすような書き方をしている
のかなあ、と
書いている今になって思ったり。
それはともかく
(ひとつひとつ感想を書いていくと
キリがないのでw)
植島の本自体は
意外とまじめに先行文献を押さえていて
ライトなエッセイに留まらないのですが
さくさく読めるのが良かったです。
あと二、三日経つと
内容を忘れてしまいそうですが
ここに書いといたことは憶えてるかな(苦笑)
結局、備忘録的感想なんじゃーん
というオチでした。
(オチなのか??? w)
近代文学館やら国会図書館やらに
調べ物をしに行ってきたんですが
『AKB48白熱論争』
(幻冬舎新書、2012.8.25)は
火曜日のうちに読み終わっちゃったし
さて、行き帰りの車中
そして本が出てくるのを待つ間
何を読もうかいな
と思いをめぐらしていて
目にとまったのがこれでした。

(ちくま文庫、2012.3.10)
サブ・タイトルは
「恋愛で読み解く日本文学」です。
カバー裏の内容紹介には
「日本近現代文学の
恋愛小説の名作を取り上げ、
著者自身の恋愛体験に照らしながら、
主人公たちの謎に満ちた振舞いを
解明する試み」
とあります。
「著者自身の恋愛体験に照らしながら」
というのがミソなんですが、
「照らしながら」これこれこうだ、と
1対1対応でデジタルに当てはめるのではなく
小説の解釈を通して
自分の恋愛体験も解釈していく、という
双方向的なところがミソかと思います。(たぶん)
読み進めていくうちに
「著者自身の恋愛体験」の方が
興味深くなるというか
この人はまあ、どうしてこんなに
多彩な体験をしているのかと
そっちに驚き、小説そっちのけで面白くなる
という困った本でもあります。
だから
普通の文学論を期待して読むと
だんだんと羨ましく、もとい
嫌みに感じられてくるかもしれません(笑)
扱われている作品は22編。
内、自分が読んでいたのは14編。
現代より近代の作品を読んでいる率が高く
一般文学よりミステリを読んでいる率の方が高い。
だから買っておいたようなところもありましてね。
ミステリ系のタイトルをあげておくと
大岡昇平の『事件』
京極夏彦の『姑獲鳥の夏』
三島由紀夫の『音楽』
谷崎潤一郎の『鍵』
江戸川乱歩の『陰獣』
久生十蘭の『予言』
藤原伊織の『テロリストのパラソル』
芥川龍之介の『薮の中』
そして自分は未読でしたが
藤沢周平の『神隠し』といったところでしょうか。
三島の『音楽』は精神分析を援用した謎解きに
ミステリそのものの面白さがありますし、
谷崎の『鍵』はフランス・ミステリ風の作品で
横溝正史が谷崎の新書判全集の月報で
探偵小説の傑作として称揚しています。
殊に谷崎の『鍵』は傑作でして
植島の本によれば、当時、
文壇側からも不評だったそうで、びっくり。
文学観の変遷と時代の限界を感じますなあ。
乱歩の『陰獣』は
一般的にいわれる人数より多い
一人五役の作品として評価していて
セバスチアン・ジャプリゾの
『シンデレラの罠』よりすごい
といっているのが面白かったです。
芥川の『薮の中』は
犯人探しをするように見せて
犯人探しをずらすような書き方をしている
のかなあ、と
書いている今になって思ったり。
それはともかく
(ひとつひとつ感想を書いていくと
キリがないのでw)
植島の本自体は
意外とまじめに先行文献を押さえていて
ライトなエッセイに留まらないのですが
さくさく読めるのが良かったです。
あと二、三日経つと
内容を忘れてしまいそうですが
ここに書いといたことは憶えてるかな(苦笑)
結局、備忘録的感想なんじゃーん
というオチでした。
(オチなのか??? w)