$圏外の日乘-いたって明解な殺人
(2010/二宮磬訳、新潮文庫、2011.4.1)

あるサラリーマンが
妻を殺した容疑で裁判にかけられる
その顛末を描いた作品です。

全体が3部に分かれていて、
第1部は、妻の死に至るまでの経緯が
被疑者の視点から語られており、
精神的な病を抱えた(?)妻と
知的障害児を家族とすることになった
夫の心情が語られていきます。

第2部は、過去のある事件で失敗し
落ちぶれた窓際族の検事の視点から語られ、
第1部で起きた事件の調査が描かれます。

この第2部(第1部もそうかも)、
アメリカのベストセラー小説なら
それなりに延々と書きそうな内容なのですが、
この本は割とさらっと流してます。

そして第3部、第1部の冒頭でちらっと出てきた
妻殺しの裁判の進行(審行)が描かれます。

この部分は、良質の法廷もののパターン通りで
意外な展開で読ませます。

パターン通りで意外、というのも
変ないい方ですけど(^^ゞ

300ページほどの短い小説ですが、
昔はこれくらいの長さが普通だったわけで、
そういうことも踏まえて
ちょっと通っぽい感想を書くとすれば、
昔、東京創元社から出ていた
植草甚一監修の叢書
クライム・クラブみたいな作品、
ということになるかもしれません。

訳者あとがきでは
リチャード・ニーリイを
引き合いに出してますけど、
まあ、それも何となく分かる。
(分かる人には分かるw)

小味な秀作、というところですかね。

500ページ、600ページに及ぶ
分厚い作品に辟易している方に、
おススメといえましょう。

長けりゃいいってもんでもないのは
もちろんなんですが、
個人的には、本書の第二部は
もう少し書き込んでも良かったかも
と思います。

性的描写などは現代的なんですが
(要するに、やや露骨【苦笑】)
第1部の処理など
ちょっとクリスティーの某作品を
思い出したり。
(内容ではなく、テクニックの方で)

詳しく書くと
ネタばれになりそうなので
この程度で(^^)


 ***


昨日放送分から
Lay さんがエンディングを歌う
アニメ『たまごっち!』
観てみました~。

ドラマの内容は措いといて
(ふだんの自分が観ないタイプのアニメです【藁 )
エンディングの「Calling!」ですが、
今までとは違い、軽快というか、
まさにアニメ・ソングという感じの曲でした。

声の感じが、たとえば
『この愛であるように』収録曲とは
全然違う印象ですね。びつくり。

ちなみに、作詞は Lay さん本人です。


青春アドベンチャー『小袖日記』第6回、
いよいよ、原作の中では最高傑作と思われる
「葵」の章に入りました。

平田裕香も久しぶりに出演。

ちなみに奈央ちゃんの登場は
次の「明石」の章の回となります。
(放送第8回。水曜日です!)