
(キングレコード KIBF-835、2010.11.26)
キャロル・リード監督、
ピーター・シェイファー脚本、
1972年制作の、えーと、
制作がユニバーサルなのでアメリカ映画
ということになるんでしょうか?
日本公開は1973(昭和48)年の1月。
公開当時のパンフレットの復刻版(写真下・右)と、
8ページのリーフレット(写真下・左)、
3枚のポストカードが
封入特典として付いている他、
1977年にテレビ放映された時の
吹替え音声を収録しています。
雑誌『ミステリマガジン』の
DVDレビューで紹介されていたのを読んで、
面白そうだったので買ってみました。
キャロル・リードは
映画『第三の男』(1949)の監督だし、
ピーター・シェイファーは
『ナイル殺人事件』(1978)の脚本家
アンソニー・シェイファーのお兄さん。
ピーターとアンソニーが合作で
ミステリを書いていることは、
前にも書いた通りです。
主役のミア・ファローは偶然にも(?)
その『ナイル殺人事件』で
重要な役を演じてました。
実は『フォロー・ミー』の中で
ミア・ファロー演じるベリンダが観る映画として
オリヴィア・ハッセーが出ている
『ロミオとジュリエット』(1968)の
ワンシーンが流れます。
(オリヴィア・ハッセーの顔は残念ながら、
劇場のポスターでしか確認できませんが)
意外と縁が深いような、そうでもないような(藁
会計士のチャールズは
妻のベリンダが浮気をしているのではないかと疑い、
私立探偵を雇って素行を調査させます。
その報告にやってきたクリストフォルーは、
外交官風の美男子と会っていると
チャールズに告げるのですが……
劇場予告編を先に観たので
さほどサプライズは感じませんでしたが、
もともとミステリ映画ではなく
恋愛映画なので、
サプライズを云々するのも
おかしいわけで(苦笑)
派手な演出や意外な展開はありませんが、
クリストフォルーがベリンダを尾行して
ロンドンの名所を巡る場面の美しさ、
ただ美しいだけでなく
ユーモアあふれる描写が挟まるあたり、
実に楽しい映画でした。
独身男性にとってはある意味
奥が深い映画かとは思います(苦笑)
とはいえ、年代的にはチャールズに近い
今の自分ですが、
違う階級の男と結婚して持つようになる
ベリンダの孤独感を、
チャールズがなかなか理解できないことが
理解できなかったり。
それは観客の立場にいるからこそ、
いえることかもしれませんけどね。
出だしだけ吹替え版で観てみたんですが、
クリストフォルーの声はコロンボみたいだなあ
小池朝雄かなあ、と思っていたら、
声を当てているのは石田太郎だったようで。
(Wikipedia によれば)
なるほど、ある意味コロンボだわ(苦笑)
ベリンダがチャールズのことを
「あんた」と呼ぶのは、
アメリカ娘でヒッピーだからだとしても、
違和感があるなあ。
ところで何で面白そうだと思ったのか、
『ミステリマガジン』の記事を確認したら、
何とこの映画、
「『鏡の国のアリス』のモチーフとする
仕掛けや隠喩が徹底的に埋め込まれて」
(2011年2月号、p.230)
いるのだそうで、それに惹かれて買ったことを
思い出しました(忘れるなよ【苦笑】)
しかし、そーなのかー
さっと観た限りでは気づきませんでした。
こりゃ、も1回、観なくちゃいかんかのう……