



場所に預けていたのだが、最近ようやく自宅に運ぶ事が出来た。
さっそく今日弦を替えてみた。
弦替えはGelas1927年の時手間取ったが、要領を把握したので、難なく弦
を替えられた。
メープルのGelas1927年との違いは比較してみると、あまり違いはない。
大きな違いといえば、胴の幅が1914年の方が、やや広い点である。それ以
外についてはピックガードの形状が異なるくらいで大きな違いはない。
裏のお尻の形もほとんど違わない。カラーチェなどと違い随分と小さなお尻で
ある。しかも頂点の部分がほとんど円球に近く丸まっている。
カラーチェのお尻が豊満な熟女のお尻なら、Gelasのは小娘のお尻に見える。
(ちょっとエッチな表現だが分かりやすいでしょ。)
いずれにせよ、この時期のGelasのローズウッドのものは、その後のメープルの
ものと作りに大きな違いがないのだが、、、。
音は?
素晴らしい、、、、、、、、、
メープルのものでも、あれだけの音がしたが、、、
特に中低音の深みはこちらの方が上である。メープルで弾いた同じ曲を弾いてみ
たが、強弱も反応しやすいし、音色もしっとりしている。
サンサーンスの白鳥とか、フォーレの夢のあとにとか、マスネのタイスとかフラ
ンス物のジンとくる曲を立て続けに弾くが、Gelasメープルを含め他の楽器では
表現できない味わいを出す事が出来た。
残念なことに、E線の高音部がビビル。ネックの反りは感じられないので、フレッ
トが浮いているのかもしれない。ただ、それでもメープルより音が鋭く反応する
ような気がする。
なお使用している弦は同じ弦である(EAオプティマ赤DGトマスティーク)
という訳で、ローズウッドを再認識する結果となった。
どういう訳か、最近のものもオールド時代のも上級モデル、高額品になる程メープル
である。何故??
やはり見た目が高級に見える。虎目の方が見栄えがよい。ローズウッドと比較してし
まうと圧倒的である。さらにリブ削り込みなどすると余計である。
音ではないと思う。高級そうに見えるからではないか?こうして客観的に弾きくらべ
るとローズウッドは捨てたものではない。
我々は見た目で判断してしまう事が多い。同じ形なら、見栄えのするものが欲しくな
る。その心理を狙っているのである。楽器店では騙されないように目隠しして試奏す
る事だ。
少なくとも、私の感性がまともなものなら、Gelasについては絶対ローズウッドだ。
なぜ後期のGelasはメープル主体に作ったか理解に苦しむ。
Gelas1914年No3000は素晴らしい名器だった。
E線のビビリを早く直して、フランスのエスプリを感じさせる曲を多く弾きたい。
なお、3枚目の写真はGelas1914年のケースである。
Gelas1927年も同様な形の木製ケースだった。
曲線部分を含め外側は全て木で出来ています。こういうケース
は今ではお目にかかれません。
<5月17日追記>
メープルのGelasの方が、早弾きした時、明確に聴こえるような気がする。
音の分離という観点では、メープルである。どちらも捨てがたい魅力がある。
でも、やはり私はローズウッドのGelasがいい。心にしみ込むようなしっとり感、
がたまらない。この楽器は誰にも譲らない。
<5月18日追記>
Gelasを小娘の尻、Calaceを豊満な熟女のお尻と形容したが、ピンとこない
でしょう。なので、比較した写真を上に掲載しておきました。
右がGelas1927年左がCalace1925年です。ほぼ同時期のものなのに
こんなに膨らみが違うのです。胴体の容量が大きいCalaceの方が低音部が響きそ
うですが、実際にはGelasの方が豊かに響きます。二重構造のおかげでしょう。