先週、父が亡くなりました。
母が亡くなってから14年、一人で頑張っていました。
父はここ1~2年は入退院を繰り返していたことや、もう80代だったのである程度覚悟はできていましたが、いざその時がくると込み上げてくるものがありました。
うちの父は子煩悩の方だったと思います。
私が子供の頃は、キャッチボールの相手をしてくれたり魚釣りに連れて行ってくれたりしていました。
70代くらいまでは自転車を乗り回していたりして比較的元気でしたが、80を超えてから目に見えて衰えていったように見えました。
亡くなる前の日も入院していた病院に面会に行きましたが、話しかけてももう言葉は返ってこず、私はただただ手を握ってあげることしかできませんでした。
翌朝、病院から呼び出しがあり駆け付けた時は、わずかの差で死に目には間に合いませんでした。
看護師さんたちが看取ってくださったそうです。
私は父のまだ温かい手を握って「たいした親孝行できなくてごめん」、そう呟いていました。
そのあとは、喪主として葬儀の準備や開催などであっという間に時間は過ぎていきました。
ただ、死に目には間に合いませんでしたが、亡くなる前の晩に父が夢に出てきました。
夜寝ていると、誰かに手を握られたのです。
握られた方を見てみると手を握っていたのは父でした。
とっさに私は面会の時に恥ずかしくて言えなかった言葉を掛けました。
「今までありがとう!」
父が「オゥ」と頷いたところで目が覚めました。
父が亡くなったのはその夜が明けた日です。
今思えば、死に目に間に合わないのが分かっていたから夢に出てきてくれたのではないのか、面会の時に父の手を握っていたので握り返してくれたのではないのか、そう思っています。
そう考えると父にはこう言いたいですね。
「最後に夢に出てきてくれてありがとう!」と。