ホクレンフラッグと言えば、北海道の夏のツーリングシーズンにバイクでホクレンのガソリンスタンドで給油した時に、1本200円で買えるフラッグで、道外からのツーリングライダーは、各地域ごとに設定されているこのフラッグをコンプリートすることを目指している方も多いと思います。

 

昨年も3種類の色が設定されていました。


道産子ライダーはあまりこのフラッグには執着心はなく、いかに短距離で全種類をコンプリートするかというのをネタとしてブログ等にアップされている方がいる程度かと思います。

 

私もリターンしてから1度だけ当時4種類だったフラッグをコンプリートしてみたことはありましたが、毎年やっていることだし、近所のホクレンに行けば少なくとも1本は手に入るので、今は特にフラッグを集めるためのツーリングはしていません。

 

このホクレンフラッグ、昔は無料でもらえたんですね。

80年代から90年代、まだネットのない時代、道民の私でさえフラッグをなびかせて走るバイクを見て、どこで手に入れたんだろうかと思っていました。

 

そんな90年代初めの夏のこと。

私は当時住んでいた道南のある町から札幌の実家にCBR250RRで帰省ツーリングをしていました。

そして給油のため田舎のとあるガソリンスタンドに入って給油してもらいました。(当時セルフはまだない。)ホクレンのスタンドでした。

 

その時は、ボストンバッグ一つをツーリングネットで後部座席に積載しただけで、明らかに長期間の旅のライダーには見えませんでしたし、何より函館ナンバーだったので地元ライダーと分かったはずです。

 

にもかかわらず、給油してくれたおじさんが、

「これ持ってけ」

とホクレンフラッグを渡そうとしてきました。

私は札幌に行くだけだったので

「地元なのでいりません」

と断ったのですが、

「いいから持ってけ」

「いや、だから札幌に行くだけなのでいりません!(わかんないなぁ、このおじさん)」

 それでも

「いいから持ってけ!」と。

 

そんなやり取りを数回繰り返した後、終いにはおじさんは強引にツーリングネットにホクレンフラッグを括り付け、私はそのまま走ることとなりました。

あの時に、満足そうな顔で私を見送ってくれたあのおじさんを今でも忘れることはありません。

 

その時、道外からのツーリングライダーはこうやってフラッグをもらっていたのかと

思いました。

今はライダー側からフラッグを買うのに対して、昔はホクレン側からライダーに渡すものだったという話でした。