アメリカでじわじわと日本酒人気が高まるに連れて、日本酒に対する日米の感覚の違いが、だんだん鮮明になってきたように感じる。


こだわりの文化を背景に進化を続ける日本酒に対し、海外に広がるSakeは世界の食文化を吸収しバラエティー豊かに成長していくのではないか。


その意味で、日本での取り組みについて、「アメリカとはちょっと違うな」と感じることがある。例えば、①スペックへのこだわり、②國酒の命名、③ユネスコ登録、の3つだ。


①スペックへのこだわり:

最近の新商品の情報を見ていると、使用米、精米歩合の違いから、生酛などの製造方法、ひやおろしなどの季節商品、生原酒、微発泡、雫酒、と瓶囲い、ヌーボーなど特殊なスペックでないと売れないような印象だ。酒オタクが多い日本の市場はこれで良いのだろうが、日本以外には複雑過ぎる。海外の日本酒市場はスペックをシンプルに、味わいを多彩にした方が良いのではないか。


また、酒ソムリエに必要な知識も、「⚪︎⚪︎県で代表的な杜氏集団は?」などという細かい知識よりも、銘柄にまつわるストーリーや酒の楽しみ方を中心にした方が、実際にソムリエに求められる資質なのではないか。


②國酒へのこだわり:

確かに日本酒は日本の「國酒」には違いないが、米とこうじを使えば、酒は他の国でも作れるし、国によって好む味わいも違う。「Sake」という言葉に、すでに“日本発”の意味合いがあれば、どの国でどのように進化しようと構わないのではないか。むしろ「國酒」の縛りを外して、世界のSake になってもらいたいと思う。


③ユネスコ無形文化遺産:

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたというが、どれだけ効果があるのだろう。他にはどんな文化遺産があるのか。キムチ、トルココーヒーも同時に登録されたというが、注目されているようには見えない。キムチが登録されるなら天ぷら、すし、すき焼き、納豆、日本酒の単独でも登録出来そうに感じる。


勝手なことを言って、僕の思い違いの可能性もあるので、アメリカ人に聞いてみたいと思う。


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