「レアアース鉱山買って復興? 11年度予算に80億円。23日の衆院決算行政監視委員会の下部組織・行政監視に関する小委員会。奥野総一郎委員(民主)は「被災地の声を聞くと、レアアース対策を復興予算とみるのは(解釈が)広すぎる。一般財源でお願いしたい」と疑問をなげかけた。 」(朝日新聞10月25日社会面より)。復興予算が被災地域以外に使われている問題で、先日、決算行政監視委員会の審議が行われた際の記事です。私の発言は、復興予算のうち「国内立地補助事業」に関するもので、この事業は「震災を契機に、~産業の空洞化が加速するおそれがあることに鑑み、~供給網(サプライチェーン)の中核分野となる代替が効かない部品・素材分野と我が国の将来の雇用を支える高付加価値の成長分野における生産拠点・研究開発拠点に対し、国内立地補助を措置する。」(復興の基本方針)とされています。復興の基本方針からは、空洞化対策が主であるように読めますが、実際に、採択となった510件中、被災3県に関するものは31件、予算額にして2950億円中6%のみでした。基本方針は「また、空洞化対策として~レアアース等の調達制約に起因する、生産拠点の海外移転を防止する観点から、探査、開発、権益の確保及び代替材料開発を促進する。」と続きます。審議の中で立地補助の被災地への経済効果が問われましたが経済産業省からは明確な回答はなし。百歩譲って被災地への間接的な波及効果を認めるとしても、レアアース等への投資は被災地との関連性が薄いのは明らかです。今回の審議では他に、南氷洋の調査捕鯨の実施事業や刑務所での小型重機の購入等がとりあげられましたが、省庁が復興との関連を問われて答弁に窮する場面が何度もありました。捕鯨にしてもレアアースの権益の確保にしても、それ自体は必要な施策ですが、復興増税の予算で行ったことが大きな問題なのです。 決算行政監視委員会の準備のため、宮城県に視察に行きましたが、沿岸捕鯨の基地である石巻市の漁港では、道路が寸断されたまま、また、港も地盤沈下したままであり冷蔵施設もありませんでした。南極の捕鯨に使う予算があれば、捕鯨に使う漁港の早期の復旧・復興に使うべきです。このままでは被災地の復興はまだまだこれからにもかかわらず、被災地外で使い切られて復興予算が足りなくなる恐れがあります。このような予算を通してしまったことを国会全体として反省するとともに、復興予算全体を見直し、被災地に関連するものに集中して投資するよう組み替えなければなりません。