そう。
未経験で、行政書士で開業した場合、どうも手近で始めやすい、って思うらしいんですね。
相続業務は。

最近、立て続けに、数人の、登録間もない行政書士サンと話す機会が何度かありました。
行政書士の業務は広いので、皆さん専門があります。
ゆえに、初対面の挨拶では「専門は何ですか?」という質問がお決まりです。
そんな時に、
「とりあえず相続をやっていこうと思っています」というお答え。

ちなみに共通するのは、登録1年以内、20代~30代男性。前職で相続業務の経験はなし。

ある無料相談会で一緒になった方もそうおっしゃるので、
たまたま最近見つけた「庶子の嫡母関係」の戸籍の話をしようと思って、

「家督相続…わかりますか?(*^_^*)」って聞いたら、

しばし沈黙のあと、

「…昔の制度ですよね。それが何か?(・_・)」

…やっぱり?(¬_¬;)

「3代前、4代前の先祖が亡くなって、名義を変更しないままってことはざらにあるじゃないですか?(´・ω・`)」

「あ…そうですね(・_・;)」

その時持っていた資料の中から、民法の旧法からの変遷の資料を差し上げて、「勉強して下さい(^^)」

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士業は、登録して開業すればプロですから、自己責任でやっていけばいいと思いますが、

個人的な想いとして、
あまりにド素人な、民法レベルで相続業務をやろうとしているのを見ると、
行政書士の名がすたるからやめてくれ~と叫びたいのが本音だったりします。

せめて覚えて欲しい関連事項。
  ↓ ↓ ↓
・民法(旧法から現法までの変遷)
・戸籍法と住民基本台帳法
・後見(遺言能力の問題ともからみますね)、未成年後見
・介護保険、介護施設、介護サービス
・民事信託、遺言信託(障害者の親なき後問題、再婚の場合の前婚の子供からの遺留分減殺請求にも対応)
・遺言、公正証書
・遺産分割調停して調停調書はあるのに登記手続きしないままで、さらに相続が発生したら承継執行文が必要とか、
・親権(養子に行って養親が2人とも亡くなったら親権はどうなる?)とか、
・氏(名字)の問題(離婚も含む)、
・税金(相続税、贈与税、不動産取得税、譲渡所得税など)、
・生命保険、年金
・亡くなったあとの手続き全般
・中小企業の承継(「中小企業経営承継円滑化法」や会社法)

最近、相続の相談でいらっしゃっても、お話を伺ってみると「後見かな~」というケースも増えています。
個人的には、必ずしも後見制度に賛成、ってわけじゃないので、悩みますが。。。