健康診断で注射を刺された

自分の血の色を見た

改めて見ると別に赤くない

少なくとも鮮やかではない
彩度がだいぶ低い

とはいえ
針が刺さっている腕を
凝視するようなタイプではないから

針を抜いた後に転がってる
試験管を見てそう思った

大抵下向いて目を閉じてる



しかし看護師ってすごいな

他人の腕に針を刺すなんて
僕には無理だ



人を描く時に
ある程度の骨や筋肉の形状を
把握しながら描こうとする為に
人体模型みたいな
資料を眺めるのだが

その時にも思う

皮膚の内側では色んな営みが
僕の意志とは関係無いところで
勝手に動き回ってると思うと
謎だし怖いし変な気分になる

生まれてから死ぬまで
肉体は常に生きようとして
正常に駆動し続ける

その前提の上で
今日も僕は此処に
こんな言葉を綴っている