【千葉例会】沖 千葉例会 8月 特選句 | 航海日誌

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創刊50周年「沖俳句会」公式ブログです。
主宰 能村研三 創刊主宰 能村登四郎

 

沖 千葉例会 8月

紙上句会

特選句

 

 

能村 研三 選

 

≪特 選≫

 草の市雨ともいへぬ雨の中       井原 美鳥

(評) 今年のお盆の三日間は雨が続いた。お盆の用意のために、蓮の葉や真菰筵、茄子、鬼灯、溝萩、苧殻、土器などを売る草の市が建つ。

雨とも言えぬ雨とは降ったり止んだりの微妙な天気だったのだろう。

しっとりとした風情を感じる句である。

 

≪準特選≫

 近づき来る津軽三味線の音星月夜    藤原 照子

(評) 八月の青森は各地でねぶた祭などのお祭りが賑やかに行われる。

津軽三味線の音色が各所に響きわたる。遠くから聞こえてくる津軽三味線の音にいよいよ興奮が増してきた。

 

森岡 正作 選

 

≪特 選≫

 かなかなの鳴きて一山淋しゆうす    内山 照久

(評) 蜩と一山の組み合わせは案外よく詠まれるが、作者の感情移入によっていろいろな世界に発展する。特に夕蜩は一日の無事、平穏さらには鎮魂の思いに至らしめる。一山を巻き込むように鳴き、作者の意識が身体を離れた、そのしみじみとした感情と思う。

 

≪準特選≫ サイン色紙ならぶ残暑のラーメン屋   古居 芳恵

 (評)ラーメン好きは、この暑さの中でも熱々のラーメンを食べたいものであろう。旨いという評判の店で老夫婦がやっていたりする。所狭しと芸人やスポーツ選手の油で赤茶けたような色紙が貼ってある。何もかも油でべたべたした感じであるが美味しいのである。