【東京例会】沖 東京例会 8月 特選句 | 航海日誌

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創刊50周年「沖俳句会」公式ブログです。
主宰 能村研三 創刊主宰 能村登四郎

 

沖 東京例会 8月

紙上句会

特選句

ひまわり

 

 

能村研三選

【特選】

稲つるび走る水面の冥さかな      里村 梨邨

 

【評】「雷」は夏の季語だが、「稲妻」は稲という語の関係から秋となる。秋になると、ぱっぱっと空が光る現象になり、その光が稲穂を孕ませると昔の人は考えたようで「稲つるび」と呼んだ。この句も水面の冥さから何となく秋の気配を感じさせる。

 

【準特選】

土用干愛とふ手間を繰り返す      平松うさぎ

 

【評】毎年繰り返し同じように梅を干してきた。梅のひとつぶひとつぶをいとおしむように毎日同じ作業が続いた。これはまさしく愛という手間なのだろう。

 

 

森岡正作選

 

【特選】

日焼子のあるかなきかの力こぶ     福島  茂

 

【評】小学校の低学年くらいの子が想像される。瘦せて頼りなさそうであるが、遊びまわって一人前に日焼けしている。これから逞しくなるであろうが、「あるかなきかの力こぶ」は良い発見である。

 

【準特選】

潮傷みせし風鈴の音を愛す       能村 研三

   

【評】海辺の家の風鈴である。潮風はいろいろな物を傷ませる。山国は樹木の風自体が柔らかいが、海風はまともである。そんな中で健気に鳴る風鈴を作者は愛おしいのである。