【千葉例会】 2月 千葉例会 特選句 | 航海日誌

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創刊50周年「沖俳句会」公式ブログです。
主宰 能村研三 創刊主宰 能村登四郎

≪「沖」千葉例会 紙上句会 2月 特選句≫

 

 

能村 研三選

 

【特選】

雪中に織り雪中に晒す布     村上 葉子

 

(評) 越後上布の雪晒しを詠んだ句である。

一本一本手作りした極細の麻糸を使って雪が降りしきる中に

織り上げたものを、少し締まった雪上に晒す。

極めて美しい世界である。

 


【準特選】

春星や矯めれば崩れ一行詩     大沢美智子

 

(評) ここで言う一行詩とは作者にとっては俳句のことなのだろう。

矯めるとは曲がったものを真っ直ぐにする意味だが俳句を

悪戦苦闘しながら推敲している様子が窺える。

きっと春星の煌めきの句になったに違いない。

 

森岡 正作 選

 

【特選】

艫網を結ぶ手太し春ならひ   古居 芳恵

 

(評) 漁師の手が太いのは当たり前かも知れませんが、

俳句の素材となるべき景を的確に把握したと思います。

春とは言え、まだまだ風も冷たく荒々しいなか、

漁師がきびきびと作業をしている。

その手の太さと気迫に作者も勇気をもらったのでしょう。

 

【準特選】

春風やトラックに乗るブルトーザ   鈴木 基之

 

(評)冷静に考えると大型のトラックにはブルトーザも載るでしょうが、

一読、何かちぐはぐなあべこべのような錯覚に陥ります。

春風の柔らかさがユーモアを誘うようです。