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 津波に襲われながらも残った松林の中に、湿地帯があります。震災前からある「汀沈釜」です。汀が沈むとは不思議な名前です。釜というのもどんな意味かなと思ったことがあります。広辞苑では、小さな淵の意味のようです。岩沼市の沿岸部にも「相の釜」という地名がありますが、同じ意味なのでしょうか。
 ここは松林の水が貞山運河に流れ出る場所になっています。明治時代初めに貞山運河が完成する前からあったのかも知れませんが、大雨になると満水になって水際が沈んだのでしょう。今は、震災後の地盤沈下のためか湿地帯が大きく深くなったようです。
 この湿地の傍に汀沈稲荷神社がありました。岩沼市にある竹駒稲荷神社(お稲荷様)の御使いの狐様がここまで通ったという言い伝えがあり、地元のおばあさん達が、お参りに来ていました。
 しかし、大震災の津波で流され土台だけになってしまいました。震災から3年過ぎた今は、神社の前はニセアカシアなどが繁茂していました。
 今日、町内会の役員になっている先輩とまちづくりアドバイザーにもご協力いただき神社の前を枝払いすることができました。
 稲荷神社は流されましたが、お稲荷様の御使いでもある狐は、松林の中に戻ってきているようです。
 作業終了後、狐の好物といわれている、油揚げを奉納しお参りしました。