いのちの日
川越市のおかやす学(岡安学)です。
命日(めいにち)とは、故人が亡くなられた日のことです。
同じ月で、同じ日のことを、祥月命日(しょうつきめいにち)と言います。
吉祥(きっしょう)の祥の字ですが、「めでたい」という意味です。
命日の語源は、「捨命日(しゃめいにち)」とか、「命過日(みょうかにち)」とか、言われています。
命を捨てる。
命を過ぎる。
この「捨てる」、「過ぎる」の字を省略して、命の字だけが残ったという説があります。
命日とは、素直に、解釈すれば、「いのちの日」です。
故人の亡くなられたいのち日であります。
が、一方で、「わたしのいのち」に気づかされる日でもあります。
亡くなられた故人を偲(しの)ぶ日でありますが、わたしのいのちを見つめる日でもあります。
生きていることがあたりまえ、と思っていませんか。
死は、生きているすぐ隣にあるのに、遠い未来にあると思っていませんか。
命日とは、亡くなられた故人がこう語りかけている日でもあります。
いつまでもあるいのちだと思っていたら違う。
はかり知れない多くのいのちに支えられて、おかげさまで、生かされているいのちなのだ。
亡き人が、命日をご縁として、そう語りかけている。
目の前の生活に追われているわたしに、命日は、いのちのありようを諭してくださっています。