ゴールデンウィーク後半に突入。
岐阜に取材にきています。


熊本大分の震災から半月…
雨風が激しいなか、
いまだ避難所で過ごされている
方たちを思うと、胸が痛みます。

あの益城町のおじいさんは、
どうしているのだろうか…


発災から一週間たったとき、
被災地で、空き巣が相次いでいる
という取材で
熊本に再び入りました。


深夜にパトロールを続ける
地元消防団。

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益城町では、
町の惨状に、どうにもならない
気持ちになりながら
歩いていると、
潰れた家の前で、
じっと家を眺め
1人佇む男性に出会いました。

崩れた石塀に、しゃがんで、
ただ、家を眺めているだけの男性。

私には何もできないけれど、
その姿にいたたまれず、
つい、お声をかけてしまいました。

男性は
家の中に入って、貴重品や
大切ななものや、思い出のものも
取り出したいのだけど、
赤い紙が貼られていて
家の中に入っちゃダメというし、
どうしていいのか、
途方に暮れているのだ、と。

近くに住む義理のお兄さんは、
地震の数時間後に
救いだされたものの、お亡くなりに
なったそうで…

ポツリポツリと話される
言葉ひとつひとつに、
悲しみと痛みが
にじみ出ていました。

「1番大事なのは、命。
2番目は、心。
3番目が、物やお金なんだよね。
だから、3番目はいいとおもうのだけど
でも、入っちゃダメと言われ、
この状態で、
まず、心がついていかないんだよ。
ただ、家を眺めるしかないし、
眺めていたいんだ…」
と。

心…

私には、
どんな言葉もかけることが
できませんでした。

被災された方たちが、
少しでも早く日常が
取り戻せるように、
そして、心を取り戻すことが
できますように、
ただ、ただ、
祈ることしかできません。