半ナマの絆 | オカミのナカミ

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けんせつ小町ときどき土木ジェンヌ。意識のぼせてる系。たまに家業の手伝いで女将になります。街でよく見るタイプのしなやかさと軽さを履き違えてる71年製。ひろのぶ党。



お盆用の花だの灯籠だのの買い出しから帰宅すると、娘が珍しく玄関までやってきた。



もうママちゃん、待ってたんよ。電話しよかと思ったくらいよと口をとがらせている。



どうかしたん?と靴を脱ぎながら尋ねると、パパちゃんとママちゃんこないだケンカしたんやろ。ほやけん、パパちゃん、ママに聞けんから、最近わからんこと、全部うちに電話してくるんよ。
切手て消費税いるんか?はしたがあろうがいの、とかウォンチューってどう書くんやとか、ワシのハンナマってどういう意味やとか。



そんなん、うちがわかるわけないやんって答えたら、高校で何勉強しとんかオマエって逆ギレよ。



仕方ないから、うちが唯一わかるwant you(ウォンチュー)の綴りだけLINEで教えてあげたら、また電話かかってきて、お前親に向かってウォンチューて、アタマおかしいんちゃうかとか言いだすんよ?はぁ?そっちが聞いてきたんやんかって話やん?うちだって親にウォンチューなんか言いたくないっつーの!




もう夫婦喧嘩に子どもを巻き込むのはやめてほしいわホンマと、一気にまくしたてた。





そりゃ災難やったなぁと、笑うオカミ。
そうなのだ。
オーナーはネットでググるとか、辞書を引くという習慣が皆無なので、わからないことは誰かに聞くという原始的手段でいつも解決してきたのだが、そのいちばん手軽な回答アプリ(=オカミ)と派手にやりあってしまったため、今やアプリは完全にフリーズ。



オーナーも一生アンインストール態勢で気炎を吐いているのだが、なにしろ彼にとっては時期が悪かった。普段なら出入りの業者さんに聞けば済むものを、お盆休みの真っ最中で誰も店には訪れない。
苦肉の策で娘に電話したようだ。




いいザマよと、フンと鼻息を荒げたものの、そうは言っても困っているようだ。
癪に障るが、お客さまに関わる困りごとのようなので、オーナー宛にLINEを送るよう娘に指示する。(あくまでも自分で電話しないひねくれたオカミ)




ウォンチューは多分「御中」やわ。
切手は80円じゃ届かんから2円分の切手を貼るか、郵便局に持っていきんさいって言うて。
多分会社宛の請求書を送りたいんやけど、80円切手しか手元にないんやろ。
ハンナマはさすがにわからんなぁ。
何かを読み間違えてるんやと思う。
半ナマか半熟あたりやろけど、多分業者さんかお客さんにFAXで、なんか頼まれたんやろ。
その文面を写真に撮って送信してってパパに頼んで。




娘もLINEのやりとりは手慣れたもので、てきぱきとオカミの指示を入力し送信。
ほどなくオーナーから返信がきた。




お前やればできるんじゃの。ありがとう、と書いてある。
ハンナマもやはりFAXだったようで、文面の画像が添付してあった。




娘が、さすがやね、とオカミを見る。
ママらみたいな夫婦にはなりたくないけど、あれだけの情報でハシタやウォンチューがわかるなんて、さすがに絆みたいなもんは感じるわと言いながら、オーナーから届いたハンナマの添付画像をスワイプして見せた。




 




半生・・・なるほど。
そう来たか。
さすがオーナー。横文字と漢字に関してはいつも予想の斜め上を行く展開だ。




娘に返信するようにことづけて、帽子を被り靴を履いた。
パパちゃんのハンナマは割とイケてるんちゃうかて送っといて。




ママちゃんどっか出かけるの?と娘。





決まってるがな。店に行ってくるわ。
オーナーの半生書ける人、あたししかおらんやろ。




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