人が亡くなるとき、枕元に立たれた、というのはメジャーな話だと思う。いつもは霊感が全く無い人でも、人が亡くなるときだけは体験する事があると思う。実際、私も何度か経験がある。それは赤の他人でも解る時がある。しかし、はっきりとは解らない。いつも「なんとなく」なのだ。

数年前、姉の夫が首を吊った。その数ヶ月前から、何故か彼の周りで起きている様々な事が「もしかして、こうじゃないか」と頭を離れず、実家にいる姉と母親、子供達にしつこく電話をした。相当しつこく、ああして、こうして、と指示を出した。しかし、殆どが無視をされた。唯一、甥だけが、話をきいた。私は甥に「お父さんが帰ってきたら、普通におかえりと声をかけて、何でもいいから軽く話をして」である。当時、既に家に帰る頻度が少なくなっていた義兄が帰宅した時は何事もなかったように普通に振る舞え、と。そして話をしろ、と。死を予期して、最後に会話をちゃんとさせたかったが故に、甥に指示を出した。


「最後の糸が切れた」と感じたのは、妻である姉が夫を見放していると思った時だ。「もう気持ちが離れちゃってるから」、つまり、もう愛してないから。この言葉を電話で聞いた時、救えないと思い、彼らに電話をするのを止めた。その数ヶ月後、やはり「お知らせ」があり、亡くなった。もしかして、、と思っていた事は本当に起こっていたと警察の調べで解った。


亡くなってから約半年して、義兄が寂しそうな顔で夢に出てきた。これは、と思い実家に確認すると、既にもうお線香をあげていない、と。やっぱりそうだった、そうだと思ったと、彼らを叱り、結果、甥だけが今でも毎日、線香をあげている。


私はまだまだ死にそうにない。だが夫の頭の血管が非常に心配で、、、高血圧、、、とにかく、塩分を控えさせなければいけない。